アニメ『WIND BREAKER』が『鬼滅の刃』『怪獣8号』超え!? 春アニメファンの「濃さ」など5月のエンタメブランド調査結果が発表
エンタテイメント業界に向けたデータ×デジタルマーケティングサービスを提供するGEM Partnersでは、エンタメビジネスの最大化をサポートする商品「推しエンタメブランドスコープ」で毎月、最新のエンタメブランド価値を計測しています。2024年5月の最新調査結果のハイライトが公開されました。
「推しエンタメブランドスコープ」では、全国に住む15~69歳の3万人を対象に、「いま、推しているエンタメブランド」に関する調査を毎月実施。答え方があらかじめ指定したリストから選ぶ形ではなく、自由回答方式を採用し、GEM Partners開発による「エンタメコンテンツ辞書」を用いて名寄せ(回答者が記入した情報を精査し、同一コンテンツを示す回答を統合する作業)・集計を実施しています。
「アニメ・特撮」として好きと回答されたエンタメブランドの「推しファン人数」の前月(4月)からの増加ランキングTOP15の1位は、5月の「推しファン人数ランキング」でも1位を獲得した『鬼滅の刃』(参考記事:「『鬼滅の刃』新シリーズ「柱稽古編」開始でエンタメブランドとして推しファン人数No.1に」)。その後には、2位『怪獣8号』、3位『忘却バッテリー』が続き、WEBマンガ誌「少年ジャンプ+」で連載中の両作品がアニメ放送で推しファンを広げたことが分かります。
「推しファン人数上昇TOP15」にランクインしたなかから、今春放送開始のアニメに関連したエンタメブランドの直近3カ月間における「推しファン」の年代構成比を見ると、『怪獣8号』『忘却バッテリー』は、ともに20代がボリュームゾーンとなっていますが、『怪獣8号』が少し年配寄り、『忘却バッテリー』が少し若年寄りにファン層が広がっていることが見て取れます。また、『WIND BREAKER』の10代(15~19歳)~20代の割合が非常に高く、『僕のヒーローアカデミア』よりもさらに若年寄りのファン層となっています。
「信者割合」から見て『WIND BREAKER』は支出金額の拡大余地あり?
4月の調査結果ハイライトでも触れたように、推しファンの「信者割合」が高まると「月当り支出金額(一人当り)」が高まる傾向があります(参考記事「急上昇のSTARTO『Aぇ! group』にみる、推しファンの「信者」割合と「支出力」を分析~2024年4月エンタメブランド調査結果」)。
特に『この素晴らしい世界に祝福を!』の「信者割合」が高く、「一人当りの支出金額」も高くなっています。逆に『怪獣8号』『忘却バッテリー』はともに、前述したように「推しファン人数」は広がってきているものの、「信者割合」はまだ低めとなっており、今後のファンの育成が課題と考えられます。
『WIND BREAKER』の「信者割合」は『鬼滅の刃』より高く、『僕のヒーローアカデミア』より若干小さい程度です。しかし、「月当り支出金額(一人当り)」に注目すると、『僕のヒーローアカデミア』は傾向線の上に位置していて、信者割合に対して支出金額が多めです。これに対して、『WIND BREAKER』は傾向線より下に位置していて、信者割合に対して、月当たり支出金額が低めとなっています。
さらに詳細に『WIND BREAKER』ファンの支出意識を見ると「最大許容支出金額」も信者割合に比べて低く、「支出金額」に対するギャップである顕在化した「飢餓感」が大きいとは言えない状況となっていました。しかし、『WIND BREAKER』の推しファンの信者割合は高いことから、潜在的な支出意欲がある見込みがあり、関連商品やイベントなどの展開により支出を拡大できる可能性があります。