ご飯のおともにぴったり!垂水の名店店主も仕入れに通う佃煮・乾物店『江戸屋 本丸』 神戸市
ご飯の進む季節になりましたね。垂水駅東口の近くにある『江戸屋 本丸』(神戸市垂水区)は、素材にこだわった佃煮・乾物類を販売するお店です。美味しいご飯のおともが見つかりそう♪期待を胸に、取材に出かけました。
壁一面に並ぶ佃煮は見応えあり!佃煮だけで30種類ほどもあるそうです。昆布、鰹節なども加えると50種類以上に。
同店は、近くの市場に店舗を構えていた時代から続く創業約80年の老舗です。ご近所さんと思しき方々が入れ替わり立ち替わり訪れては、店主夫妻との会話を楽しみ“いつもの味”を買ってゆく。きっと昔から変わらない光景なのだろうなと、心温かくなりました。
「ここの松茸入りの昆布が美味しいのよ。この時季はいつも楽しみにしてるの」と、常連さんが話しかけてくれました。こういう交流が楽しめるのも、地元に根付くお店ならではですよね。
たくさんある佃煮の中でも、特に人気の高い「味禄」を試食させていただきました。小さく刻まれた昆布、椎茸、ちりめん、本節かつお、山椒の実。甘辛く上品な風味の中で、一際存在感を放っているのが昆布です。
佃煮のしっかりした味にも負けない昆布の旨みと食感は、北海道産の真昆布によるもの。年々収穫量が減っているという貴重な北海道産の真昆布を使った佃煮は、百貨店で買うとかなりのお値段のする高級品ですが、同店ではリーズナブルに販売されていて日常的に食べられるのも嬉しいです。
出汁昆布としておすすめされているのが「羅臼(ラウス)昆布」です。昆布の中でも特に濃厚な出汁が取れるため、料亭などでも多く使われる最高級昆布。
昆布そのものを食べてみて驚いたのが、口に入れた瞬間よりも、しばらく噛んだ後の方が旨みが増すこと。旨み成分であるグルタミン酸が多く含まれているそうで、ジワ〜ッと溢れ出す豊かな香りは、出汁を取っても美味しいはずです。
形の整った「ラウス昆布」も販売されていますが、今回は日常用にお手軽に買える「ラウス昆布の耳」(昆布の端の部分)で簡単な出汁の取り方をレクチャーしていただきました。
耐熱容器に昆布と削り節を入れて、熱々になるまでレンジでチンでOK。お味見してみると、濃厚で少し甘くて、それだけで十分美味しい本格的な“お出汁”に。そこに少しの調味料を加えるだけで絶品煮物やおでんなどが完成します。
こちらは、同店名物の「生ちりめん佃煮」。垂水漁港でとれた新鮮な秋しらすを使い、丁寧に炊き上げられた逸品です。
近年、いかなごのくぎ煮の代わりにしらすの佃煮を販売するお店も増えてきましたが、同店では「いかなごのくぎ煮」とは別商品として約20年前から存在する、知る人ぞ知る定番商品です。
琥珀色に輝く「生ちりめん佃煮」は、甘味と塩味のバランスが絶妙!間違いなくご飯のすすむ味です。ベタッとせず、パラリとほぐれるのも特徴です。
水揚げしてすぐの新鮮なしらすの水分を強い火力でできる限り飛ばし、余計なものは加えずにシンプルな材料で炊くことがポイント。炊く時には目を離さず、炊き上がりのタイミングを逃さないことも重要なのだそう。
手作りで丁寧に作られるからこそ生まれる変わらぬ味。「生ちりめんの佃煮といえば江戸屋さん」というファンが多いのも納得です。
お店でお話をうかがっていると、ご近所の名店『びりけん』の店主さんにも偶然お会いしました。あの絶品もつ鍋の出汁は、こちらの昆布でとられていたのですね!ほかにも近隣の多くのお店でこちらの昆布が使われています。
「求めてくださるお客様がいる限り、良いものをお出しし続けたい」と店主夫妻。「少しお待ちいただきますが、佃煮などはグラム単位で必要な分だけ販売することも可能です」と、ホスピタリティも抜群です。
たくさんの中から好みのものを見つける楽しみ。美味しいご飯のおともを求めて、これからも度々足を運んでしまいそうです。
場所
江戸屋 本丸
(神戸市垂水区日向1-4-1 レバンテ垂水1番館125-2)
営業時間
10:00~19:00
定休日
日曜日