「山を楽しむ特別な体験」へ!初心者も参加でクマ対策から絶品ビュッフェまでもりだくさん!
北海道生まれ北海道育ち。生粋の道産子であるHBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)が、趣味である「登山」と「山ごはん」を紹介する連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」。
自分の足で歩いた先にある絶景と、おいしいごはんは、もう最高!
文化部出身・運動神経ゼロの私でも楽しめる「コスパはなまる山」が盛りだくさんです!
※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。
今回は、私の夢がまたひとつ、叶ったお話…
この連載を読んでいただいていたみなさんと一緒に登山をしてきました!
ずっと実現したかった「山を楽しむ特別な体験」を、一緒に!
北海道の占冠村にある「星野リゾート トマム」の協力で「堀内美里の言いたいことは山々ですが」の特別宿泊プランを、9月27日~28日に開催しました。
イベントの推しポイントは3つ。
①手軽に絶景を味わえる登山体験!
②専門家によるクマについて学べるレクチャー
③トマムのおいしいごはんと楽しいアクティビティ
この3つを軸に参加者の14名の皆さんと一緒に、1泊2日を楽しんできました。
まずはクマ対策のレクチャー
参加者のみなさんは午後3時のチェックインのあとにまず集合していただきました。
登山の前に大事なクマ対策のレクチャーを一緒に受けてもらうためです。
レクチャーを担当してくれたのは、占冠村の野生鳥獣専門員・浦田剛(つよし)さん。
浦田さんは野生生物の生態を知ることで、人と自然が共に安全に過ごせる方法を日々探っています。
面積の94パーセントが森林という占冠村。
村の自然の特徴や、クマに出会わないための対策、それでももしも出会ったら…などを教えてもらいました。
まずはそもそもクマに出会わないための基本から。
見通しがいい進路を選んだり、動物の死骸があった場合は近くに寄ったりしないこと。
危ないなと思ったところには、踏み込む前に「おーい!」「人がいるぞー!」など、声をかけて知らせること。
それでも出会ってしまった場合、まず大切なのは「落ち着いて行動すること」。
特に、大声で悲鳴をあげたりものを投げつけたりは絶対にしないこと。
同行者みんなで集まって、背を見せずに急に走らず、歩いて離れること。
日ごろの登山から意識できることを改めて教えてもらいました。
クマ対策を実践します!
プレゼンテーションを室内で聞いた後には外に出て、実践編。
クマに出会わないための音の出し方やいざというときのクマスプレーの使い方などを教えていただきました。
①クマに出会わないように…とにかく音を出して知らせる!
クマ対策として、私もいつも持ち歩いているクマ鈴。
実際に、どれくらい音が届いているのでしょうか。
実際に鳴らしながら、遠ざかっていきどこまで聞こえるのかみんなで実践してみました!
すると10メートル以上離れて姿が見えなくなっても音は聞こえました。
鈴以外でも、手を叩いたり笛を鳴らしたりなども試してみましたが、同じくらい音は響いて聞こえました。
人間の耳でも聞き取れる音ということは、クマにはしっかり届いているはずです。
出会わないために、とにかく音を出して知らせる、そして音は出し続けることが大切だと学びました。
②クマに出会ってしまったら…?距離の取り方とクマスプレー
マスプレーの噴射距離は一般的には3メートルから10メートル程度と言われていますが、その日の風の強さや向きによってどこまで届くのかが変わります。
浦田さんいわく、いざクマに出会ってしまったときには、まずは10メートル程度の距離がある状態で軽く噴射して気流の流れを見るのがオススメだそう。
そこで風の強さや向きの感覚をつかんで、いざ近づいてきたときに勢いよく噴射しクマの鼻を霧で包むという流れを実践しました。
今回のイベント参加者は登山初心者の方がほとんど。
もちろんクマスプレーに触れるのも初めての方ばかりで、まず持ち方からわからない人もいました。
何名かに実際に訓練用スプレーを噴射してもらいました。
「噴射する前にストッパーを抜くことを知らなかった」
「タイミングに迷い、なかなか噴射できなかった」
持っているだけではなく、使うことができてこそのクマスプレー。
やってみるからこそわかる気づきがたくさんありました。
③襲いかかってきたら…最終手段の姿勢は
また、もしもクマが襲いかかってきたときの最終手段「防御姿勢」についても教えてもらいました。
うつ伏せになって首の後ろを手で覆い、お腹を守るように身をかがめて丸くなる。
この姿勢で、頭・顔・首・腹部などの急所を傷つけられるのを防ぐ…というものです。
ここまでクマ対策について学んできましたが、占冠村だけでなく北海道のどこにいても、そして全国でも。クマはそこに暮らしています。
そして人間である私たちが海の幸や山の幸を食べて生きているように、クマも自然の恵みを食べて、山の中でただ生きています。人とわざわざ衝突したいなんて思っていないはずです。
浦田さんも幾度となくクマに遭遇していますが、みんなが闇雲に人を襲ってくるわけではなくて、多くのクマは自分から遠ざかっていくと話していました。
浦田さんの話を聞いて、登山という行為で自然界に足を踏み入れている立場は私たちであることを改めて自覚しました。
ただ「登山=自然破壊」だと考える方もいますが、悪いことばかりではないとも思います。
登山をしながら山を整備したり、地方を訪れることで山をきれいに維持するお金がその地域に還元されたりと、自然界にとってもメリットはあるはず…。
それならばやっぱり大切なのは、自然界、今回であればクマとの適切な距離。
クマ=こわい存在と決めつけるだけでなく、しっかり生態を理解してそこに生きている生き物として対峙するのが大事だと感じました。
そのためにも、普段からクマに出会わないための対策をまず第一に登山をしていきたいと思います。
トマムのおいしいごはんをいただきます!
クマについて学んだあとは、お待ちかね!
リゾート内にある森のレストラン「ニニヌプリ」で、ごはんタイム!
ビュッフェスタイルで好きなものをいただきます。
おいしいごはんを前に、初めて会った参加者同士でも話が進みます。
今回のプランでは、道内各地だけでなく、埼玉県や千葉県から来てくれた方もいました!
それぞれの出身地のおいしいごはんや山の話で盛り上がりました。
道外からの参加者の1人は「ビュッフェがこんなにおいしいなんて、すごい。北海道に住みたい!」と感動していて、なんだか私まで誇らしい気持ちにさせてもらいました。
そんなビュッフェでオススメだったのはトマム牛乳を使って作った、チーズがたっぷりとろ~りとろける「マルゲリータ」!
牛乳の香り・甘み・コクがしっかり感じられて…おいしい!
心ゆくまで楽しめるビュッフェでしっかり英気を養いました!
いよいよあしたは登山当日です。
目指すは標高1,239メートルのトマム山の山頂!
午前3時50分集合と早いので、午後7時半には解散しました。
参加者の皆さんと雲海とご来光が見られますように…と願いながら眠りにつきました。
クマ対策も万全に、早朝のトマム山に行ってきます!
登山レポは次回お伝えします!
連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」
※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。
文:HBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)
北海道生まれ・北海道育ち。2021年入社。HBCテレビでは「グッチーな!」「ジンギス談」「吉田類 北海道ぶらり街めぐり」「大江裕の北海道湯るり旅」などを担当。登山歴4年。おいしくごはんを食べるために山に登っています。登山の魅力はインスタグラムでも発信中
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は登山時(2025年9月)の情報に基づきます。