【18禁+】「大胆露出」「エレガントなエロティシズム」美しくも深い“闇”どう表現した?『秘顔-ひがん-』制作秘話
“秘密だらけ”の韓国スリラー『秘顔-ひがん-』
韓国映画初登場No.1、19歳未満鑑賞禁止にもかかわらず観客動員数100万人突破の快挙を達成した、<劇薬>サスペンス・スリラー『秘顔-ひがん-』が6月20日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国公開となる。
激しい情愛に溺れる男女と、そのすべてをすぐ“そこ”から見つめる婚約者の3人には〈秘密の顔〉があった。その〈秘密〉が剥がされるたびに、どんでん返しが連続する予測不能のストーリーに心をつかまれ、生々しくもエレガントなエロティシズムに息をのむ――。
そんな本作のストーリーや演出、美術の細部にまでおよぶ制作秘話と、併せてキム・デウ監督のコメントが到着。ということで、鑑賞前後を問わず知っておきたい<『秘顔-ひがん-』A to Z>を紹介しよう。
消えたはずの婚約者が鏡の中から覗くのは、一線を越えた<秘密の顔>
「格が違う!<19禁>密室スリラー(JoyNews24)」 、「大胆露出、それ以上の衝撃!(StarNews)」、「鏡の後ろに隠された欲望、予測できないエンディング(アン・テジン(『梟-フクロウ-』監督)」と観る者の度肝を抜き、本国で記録的な大ヒットを果たした本作。
出演は「エデンの東」ソン・スンホン、『パラサイト 半地下の家族』チョ・ヨジョン、「財閥 x 刑事」パク・ジヒョン。心ゆさぶる体当たりの演技合戦、格調高いクラシック音楽、そして深い闇さえも美しい映像表現が、欲望の螺旋の果てに待つ<超劇的>クライマックスへと観客を誘う。すべての纏が剥がされたとき、私たちの見ている世界は一変する……。
邸に隠された“秘密の空間”とは……?
失踪した婚約者スヨンの行方を追っていたソンジンの前に突然現れた謎の女ミジュ。互いに惹かれ合い、禁忌を犯してしまった二人を目撃していたのは、“最も近くの密室”に閉じ込められていたスヨンだった。
本作では劇的に変化するキャラクターの感情と、スリラーとしての唯一無二の雰囲気を最大化するために、特に空間と照明、撮影が緻密に設計された。“密室サスペンス・スリラー”というジャンルの通り、密室を舞台にどんでん返しが連続、息もつかせぬ怒涛の展開が繰り広げられる。
「密室を通して、魂や本能の暗い道筋を表現したかった」というキム・デウ監督の言葉通り、“密室”は事件現場であり物語の中心だ。
ソンジンとミジュが情事に及び、2人の感情が高ぶる場面では、人工的な照明を極力排除することで観客が多層的な感情を体験できるよう演出。カメラを密室から、情事を見つめるスヨンの近くに配置することで、スヨンの激しく揺れる感情を強烈に感じられる臨場感を作り出した。細心の注意を払った撮影と照明が、まるでスクリーンの中に入ったかのような没入感と緊張感を実現している。
緻密な美術がキャラクターの物語を引き立てる
また、オーケストラのリハーサルホールや、ソンジンのオフィス、邸宅、レストラン、ミジュの家など、あらゆる空間の緻密な設計もキャラクターの物語を効果的に伝えた。
ソンジンの仕事場であるリハーサルホールにはクロム素材で作られた木製のオブジェを設置し、キャラクターがもつ冷たい雰囲気を表現。ソンジンとスヨンが住む邸宅には、エッジの効いたヴィンテージ家具を配置することでキャラクターの好みを表現。シャープな風景が両者の緊張した雰囲気を演出した。
さらに、ソンジンとミジュが初めて訪れるレストランの外では、次第に絡み合う2人の関係と雰囲気をツルバラで表現。華やかな空間とは異なり、湿った暗いトーンをまとったミジュの裏庭は、キャラクターが隠している複雑な内面を垣間見せる。
細部にまで神経を尖らせ制作されたことにより、その場にいるかのような緊張感を持ち没入することができる映画『秘顔-ひがん-』は、6月20日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開。