南九州四県対抗選手権大会県予選 バスケットボール女子 明豊がリベンジ、「この優勝は大きな自信になる」 【大分県】
第79回南九州四県対抗選手権大会県予選
女子決勝 4月13日 クラサス武道スポーツセンター
明豊89(23-21、15-18、27-15、24-12)66大分
2月の県高校新人大会での悔しさを、見事に晴らした。明豊は南九県予選の決勝で再び大分と対戦し、89−66と快勝。杉山真裕実監督は「この勝利は大きい。特に新チームにとっては自信になる。しかも20点以上差をつけて勝てたことが本当に大きい」と柔らかい笑みを浮かべた。
試合は序盤から激しい点の取り合いとなった。エースでキャプテンの中島綾香、センターの下田来美といった3年生が安定した得点力を見せ、チームをけん引。中盤からは成長著しいポイントガード豊東苺子(2年)がゲームの流れを支配した。杉山監督は「豊東が試合をよくコントロールしてくれた。相手が勢いづいていたり、得点できなかったりしてこちらが低調な時間帯でも、それ以上状況を悪くしないで我慢するという状況判断を、遠征で繰り返し伝えてきた。それがようやく実戦で形になってきた」と語り、確かな進化を感じ取っていた。
後半に得点を量産した平倉千春
後半に勝負を託されたのは、前半やや精彩を欠いていた平倉千春(3年)。杉山監督は「平倉が乗ると手が付けられなくなる。今日は我慢して使って正解だった」と振り返る。その期待に応え、第3クオーター(Q)だけで11得点。終盤も畳みかけ、チーム最多の21得点を挙げてみせた。「前半は全然ダメだったけど、みんながつないでくれたおかげで、後半は思い切ってプレーできた」と平倉。仲間の支えが、大きな爆発力につながった。
実はこの試合、杉山監督は勝ち負けよりも「実験の要素」を重視していた。「今日は新人戦の延長のような流れで臨んだ。チームとしての戦術もほとんど出していない。どれだけ練習の成果が通用するかを見たかった」と話す。それにもかかわらずこの快勝。選手のポテンシャルの高さが際立つ一戦だった。
今後の課題について杉山監督は「下田に休める時間を作るために2年生センター陣を育てること。シューターにはディフェンスがついた中で決めきる力をもっと磨かせたい」と語る。加えて、1年生の台頭にも期待を寄せており、「彼女たちをどう戦力化するかも楽しみ」と目を細める。
県高校総体まで残された時間は1カ月。明豊は着実に完成度を高めながら、さらなる飛躍を目指している。
県高校総体も優勝が目標となる
(柚野真也)