特殊詐欺に手を染めてしまった男性「ある日警察に囲まれていて…」後悔の日々をカメラの前で告白
2024年は「闇バイト」による犯罪が横行しました。
道内でも、強盗などに関与したとして2人が逮捕・起訴されています。
闇バイトの背後にあるのは、SNSなどで実行犯を募る匿名・流動型犯罪グループいわゆる「トクリュウ」。
被害が収まらない「特殊詐欺」の温床とされています。
道内の特殊詐欺による被害額は、2024年11月まででおよそ6億2000万円。去年1年間の被害額をすでに5000万円ほど上回り過去5年で2番目に多い額となっています。
特殊詐欺の実態とは?HTBは、かつて道内で「受け子」や「かけ子」をしていたという男性を取材しました。
【特殊詐欺に関与した男性(24)】
「きっかけは先輩からの誘いで『いいバイト』とか『普通に働いていて稼げる額が1日で入るよ』みたいな感じで軽く言われてどんなもんかなと、軽い感じでやりました」。
伊達市に住む24歳の男性。
初めて特殊詐欺に関わったのは4年前、20歳の時でした。与えられた役割は、いわゆる「かけ子」。
【特殊詐欺に関与した男性(24)】
「台本みたいなのがあってその通り言っていくだけ。『キャッシュカードの被害があって、そちらのお宅に私服警察官がキャッシュカードを回収しに行くから準備して待っていてほしい』と」。
Q詐欺なんじゃないかと疑われることは?
「ありましたね。『そう言われたら切っちゃっていい』と言われていたので、ガチャっと(切りました)」。
「一人がずっと座って僕らの方を見ているという感じで、切った切ったで『ドンマイ、また次頑張ってかけて』と言われて」。
札幌市内のマンションの一室で3時間ほど電話をかけ、その日だけで20万円ほどの報酬を得たそうです。
罪悪感をおぼえた男性は、一度は距離を置きましたが、その後も先輩からの
誘いは続き、2年前、再び手を染めてしまいました。
当時は「コロナ禍」で、収入が減っていたと言います。
【特殊詐欺に関与した男性(24)】
「給料が全然入らなかったりとか、暮らせる分はあっても遊ぶ分がなかったので、小遣い稼ぎの短期バイトみたいな感じでやりました」。
この時の役割は、「受け子」。
釧路市内の高齢の女性の家に向かい、キャッシュカードを受け取ってくるというものでした。
そして、事前に聞きだした暗証番号を元に現金およそ150万円を引き出したという男性。
その1割にあたる15万円を報酬として得ました。しかし、その数週間後…。
【特殊詐欺に関与した男性(24)】
「起きたら警察に囲まれてて手帳見せられて、『分かるな?もうなんで来たか
分かるな?』って」。
男性はキャッシュカードを盗んだ罪で起訴され、懲役3年、執行猶予5年の
有罪判決を受けました。
【特殊詐欺に関与した男性(24)】
「その時の気持ちだけでやった代償にしては、でかすぎるなっていうのがあります。後悔してからではもう遅いので後悔する前にもう1回よく考えてから
行動した方がいいと思います」