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C-C-B「Romanticが止まらない」から40年!時代を超えて人々の記憶に残る曲とは?

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1985年01月25日 C-C-Bのシングル「Romanticが止まらない」発売日

「毎度おさわがせします」の主題歌だった「Romanticが止まらない」


2025年1月25日、C-C-Bの「Romanticが止まらない」がリリース40周年を迎えた。同曲は、中山美穂、木村一八出演の人気ドラマ『毎度おさわがせします』の主題歌になり、火曜日の夜9時になると、あの軽妙なシンセサイザーの音がお茶の間に鳴り響いた。

“和製ビーチ・ボーイズ” をコンセプトに、1983年6月にシングル「Candy」でデビューしたココナッツ・ボーイズが “C-C-B” と改名し、心機一転リリースした勝負曲が「Romanticが止まらない」だった。髪をカラフルに染めたメンバーの中でも、とりわけピンクに染めたドラムス&ボーカルの笠浩二に目を引かれた。そんなニューウェイヴ的な出で立ちからか、チェッカーズと比較されることが多かったが、個人的にはコスミック・インベンションの “進化版” という印象を持っていた。

コスミック・インベンションとは、作曲家の井上ヨシマサ(当時:井上能征)が在籍していた中学生テクノポップバンドで、1980年には日本武道館でYMOの前座を務めている。NHK『みんなのうた』で放送されていた「コンピューターおばあちゃん」のオリジナルが彼らのファーストアルバム『COSMORAMA』に収められていたことからか、『レッツゴーヤング』などNHKの音楽番組に頻繁に出演していた印象がある。

C-C-Bとコスミック・インベンションの共通点は?


なぜ、コスミック・インベンションかといえば、笠浩二がヘッドセットマイクをつけてドラムを歌う姿がコスミック・インベンションのドラムス&ボーカルの森岡まみの姿と重なったからだ。中学生とは思えないテクニックでドラムを叩き、体を揺らしながら歌う森岡まみと笠浩二は似たスタイルだった。

船山基紀アレンジのテクノポップ風イントロが、さらにそう思わせたのかもしれない。ともあれ、僕にとってC-C-Bのファースト・インスピレーションは “第2のチェッカーズ” というよりコスミック・インベンションだった。また、筒美京平が紡いだ親しみやすいメロディは、『毎度おさわがせします』のオープニングで団地をバックにエプロンに買い物かごを下げた主婦たちが踊る姿にも違和感なくハマったし、思春期の性衝動をコミカルに扱ったドラマの作風にもマッチしていた。

1985年の年間チャート4位を獲得


ちなみに、1985年といえばチェッカーズがヒット曲を連発し、レベッカが4枚目のアルバム『REBECCA IV 〜Maybe Tomorrow〜』でオリコンチャート1位を記録。さらにはBOØWYがブレイクのきっかけになったサードアルバム『BOØWY』をリリースした年でもある。そう、歌謡曲が主流だったヒットチャートに変化の兆しが起こったのが1985年だ。この年のオリコンシングル年間売上ランキングはーー

 5位「あの娘とスキャンダル」チェッカーズ
 4位「Romanticが止まらない」C-C-B
 3位「恋におちて」小林明子
 2位「ミ・アモーレ」中森明菜
 1位「ジュリアに傷心」チェッカーズ

ーーとなっている。作詞:松本隆、作曲:筒美京平というゴールデンコンビの楽曲をバンドサウンドに落とし込み、歌謡曲とロックバンドの境界線をボーダレスにした最大の要因が、メインストリームに浮上したC-C-Bの存在だったと言ってもいいかもしれない。

「信じていれば」まで12曲連続オリコントップテン入り


とは言え、この曲がヒットした当時、見た目の派手な印象から一発屋で終わると思っていた人が多数いたのも確かなこと。しかし、C-C-Bはこの後もヒットを連発。1986年にはラップを効果的に取り入れた「ないものねだりの I Want You」で初のオリコン1位を獲得する。そう、「Romanticが止まらない」から1989年リリースの「信じていれば」まで、12曲連続オリコントップテン入りを果たしているのだ。

その「信じていれば」がヒットしていた頃だったと思うが、僕は、前年にソロ活動をスタートさせたC-C-Bのギタリスト、関口誠人にインタビューしたことがある。その時、フェイバリットとしてストレイ・キャッツやザ・クラッシュの『ロンドン・コーリング』を挙げていたことを鮮明に覚えている。彼らのキャリアのスタートで大きな影響があったビーチ・ボーイズ然り、さまざまなバックボーンを持ったバンドなのだ。そういったメンバーの音楽性が深みとなり、C-C-Bは80年代後半を駆け抜けた。

そんな彼らを象徴する1曲は、やはり「Romanticが止まらない」だろうか。ファッション、話題性、音楽性、そしてヒットメイカーである筒美京平との出会い。時代を超えて人々の記憶に残る曲というのは、様々な要素が絡み合って成立するものだと思わずにはいられない。

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