上瀬谷小児童 海軍道路の桜“2世”植樹 接ぎ木し、2年かけ生育
上瀬谷小学校(小林京子校長)の子どもたちが3月12日、近隣の海軍道路の桜を母樹とする苗木を校庭に植樹した。2年前に当時の児童が接ぎ木し、成長したもの。老木化などにより撤去や移植が実施、計画されている同所の桜を次世代につないでいく取り組みだ。
この日は瀬谷区の植木八千代区長や瀬谷北部町内連合会の堀野州男会長らが見守るなか、植樹式が行われた。苗木は同校の子どもたちが2年にわたり育ててきたもの。数十cmの大きさで、「ぎょうざ」と命名されている。園芸委員会の児童7人と植木区長、堀野会長によって校庭の一角に植えられ、土かけと水やりが行われた。
「きれいな花を咲かせて」
名所として知られてきた海軍道路の桜。植えられてから40年以上が経ち老木化が進んだことから、横浜市では2022年に「新たな桜の名所づくりに向けた基本計画」を策定した。23年2月に上瀬谷小で行われた接ぎ木イベントも同計画の一環だった。
接ぎ木は2種類以上の植物を組み合わせて生育する園芸技術。当時の5年生は海軍道路の桜と横浜市ゆかりの「シドモア桜」の枝を、土台となるオオシマザクラの枝とつなぎ合わせ、合計60本ほどの接ぎ木を作った。
上瀬谷整備推進課によると、海軍道路の桜を母樹とする接ぎ木は33本で、そのうち「ぎょうざ」を含む3本が根づいて生長した。「きれいに育つよう、土でしっかり覆われているか気を付けてきました」と生育を振り返る園芸委員会の齋藤希衣さん。及川瑚白さんも「根っこの部分に水をかけるようにしたり、水の量が多くならないよう注意しました」と話す。
植樹にあたってはJA横浜の協力のもと準備が進められてきた。同委員会の江ヶ崎英汰さんは「元気に大きくなればと頑張って育てました。きれいな花を咲かせて欲しい」と期待する。水野優里佳さんも「海軍道路の桜は、どれもきれいでした。ぎょうざも、そうなって欲しい」と笑顔で話した。