社員の3人に1人が年収2割アップのケイアイスター不動産、単なる賃上げだけでない工夫とは
ケイアイスター不動産(埼玉県本庄市)は10月3日、2023年度に開始した「年収2割UPプロジェクト」の最新の取り組み状況を明らかにした。2024年度は、社員紹介制度や持株会奨励金などの企業への貢献が反映される制度の活用により、年収アップにつながった。
社員紹介手当金29万円→50万円、持株会奨励金10%増額などを実施
同プロジェクトは、同社グループの給与水準の引き上げを目的としたもので、全社員対象の「社員紹介制度」、昨今の物価上昇に伴い間接部門の支給額のベースアップを目的とした「インフレ手当」、技術職の労働力安定化を目的とした「技術手当」などを支給している。
2024年(4月時点)は、対象従業員844人のうち、271人が年収2割UPを実現する見込みだという。社員紹介制度や持株会奨励金の増額が要因となった。
社員紹介制度とは、従業員が入社希望者を紹介することで入社後に双方に特典を提供する制度で、入社者には入社祝金として5万円を支給している。紹介者への手当金(リファラル手当金)はこれまで、年間最大29万円だったが、2024年8月から年間最大50万円に増額した。
持株会奨励金とは、従業員による株式取得の促進、持株会制度の効果を増大させるため、毎月拠出者に対し支給している出資金(毎月の拠出上限額は10万円)。これまでは拠出金額の10%としていたが、2024年9月から20%に増額した。
このほか、2024年度は、昨今の物価上昇に伴い間接部門の支給額のベースアップを目的に、係長職以下に支給しているインフレ手当の増額(月1万円→月3万円)も行った。
同プロジェクトは今後も継続する方針で、さらなる支援策を通じて、従業員が安心して働ける体制を整えていく。
電気料金値上げや猛暑対策などの支援制度を拡充も
同社では、快適な暮らしを提供する企業として、従業員においても同様に、一人ひとりが安心して働ける環境の実現を目指している。
昨今の物価高騰への対策として開始した年収2割UPプロジェクト以外にも、以下のような施策を実施して、社員をサポートしている。
・生活応援一時金:従業員のQOL向上を目的とした支援金制度。2023年6月の大手電力各社7社の電気料金値上げに対して、新設した手当とは別に、5万円を支給する
・猛暑対策手当:建設現場で働く従業員のQOL向上をはかるため2023年8月に新設した。対象は、建設現場に従事する社員職人、現場監督(施工、開発)、品質管理、カスタマーサービス、リフォームの各従業員。7、8月の2か月限定で月2000円を支給する
KADOKAWAは、対象資格取得者に支援金を支給
福利厚生を目的に、さまざまな支援金制度を導入する企業が増えている。
KADOKAWA(東京都千代田区)は2024年5月、社員の資格取得支援制度の対象資格を139種に拡大するとともに、支援金上限を最大1000万円に増額すると発表した。多種多様な分野に精通した強い人材の育成が目的だ。
九州電力(福岡県福岡市)と九州電力送配電(福岡県福岡市)は2024年9月から、育児休職者が所属する職場の従業員を対象に、「育児サポート応援金(通称:育サポ応援金)」制度の運用を開始した。同制度では、1か月以上の育児休職取得者が所属する従業員に対し、半期ごとに支援金が支給される。
発表の詳細は同社の公式リリースで確認できる。