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【特集記事】昭和を代表する世界的写真家 土門拳の作品を堪能できる「土門拳記念館」| [山形県酒田市] 日本初の写真専門美術館

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① 土門拳氏について

20世紀を代表する写真家の一人として知られる土門拳氏は、1909(明治42)年に現酒田市に生まれました。

独自のリアリズムにこだわった報道写真や、寺院仏像など日本の伝統文化を個性的な視点で切り取った作品を発表し、昭和を代表する写真家として知られています。

紫綬褒章など、多数の栄誉に輝き、1974年に酒田市名誉市民第1号となりました。

② 概要

土門氏が名誉市民に選ばれた際に、自身の全作品を酒田市に寄贈することを申し出られました。

そして、1983(昭和58)年日本で初めての写真専門美術館として「土門拳記念館」がオープンしました。

緑の林を背景に、まるで水辺に浮かんでいるように見えます。

壮大でありながら、自然に溶け込む美しい建築です。

建物の設計は、土門氏と親交のあった谷口吉郎氏の長男である谷口吉生氏が担当しました。

いかに美しい自然と建物を協調させるかを重視し、ここを訪れる人々が土門氏の世界を思うにふさわしい環境であることを目指して設計されたそうです。

大きな石の壁をくぐると入口が見えてきます。

無機質でシンプルなつくりは、まるで記念碑のような厳かな雰囲気です。

入口のドアを開けると、エントランスに銘板が見えます。

こちらは、グラフィックデザイナー亀倉雄策氏がデザインした銘板です。

亀倉氏は、日本でグラフィックデザインという仕事を確立した第一人者として知られ、1964年東京オリンピックの公式ポスターやエンブレムが代表作に挙げられます。

このように、土門氏と親交のあった名だたる芸術家たちが残した作品も見どころのひとつです。

① 主要展示室

館内には、順路の案内があります。

主要展示室は、作品を静かに鑑賞できるように、自然光を遮ぎった空間となっています。

ゆったりとソファに腰掛けながら、作品を眺めることも可能です。

自然光の代わりに、天井には約500本の電灯を使用し、昼光に近い状態で照明しています。

② 企画展示室Ⅰ

主要展示室と同じく、自然光を遮ぎった空間です。

年間スケジュールに準じて、素敵な企画展をお楽しみいただけます。

③ 企画展示室Ⅱ

企画展示室IIでは、作品とお庭を眺めることができます。

こちらは自然光が入り、窓からお庭が見える和風の空間です。

お庭は、華道家勅使河原宏氏が手がけ、石と笹で傾斜を生かした風情のあるつくりです。

建物が直線でできているため、お庭には曲線を配置し、自然と調和がとれるようにつくられたそうです。

ギャラリーの廊下は、展示室の落ち着いた場所から、明るい記念室へと向かうように光が差し込みます。

窓からは中庭が見え、世界的彫刻家イサム・ノグチ氏による「土門さん」と名付けられた彫刻があります。

水の流れを、時の流れや時代の推移と重ね、その中に土門氏の力強さを表現したそうです。

白鳥湖 (拳湖)に面した土門拳記念室からは、飯森山公園の豊かな自然が水面に映った様子や、天気が良ければ鳥海山を望むことができます。

作品鑑賞後、余韻に浸る場所として大変おすすめです。

こちらでは、土門氏のドキュメンタリー映像をご覧いただけます。

すぐそばに水の流れを爽やかに感じながら、土門氏の気迫こもった写真に対する熱意が胸に響きました。

主要展示室と企画展示室Iの付近にミュージアムショップが設けられています。

土門氏の作品のポストカードや写真集などを購入することができます。

土門拳記念館を訪れた思い出に、お気に入りの作品のグッズを手にとってみてはいかがでしょうか。

最後に、茂木さんからメッセージをいただきました。

「土門拳記念館は、飯森山公園の中にあり、自然と融合した美しい建物も魅力のひとつです。

散策を楽しみながら、アートスポットとして、四季が織り成す芸術空間で、土門拳の多岐にわたる仕事ぶりを感じていただけると嬉しいです。

ミニコンサートや学芸員によるギャラリートークなど、様々なイベントを行っておりますので、ぜひお気軽にお越しください。」

【開館時間】
9:00~17:00
(入館は16:30まで)
【休館日】
・4月~11月 無休
※展示替えのため臨時休館する場合有り
・年末年始休業
・12月~3月 毎週月曜日
※ 月曜祝日の場合は、翌火曜日が休館

土門拳記念館

〒998-0055
山形県酒田市飯森山2-13(飯森山公園内)

☎ 0234-31-0028

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