【横浜市港北区】港北国際交流ラウンジ 外国人住民支え25年 11月に生の声を聞くイベント
港北国際交流ラウンジ(鬼頭幸久理事長)は今年9月、設立25周年を迎えた。これに伴い、区民活動支援センター主催の港北地域学講座「外国人住民の声から学ぶ港北の今」が11月22日(土)、同ラウンジで開催される。多文化共生を支えてきた活動の「今」を、外国人住民の生の声から探る機会となる。
国際交流ラウンジは、市内在住外国人のための生活情報提供、相談、日本語教室、通訳ボランティア派遣、日本人との交流などを行うため、横浜市が設置する施設。
港北区では2000年9月に大豆戸に設立され、NPO法人港北国際交流の会が市の委託を受けて運営し、多くの市民ボランティアが協力している。同ラウンジ理事の横溝理津子さんは「『日本人は来れない』と思っている方も。25年という節目に、どういうところなのかを知っていただければ」と話す。
港北区の外国籍住民は、今年3月末時点で8816人で、市内18区中5番目に多い。横溝さんは「集合住宅が少なく、外国籍住民がばらけて住んでいるため、国籍もバラエティに富んでいます」と説明。活動の最大の課題は、親の都合で来日し、日本の社会に馴染むことに苦労する「外国にルーツを持つ子どもたちのケア」であると強調した。
子育ての壁
同講座の登壇者で、同ラウンジが定期開催する”多文化ママカフェ”スタッフでもある富士塚在住の田中ナタリーさん(39)は、結婚を機に母国ギリシャから来日。同ラウンジの日本語教室に1年半ほど通い、妊娠を機に一旦離れた。「子どもが産まれてから、話せるのは夫しかいなくて」と、社会からの隔離感を感じていた中で、同ラウンジの知人を通してママカフェの存在を知る。「家の外で人と話せるほっとする場所だった」と振り返り、外国人が最初に繋がる窓口として、「交流の場が大切」という考えを口にした。
同ママカフェスタッフで菊名在住の伊藤千明さん(42)は、「日本語が話せないことで、サポートが受けられなかったという話を聞いた。日本人として当たり前に話す私の考えていないことが起きている」と、見えない壁の存在を感じていた。
多文化共生の一歩
横溝さんは「多文化共生を進めるために必要なもの」として予算確保への懸念を口にする。また、「『税金を外国人の支援に使うことへの疑問』につながりかねない」と、社会の風潮が活動に与える影響にも不安を示した。
港北区区民活動支援センターの白石晴美さんは講座のテーマを「共生社会の実現に向けた第一歩だと考えて選びました」とし、「参加者同士で話を聞き合うことで、『地域とのかかわり方』を『自分ごと』と思える瞬間がきっと訪れるはず。共に地域で暮らす方法を考えるきっかけにしてほしい」と思いを話した。
会場は港北国際交流ラウンジ(大豆戸町316の1・2階、大豆戸地域ケアプラザと併設)。午前10時から午後0時30分。事前申し込み制で、定員30人(応募多数の場合は抽選)。参加費無料で、対象は高校生以上。応募締め切りは11月7日(金)まで。(問)区民活動支援センター【電話】045・540・2246