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私のボーナス3万円、「若くて可愛い」新人は33万円! 抗議したら「お金の話は品がない」と逆ギレされた女性

キャリコネニュース

画像はイメージ

正当に評価されない職場では、働く気も失せるものだ。個人医院の小児科に看護師として勤務していた田中さん(50代女性、仮名)は、まさにそんな経験をした。

「入職3年目、フルタイム看護師の私のボーナスが3万円で、高卒1年目の可愛い助手さんのボーナスが33万円だった。院長はバレないと思ってたみたいだけど……」

一般的な職場では、よほど特別な事情がない限り新人のボーナスが先輩より10倍も高いことはあり得ない。院長は若くて可愛い助手がお気に入りだったというが、えこひいきにも程があるだろう。一方で、ほかのスタッフのボーナスはどうだったのか。編集部は田中さんに詳しく話を聞いた。(文:天音琴葉)

「差別というか、すごい区別というかをする人」

田中さんがこのクリニックに勤めていたのは、2019年のことだ。スタッフは、看護師が田中さんを含め5人いたが、時短やパートが多く、常時1~2人が出勤していたほか、看護助手が1~2人、受付事務が3人という構成だった。

院長は当時60歳前後の男性で、患者の母親たちからは「物腰柔らかで優しい」と絶大な人気があった。だが田中さんによれば、「差別というか、すごい区別というかをする人」だったという。

「上品でお金持ちそうなお母様のお子さんにはゆっくり時間を掛け、お母様の診察や処方までしていました。一方で、自分の好みではないご両親の時は、『大人の方は内科で診てもらってください』とあっさり言うような人でした」

看護師から見て呆れるような対応の違いだったのだ。

2人きりで『お勉強タイム』も……

院長は特定のスタッフのえこひいきも凄かった。前述の通り、高卒1年目の「可愛い助手さん」は特にお気に入りだった。

「彼女が微熱があると言うと、診察を止めて彼女を個室で点滴するといったことも常態化していました」

彼女の主な仕事は、看護師が問診を取ったカルテを院長に渡したり、聴診の時に服を持ち上げたり、といった診察の介助だった。その他にも雑用もあったが、

「彼女が院長にひいきされているのを自覚してからは、ほとんどやらなくなりました」

彼女はサボり癖があったようだが、それでも院長の可愛がり方は異常だった。

「とにかく院長はその子を猫可愛がりしていました。空き時間には2人きりで『お勉強タイム』をよくやっていました。割りと高い医療系の本もプレゼントしていましたね。彼女はとても人懐っこく、小柄で顔も可愛く、甘え上手だったので、院長はメロメロでした」

「お金の話をする人は品がない」更衣室に張り紙も…

院長は「可愛い助手さん」を寵愛する一方、ベテランの看護師たちをぞんざいに扱っていた。中でも、前任者2人の代わりに入職した田中さんは、「かなり酷い扱い」を受けていたという。

田中さんは正職員として採用されたが、半年経っても試用期間が続き、「こちらから確認して、嫌々、採用と言われた感じ」と振り返る。試用期間が終わった後も時給制のままにされ、挙げ句、週50時間以上も働いていたのに割増賃金も支払われず、健康保険や厚生年金など社会保険にすら加入してくれなかったようだ。

そんな日々の中で、冒頭の通り、田中さんの不満が爆発する出来事が起きた。ボーナスの支給額が、入職3年目でフルタイムで働く田中さんが3万円だったのに対し、例の「可愛い助手さん」は1年目で同じくフルタイムで33万円だったというのだ。更衣室でスタッフたちがボーナス額を打ち明けていたことから、判明したという。

一方で、彼女以外のスタッフのボーナスは、フルタイムの事務員が25〜35万円程度、看護師は時短勤務の人もいたため5〜35万円程度で、勤務時間や勤続年数を考えれば妥当な範囲だったようだ。新人助手は確かに優遇されてはいたが、田中さんだけ不当に少なかったようだ。

そもそも、ボーナスの査定制度の説明もなかったという。田中さんは院長に「おかしくないですか?」と問い詰めた。すると院長からの返答は、思いも寄らないものだった。

「『お金の話をする人は品がない』とかワケわからない逆ギレをされました。さらに休憩室と更衣室にも『淑女の皆さんはお金の話等の品位のないことはしないように』との貼り紙までされていましたよ」

「就業規則を見せて」→院長「あなたに見せる必要はない!」

この一件で退職を決意した田中さん。院長にその旨を伝えると、「どうぞどうぞという感じでしたね」とあっさり受理されたという。

「とにかく嫌われていたので……本当は辞めさせたい、でも私一人で前任者2人分以上の仕事をしていたので、辞めさせる勇気もなかったようです」

こうして入職から3年で退職した。だが辞める時にも一悶着あったようだ。

「辞める時に就業規則を見せて欲しいと言いましたが、『あなたに見せる必要はない!』と拒否されました」

そもそも就業規則すら存在しなかったようだ。

田中さんが職場に残った人から聞いたところ、その後、クリニックには就業規則らしきものができたというが、「職員は誰も内容は見せてもらってない」とのこと。また、企業に義務付けられている年に5日の有給休暇取得や年1回の健康診断も慌てて実施されたようだが、「また立ち消えになっているらしい」と、その場しのぎの対応だったそう。田中さんはつくづく、辞めて正解だったと思っているだろう。

※キャリコネニュースでは「職場で『それ、おかしくない?』と思った瞬間」をテーマに投稿を募集中です。回答はこちらから https://questant.jp/q/05M7KBP7

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