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創業48年の歴史ある自家焙煎珈琲店『壱枚乃絵』で味わう特別な一杯 たつの市

Kiss

決して派手なお店ではないのですが、でも…ふと思い出した時、珈琲を飲みに行きたいと思わせてくれるお店があります。

店の名前は『壱枚乃絵』。国道5号線沿いの山の中、お世辞にも立地が良いとは言えない場所にはありますが、いつも車で一杯です。絵を描く事が趣味だった初代オーナーが画廊喫茶として、1977年にオープンしたのがきっかけなのだそう。

店内のいたる所に絵が飾られている。初代オーナーが描いた“牛窓のオリーブの木”その絵がこの店の名前『壱枚乃絵』なのだとか

48年という年季の入った店内はクラシカルな雰囲気の漂い、平日だというのに入れ替わり立ち代わりお客さんが訪れます。店内は広く、珈琲の香りが漂い、各所からは楽しそうな話声がまるでBGMのように響き渡る穏やかな空間が広がっていました。

「こんにちは」と、いつも通りの挨拶が行われる様子を見る度、馴染みの常連客が気兼ねなく一人で訪れる事が出来る心地の良さを感じます。

メニュー表には自家焙煎させた各種コーヒーの名前がずらり。メニュー表の最後には各種珈琲の説明も書かれており、自分好みの一杯を探す事が出来る

店内で頂けるのは、自家焙煎の珈琲をはじめ、同店自慢のオリジナルメニュー。

今回はシンプルに珈琲を味わいたかった為、一番ベーシックなモーニングセットとお店自慢のプリンをオーダーしました。

「モーニングセット(壱枚乃絵ブレンド&エッグピザ)」530円(税込)※各種ドリンクの値段にトーストとサラダ、パスタがセット 

こちらがモーニングセットのエッグピザ。耳が香ばしくサクサクとした軽い食感のトーストにあっさりとした卵ペースト、チーズ、サラミが乗ったシンプルなもの。そして、付け合わせの胡麻ドレッシングのかかったグリーンサラダ、味付きパスタが付いてきます。気軽な朝の時間を過ごすにはぴったりの量。

「壱枚乃絵ブレンド」530円(税込) コロンビア・ブラジルをベースにキリマンジャロをブレントしたオリジナル

そのモーニングに合わせる壱枚乃絵ブレンドは、同店を代表とする一番スタンダードな珈琲。一口目に感じたのは珈琲のもつ本来の甘み。それに加えて深いコクを感じます。鼻から抜ける華やかなアロマは心地良く、いつまでもこの香りを感じていたいとさえ思わせてくれます。ミルクとの相性も良く、まずは壱枚乃絵の珈琲をためしてみたい方にもおすすめです。

「プリン」※「プリンセット」は珈琲or紅茶付きで1,100円(税込)

そして、珈琲との組み合わせでもう一つお勧めしたいのが自家製のプリン。1日12個限定のこちらのプリンは、ほろ苦いキャラメルとバニラビーンズのたっぷり入った甘いバニラアイスがマッチしています。

写真の撮り方で小さく見えるかもしれませんが、実は丼鉢やカレー皿サイズの器に入った大きなプリン

昔ながらのプリンをイメージされているそうですが、硬すぎず滑らかな舌触りがとっても素敵♪ころんと乗せられたマロングラッセもシンプルなプリンに特別感を与えてくれます。

素敵な珈琲の味わいについて、もう少し踏み込んで知りたくなった筆者。「良かったら見に来て」と店主の岡林さんに案内して頂き、特別に焙煎室を見学させて頂きました。

2代目のオーナーの時に増設された焙煎室

お店のすぐ隣にあるのが焙煎室。この焙煎室ではお店で使用される分とテイクアウト用の豆、そしてネット注文で受け付けたものを毎日120㎏も焙煎しています。

取材中も、ほんの少しの変化も見逃さず、常に焙煎機に繋がれたモニターをチェック

焙煎を任されているのは龍野店の店主を務める岡林さん。

もくもくと煙と香ばしいコーヒーの香りが焙煎室に広がる

「その日の温度・湿度に加えて、朝昼夕の時間帯の変化によっても、豆の焙煎具合は常に異なってくる。火加減・そして窯に入れる空気の量…ほんの少しの差で出来上がりが違うんです。」そう岡林さんは述べます。

焙煎したての珈琲豆。購入した珈琲豆はジップロックに移し、匂いが移らないように冷凍保存。2週間程度で使いきるのが岡林さんのおすすめ

尊敬する初代、2代目のオーナーが作り上げてきたお店を受け継ぎながらも、自らの珈琲の味わいを作り上げていく岡林さん。ベースの味わいは存在するが、常に同じではない。日々進化し、完成形へとチャレンジし続けるのが珈琲作りの醍醐味だそう。

「珈琲作りに終わりは無い。本当に辛くて泣きそうな時もある…だけど、本当に最高の物が出来た時ほどこそ嬉しいものはない。」岡林さんのそっと述べる言葉の節々が、筆者の心に深く響き渡りました。

店頭では珈琲豆、ドリップ、カフェオレベースなどオリジナル商品も販売

ゆっくりとしていって欲しい店主の思いが通じているかのように賑わい続ける店内。忙しそうに切盛りするスタッフさんをそっと見届けながらも取材を終え、筆者は店を後にします。

帰り道の道中、取材終わりに買って帰った珈琲豆を眺めながら…これから暫くは毎日美味しい珈琲が飲める喜びに、少しばかり口元が綻んだのでした。


場所
壱枚乃絵
(たつの市揖西町小犬丸1947-1)

営業時間
8:00~18:00

定休日
無休

駐車場
25台程度

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