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サムライギタリスト、MIYAVIが難民支援を続ける理由

文化放送

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、6月20日の放送にロックミュージシャン、ギタリストのMIYAVIが登場した。MIYAVIは「サムライギタリスト」の異名を持ち、世界から注目されながら、UNHCRの親善大使としても活動している。番組では「世界難民の日」にちなみ、難民支援を始めたきっかけや、自身の思いなどを語った。

長野智子「MIYAVIさんが(UNHCRの)親善大使になられたのが2017年でした。私が2019年に国連UNHCR協会の報道ディレクターになって。世界難民の日(6月20日)にはMIYAVIさんと音楽祭などでご一緒していました。MIYAVIさんは『本当は世界難民の日、なくなってほしい』と言い続けています」

MIYAVI「皆それぞれ、生きるのに必死なわけじゃないですか。時代の移り変わりも激しいし、僕たちミュージシャンもどんどんプラットフォームが変わる。戦い方が変わる中で、どう生き残るか、みたいな中でやっている。それでも世界に難民と呼ばれる人たちがいる。その人たちのために自分たちに何ができるかということを語り合ったり人に伝えたり、僕の場合は難民キャンプに行ったり。見つめ直す日で、決してめでたい日ではない。『難民』という言葉がなくなれば世界難民の日もなくなるでしょうし。そういう感じですね」

長野「とはいえMIYAVIさんが親善大使になってからも難民は増え続けていて。こういう状況はどう考えますか?」

MIYAVI「正直、やるせないというか。(世界で)1億2000万人と言っても、2017年のタイミングでは1億人いなかった。2014、2015年辺りから難民支援の活動をさせてもらって、初めてレバノンに行ったのも2015かな。俺が全部変えてやる、難民問題を解決してやる、くらいの勢いで足を運んでいたんですけど、そんな簡単な問題じゃないし。自分自身がミュージシャンとして、聴いてくれる人たちの背中を押すためにやっているんですけど、やっぱり難民問題に貢献できているかと考えると何もできていない、と感じてしまいます」

長野「でもMIYAVIさんが難民キャンプへ行く度に、ギター、あとサッカーが本当にお上手なので、めちゃくちゃ難民の子供たちが喜ぶんですよ。すごく力づけていると思います」

MIYAVI「最初にギターをバンと弾いたとき、子供たちが『ワオ!』って。音楽、新しいことを体験したことの喜びと輝き。音楽の力、役立てることができるかも、と思ったのが初めてです。でも直後にサッカーボールを出したら、そっちのほうが全然盛り上がったという(笑)。自分も昔サッカーをしていたので、毎回しているんですけど。日本の大学の皆さんから寄付してもらったボールを届けるとか、そういうこともしています」

長野「はい」

MIYAVI「難民というと重いイメージじゃないですか、深刻な問題だし。でもそうじゃないよ、と。彼らはすごく強いし、たくましい。強くなければ生き延びていないし。一昨年からセルビア、モルドバに行かせてもらったんですけど、ウクライナから来た人たちがセルビアで大きな、近代的なレストランを開いた。セルビアの人たちが持っていない知識、ノウハウをウクライナの人が持ってくるみたいな。彼らもプロとして仕事、人としての尊厳がある」

長野「うん」

MIYAVI「彼ら自身の強みみたいなものを少しでもたくさんの人に伝えられたら、と思って活動させてもらっています」

長野「もともとはアンジェリーナ・ジョリーさんが監督の映画(『不屈の男 アンブロークン』)に出演されたことがきっかけで親善大使を始めたということですけど、音楽活動もすごく忙しい。その中で親善大使を務めるのは大変だというのは見ていてよくわかるんです。続けられるモチベーションはどこにあるんですか?」

MIYAVI「僕より大変ですからね、難民の方々のほうが。未来が見えないってすごく怖いことじゃないですか。難民だろうがなんだろうが関係なく。必要とされていることの責任、使命感もある。先人の緒方貞子さんが言っていたのは『現場主義』。現場で目と肌で感じて初めて語れる、伝えられる。僕も共感しているので行くんです」

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