絵画の花々が咲き誇る! 特別展「桜 さくら SAKURA 2025―美術館でお花見!―」が5月11日まで、渋谷区『山種美術館』で開催中
画家たちの創意あふれる桜の名品の数々が一堂に会し、絵画でお花見を楽しむ特別展「桜 さくら SAKURA 2025―美術館でお花見!―」が2025年5月11日(日)まで、東京都渋谷区の『山種美術館』で開催されている。
画家の個性や美意識が反映された多彩な桜を愛でる
古くから日本人の心を魅了してきた桜。近代や現代の日本画でも、多くの画家がモチーフとして桜を取り上げている。
本展では、桜を愛でる女性を色鮮やかに描いた松岡映丘《春光春衣》をはじめ、京都・総本山醍醐寺三宝院の「太閤しだれ桜」を柔らかな色合いで捉えた奥村土牛《醍醐》、清らかな水が流れる渓谷に咲く山桜を表した川合玉堂《春風春水》、宵闇のつややかな桜をクローズアップして描き出した速水御舟《夜桜》など、画家たちの創意あふれる桜の名品がそろう。
担当学芸員は「桜の名品を一堂に展示し、美術館にいながらお花見に訪れたかのように気持ちが華やぐ展覧会を開催しています。芸術の世界においても、古くから、詩歌に詠まれ、調度や衣装などの文様に表されるとともに、絵画にも盛んに描かれています。本展では、花見や桜の咲く日常風景や、風光明媚な名所に咲く桜、詩歌・物語に登場する桜など、多角的に桜の絵画をご紹介。また、月光に照らされる艶やかな夜桜をテーマ展示しています。多種多様な桜の魅力をお楽しみいただけましたら幸いです」と語る。
しだれ桜に散りゆく桜、日本画による桜の競演
奥村土牛《醍醐》のモデルとなった「太閤しだれ桜」。『山種美術館』の玄関横には2021年11月、その桜を組織培養した桜が植樹されている。ちょうど桜が咲き誇る季節には、奥村土牛の《醍醐》に描かれた桜と、美術館に植樹された桜を同時に眺められる絶好の機会になる。
また、淡い月明かりに照らされて咲き誇る夜桜をテーマにした展示も見どころ。画家たちの目に映った妖しくも美しい夜桜を眺めたい。
※本文中の作品はすべて『山種美術館』所蔵。
開催概要
特別展「桜 さくら SAKURA 2025―美術館でお花見!―」
開催期間:2025年3月8日(土)~5月11日(日)
開催時間:10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月(5月5日は開館)
会場:山種美術館(東京都渋谷区広尾3-12-36)
アクセス:JR・地下鉄恵比寿駅から徒歩10分
入場料:一般1400円、[春の学割]大学生・高校生500円、中学生以下無料
※障がい者手帳などの手帳を提示の方とその付添いの方(1名まで)1200円。
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP https://www.yamatane-museum.jp/
取材・文=前田真紀 画像提供=山種美術館
前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。