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南山田小 モルックで「おもてなし」 個別支援学級が大会主催

タウンニュース

狙い通りの投てきで優勝を決めた「だいキング」チーム

南山田小学校(鈴木智彦校長)の個別支援学級「5・6くみ」が主催するモルック大会「みなみやまたMOKKYチャンピオンシップ」が2月22日、同校校庭で開催された。大会は、「自分たちと一緒にスポーツを楽しんでほしい」との思いで同級の児童らが、半年かけて準備した。

皆でやりたい

同級担任の迎田理恵さんによると、毎日児童らと学校近隣を散歩する中、隣地の神無公園でグラウンドゴルフを楽しむ高齢者の姿を目にし、健康を保つためにはスポーツが良いのでは、との考えから「総合的な学習」で「皆で一緒にできるスポーツ」に取り組むことにした。

児童らは年齢や性別、年齢を問わず誰でもできるスポーツを検討、アイデアとして創作ダンスなどが挙がる中、誰もが楽しめるスポーツとして「モルック」を見つけた。

モルックはフィンランド発祥のスポーツで、ボウリングのように並べられた点数のついた木製のピンめがけて専用の棒を投げ、倒れたピンについた数字や本数を加算し、50点ちょうどを目指す。誰でも手軽に始められ、頭の体操にもなると近年人気が高まっている。

児童らはまず自分たちが体験するため、日本ユニバーサルモルック協会=町田市/以下、UM協会=に講習を依頼。昨年9月に同協会会長の山口順さんらを招き、モルックを体験した。

「ユニバーサル」を冠するUM協会は、体験だけでなく、子どもたちが自ら企画、運営し、大会を開催するための支援をしており、体験会を通し、同級では大会開催を目指して動き出した。

校外に呼びかけ

児童らは山口さんらの支援のもと、校内で対象を変えながら、モルック体験会を複数回開催。ルールの説明や競技の体験、アンケートの回収などを繰り返し行った。迎田さんによると「当初は自分たちも上手にできず、(体験会の)進行もスムーズにいかなかった」と振り返る。ただ回数を重ねるうちに慣れ、「体験してくれる児童らも真剣になってくれた」と手応えを感じていた。

また児童らは校外からの参加を呼びかけるため、最寄りの北山田駅構内や近隣のマンションに手作りのポスターの掲示を依頼。神無公園でグラウンドゴルフをする高齢者にも直接参加を呼びかけるなど大会成功にに向け準備を続けた。

結果的に大会に校外からの参加はなかったものの、これまで一緒にモルックを楽しんできた横浜市立大学のモルックサークルを含む、当初の予定を上回る18チーム約60人が参加した。

大会は3チーム毎に分かれ予選、準決勝を実施。勝ち上がった3チームが決勝戦を行った。同級の児童らは、事前に入賞者のための賞状やトロフィー、メダルなどを手作り。当日は選手として大会に出場したほか、開・閉会式の司会やスコア付け、投てき者の呼び出しなど運営側として大会を仕切った。

子どもたちによる大会の企画・運営を提案しているUM協会だが、実際に児童らが大会を主催し、完成させたのは今回が初めてだという。山口会長は「児童らの成長を感じた。ここまでできて嬉しい」と感慨深げに語った。鈴木校長は「大会を通じて児童らが『皆に楽しんでもらおうと』計画することは大きな学び」と協力してくれた人たちに謝辞を述べた。

大会に運営スタッフとして携わった永松伊織さん(6年生)は「大変だったが、皆盛り上がっていたので上手くいったと思う」と安堵の表情を浮かべた。両親とチームを組んで出場し、見事優勝した「だいキング」の鈴木大輝さん(4年生)は、選手として大会に参加する傍ら、スタッフとしても級友をサポート。「またやりたい」と充実した笑顔を見せた。

大会参加を呼び掛けるポスターを駅の掲示板に貼る児童
優勝者らに手作りのトロフィーなどが渡された

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