冬の盆踊りに200人超 久米正雄作「鎌倉音頭」も
御成小学校の体育館で2月11日、「新春盆踊り」が開催された。盆踊りといえば、その名の通り、夏の盆の時期に行われるのが定番だが、会場にはコートに身を包んだ老若男女200人超が次々と来場。鎌倉文士・久米正雄が90年ほど前に作詞した「鎌倉音頭」の振り付けのレクチャーも受けながら、約2時間汗ばむまで踊った。
新春盆踊りは、御成小地区スポーツ振興会が主催する。昨年2月、中止となった市民運動会の代替イベントとして第1回を開催し、その好評ぶりから今年も開催が決まった。
「誰でも参加可能、服装自由」のふれこみ通り、地元の親子連れや高齢者、野球チームのメンバーらが集った。さらには、派手な衣装や法被の「盆踊りファン」たちの姿も。SNSで情報を知り、東京からやって来たという。
音頭も企画も定着目指して
「かまくら、かーまくら、ゆくならかーまくら」―。耳なじみの良いこの歌詞は、鎌倉カーニバル初代実行委員長、鎌倉ペンクラブ初代会長も務めた小説家・久米正雄が作詞した「鎌倉音頭」(1932年)の一節。歌詞には由比ガ浜や材木座といった地名が登場する。
振り付けは、かつて鎌倉まつりのパレードでも披露され、知っているという人もいるが、盆踊りの「定番」とまでは普及していないのが現状だ。
この鎌倉音頭を普及・定着させる機会にしたいというのも、今回のイベントの目論見の1つ。新たな振り付けを考案した民踊の房静流二代目・須藤房静さんが、振りを1つ1つ解説しながら参加者にレクチャーした。
いすに腰かけ、手だけで踊る高齢女性も、見様見真似で苦戦する子どもたちも楽しんでいた。
来年も同様に開催を予定しているが、「ほかの時期にもやって」という声も上がっており、主催者は検討を進めていくとしている。