犬は寝ているとき『夢』を見ているの?睡眠中にする不思議な行動との関係性とは
犬も人間のように夢を見る?
犬が夢を見るかどうかは、今のところ科学的に実証はされていません。その一方で、レム睡眠時の脳波のパターンが人間と犬とでよく似ていることがわかっています。このことから、犬も人間と同じように夢を見ているのではないかと考えられています。
またアメリカの心理学者デアドラ・バレット教授によると、犬の夢には「飼い主さんの顔や声」が出てきている可能性があると語っています。
さらに犬の夢について研究している多くの学者が「犬も夢を見ている可能性がある」と考えているようです。
このようなこともあり、近年では犬も夢を見ている可能性が高いと考えられるようになっています。
犬はどんなときに、どんな夢を見る?
犬も夢を見ている可能性が高いことはわかりましたが、では犬はどのような夢を見るのでしょうか?
私たち人間が夢を見るのは、その日に起きた出来事を頭のなかで整理して、記憶として定着させるためと言われています。実は、犬も同じ理由で夢を見ると考えられており、その日に体験したこと、強く印象に残っていることを夢として見ている可能性があるようです。
とくに「はじめての場所に出かけた」「たくさんの人や犬と交流をした」など、いつもと違う刺激を受けた日は夢を見やすいと言われています。
犬の睡眠の約8割は、眠りの浅いレム睡眠(夢を見ることがある)とされていますから、もしかしたら犬は人間よりも多くの夢を見ているかもしれませんね。
睡眠中に見せる犬の不思議な行動と夢の関係性
寝ていると思っていた愛犬が、突然以下のような不思議な行動をしているのを見たことはないでしょうか。これらの行動は、犬が夢を見ているときだと考えられています。
✔しっぽを振る
✔足を走っているように動かす
✔まぶたがピクピクと動く
✔耳をピクピクと動かす
✔寝言のような声を出す
✔吠える
犬が見る夢は生活に密着している可能性が高いようです。足を動かしているときは、ボール遊びをしたり、仲良しの犬といっしょに走り回ったりしているのかもしれませんね。
愛犬が夢を見ていると思われるときは、そっと見守るようにしましょう。睡眠の邪魔をされると犬はストレスを感じてしまいます。
睡眠中のこんな行動には注意
愛犬が睡眠中に突然声をあげたり、走るように足を動かしたりしても、ほとんどの場合は心配がいらないケースです。しかし以下のような場合は注意が必要です。
✔肢体を突っ張り体を硬直させている
✔手足を激しく動かしている
✔呼びかけても反応しない
✔唸り声を発している
✔いびきをかいている
✔呼吸が荒い
このような場合は、痙攣発作などの病気が考えられます。症状によっては、命に関わる場合もあります。早急に動物病院を受診してください。
可能であれば、症状が出ているときの様子を動画で撮影し、獣医師に確認してもらうと良いでしょう。診断の手がかりになるかもしれません。
まとめ
犬が夢を見るという科学的な根拠はありませんが、近年は犬も夢を見るとする説が濃厚です。
寝ている愛犬が突然、手足を動かしたり、まぶたや耳をピクピクさせたり、ムニャムニャと何やら話しはじめたら夢を見ている可能性が高いでしょう。
犬は、眠りはじめてから20分ほどすると夢を見はじめるという説があるようです。タイミングを見計らって、愛犬の様子を観察してみてはいかがでしょうか?愛犬の動きから「どんな夢を見ているのかな?」と想像をするのも楽しいですよ。
(獣医師監修:葛野宗)