【横浜市栄区】神輿団体所属の宮田宣也さん 大阪万博に神輿渡御で参加 国際的な親善に一役
栄区の神輿団体に所属する区内在住の宮田宣也さんが10月1日、文化交流によって平和を推進する団体とともに大阪・関西万博に参加し、小菅ケ谷の春日神社の神輿を担いだ。
当日は、万博会場内のEXPOアリーナに全国から集まった5台の神輿と1台の山車が集結。1万人以上が収容できる会場には多くの外国人観光客や日本人が集まるなか、宮田さんたちは観衆の間を練り歩き、会場は熱気に包まれた。
イベントは神輿の修復などを通して、祭りの文化を後世に残すことを目的とする宮田さんが代表を務める「一般社団法人明日襷」(栄区)と、文化交流を通じた平和推進事業に取り組む「特定NPO法人アース・アイデンティティー・プロジェクツ」(東京都)の共同開催で行われた。
同法人と宮田さんが出会ったのは昨年の夏。同法人が日本とパリの子どもたちが描いた絵を披露するパリでのイベントに明日襷が神輿渡御で参加したのがきっかけ。当時のことを「現地の人たちも喜んでくれた」と宮田さんは振り返る。
パリでの神輿渡御が好評だったこともあり、昨年の冬頃には「来年の万博で、子どもたちの絵を展示する会場で神輿を担がないか」と再度声をかけられ、万博に向けて調整を始めた。
「祭りの数が減少する中、今までと違う方法で魅力を発信する必要がある。いい機会だと思った」と話し、「祭りによって人々の交流が活発になれば、地域の平和にもつながる。国際的な場で、そういうメッセージを発信したかった」と参加の意図を明かす。
全国の団体が呼応
宮田さんはまず、自らが所属する小菅ケ谷の春日神社で神輿の管理を行う「本郷睦春日会」で、神輿を万博に持っていくことを提案。しかし、他メンバーからは「持っていっても、担げる人員が確保できないのではないか」と懸念する声が挙がったという。
通常、同会の保有する神輿は、交代要員を合わせて100人程度で担ぐ大きさだという。地元の祭りでは毎年、区内外の団体などから協力を得て、200人ほどで神輿渡御を行っている。しかし、会場が大阪で遠方のため、近隣団体からの協力は得られない。
そこで、神社がある小菅ケ谷地区の知人や、これまで明日襷が神輿を修復してきた地域などで参加者を募ることに。その結果、全国の神輿団体などから100人以上が会場に集結。無事に担ぐことができ、本郷睦春日会の神輿で宮田さんたちは子どもたちの絵が展示されている会場を練り歩いた。「海外の方は掛け声に合わせて反応してくれた。日本の方々も神輿に注目してくれて、盛り上がってくれた」と振り返る。
今後の目標は「栄区を盛り上げること」。「自分の街に万博に行った神輿があることを誇りに、皆から愛される祭り文化を地元から発信していきたい」と意気込んだ。