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敗者の涙 バスケットボール女子 託されたバトン、悔しさを糧に進む明豊のこれから 【大分県】

オー!エス!OITA

「写真/オーエス!OITA SPORTS」

 全国高校バスケットボール選手権大会は、明豊にとって2年間の集大成として挑む特別な舞台だった。昨年から固定した先発メンバーの成熟度を高めてきた。しかし、その期待とは裏腹に、1回戦で山形中央に敗れるという無念の結果となった。敗因は大会直前のアクシデントで戦力のバランスが崩れたことにある。試合終了のホイッスルが響く中、選手たちの目からあふれる涙には、悔しさと無念、そして前を向こうとする力強い決意が交じり合っていた。

 

 試合後、杉山真裕実監督は振り返る。「2チームで戦える体制をつくるべきだった」と悔しさをにじませながらも、「この2年間で成熟を図った成果は確かなもの」と語る。大会直前に主力選手がけがや体調不良で次々と離脱する不運に見舞われる中、急きょ準備した布陣はチーム全体の底力を試されるものだった。しかし、全力を尽くしても勝利を手にすることはできなかった。「油断や慢心はなかった。ただこれが試練なのかもしれない」と監督は悔しさを胸に、前を見据える。

 

 エースでありキャプテンの末永瑠奈(3年)は、試合後も冷静さを保ちながら後輩たちに思いを託した。「3年生が万全の状態でコートに立てなかったのは悔しい。でも、下級生たちが堂々とプレーしてくれたことが救い。来年はこの場所に立ち、全国で勝てるチームになってほしい」と力強く語った。その後釜として期待される平倉千春(2年)は、ドライブを駆使して得点を狙う攻撃的なプレースタイルで、今大会でも成長の兆しを見せた。また、大会で貴重な出場機会を得た松下みのり(同)や下田来美(同)は、大舞台の経験が自信を育てた。

 

全国舞台で下級生は貴重な経験を積んだ

 

 1年時からチームの流れを変える役割を担ってきた中島綾香(2年)は、今大会でその存在感をさらに強めた。体調不良の中でも杉山監督の信頼を得て多くのプレータイムを与えられた。中島は地味ながらも重要な仕事をこなす「仕事人」だ。ルーズボールやリバウンドでチームに貢献し、その一つ一つのプレーが得点へとつながっていく。「3年生の最後の大会で納得のいく形で送り出せなかった」と涙ながらに試合後に自分を責めたが、その姿は来季への大きな期待を抱かせるものだった。

 

 中島は試合後に決意を新たにした。「新チームの中心として自分が引っ張らなければならない。3年生から学んだことを形にして、結果に結びつけたい」と力強く語る。そして、最後に感謝の言葉を絞り出した。「3年生には心から感謝している。カッコイイ姿をたくさん見せてもらった。ありがとうございました」

 涙と悔しさの中に芽生えた新たな決意。明豊は新チームとなり、さらなる高みを目指して進んでいく。

 

 新チームのエースとして期待がかかる中島綾香

 

 

(柚野真也)

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