いづも巳之助の一株コラム:もしも「コトニエ」が成功していたら
負債総額は約175億円!「コントワー・デ・コトニエ(COMPTOIR DES COTONNIERS)」を展開するファストリのフランスの連結子会社が法的再生手続を申請したという。
この話、IRでは「営業利益への影響額は1%未満の水準のため、連結業績に与える影響は限定的」と記載されている。この3兆円企業にとっては、通り雨のような話かもしれない。でも、撤退や閉店の決断が早すぎるほど早い!企業なのに「コトニエ」だけは、20年もかけてシュリンクさせていったのはちょいビックリだ。
20年前は、まだ「GU(ジーユー)」も「プラステ(PLST)」もないし、あのNYの店もなかった。米国からはブランドの「セオリー(Theory)」を買収し、「コトニエ」もフランスから買収した頃だ。つまり、当時も「ユニクロ(UNIQLO)」は好調だったが、買収したブランドの進化を狙って、企業をワールドワイドに成長させるプロセスを踏んでいたんじゃないかな。想像だけど。
日本での「コトニエ」の展開の失敗は、どうしてもスタイリングや展開が「ユニクロ」に似ていて、高価な「ユニクロ」にしか見えてなかった記憶がある。買収ブランドが、自社ブランドの比較対象として、負けちゃったという、想定外の一人大相撲をとった形に。その後、クリエイティブディレクターを替えたり、店舗を減らしたり、ECをやめたり、とうとう3年前に日本を撤退してしまった。
もし、「コトニエ」が成功していたら、もっとブランド買収に傾いていたかもしれないが、今や堂々たる世界のSPAだ。衣料品プロダクトから販売までのトータルで世界の隅々まで展開できる日本の自慢企業だ。