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1970年代アニメ「セツナ系エンディング曲」の正体を深掘り【昭和アニソン大合唱 vol.1】

Re:minder

2025年12月05日 胸アツ名曲をみんなで歌う新感覚イベント「昭和アニソン大合唱 vol.1」開催日

12月5日開催【昭和アニソン大合唱 vol.1】②

「セツナ系エンディングを深掘り」はこんな趣旨だ!


Re:minder clubが主催する新しい参加型イベント『昭和アニソン大合唱 vol.1』は “1970年代のアニメソング” をクローズアップする。イベント全体は3部構成で、第1部には皆さんも参加できるトークプログラムが用意されている。

何をするかといえば、進行役を務めるDJ BLUEと、ゲスト陣(東京女子流の新井ひとみ、コスプレ声ちゃん)が1つのテーマを語り合い、それに沿った曲を何曲か流して会場全体で合唱するというものだ。今回のテーマは「セツナ系エンディングを深掘り」。そう、1970年代のアニメを体験している方ならピンと来るだろう。当時のテレビアニメはエンディング曲が、さみしい気分になる、哀愁を感じる、切ない気持ちを誘う曲が使用される傾向があった。それを深掘ってみるのだ。

昭和の夜は、今よりずっと暗くて、深くて、長かった。夜7時台のアニメを楽しんで、セツナ系エンディング曲が流れると、楽しいことがすべて終わってしまうような気持ちになった。夕方の再放送のときも、なんともいえないインパクトを残してくれた。夕焼け空がだんだん暗くなって、一番星が姿を現す。そして電信柱に明かりが灯る。あの時代の、昭和の夕方のなんともいえない寂寥感を覚えている方も多いだろう。今の若い世代は、そんな長い夜の始まりを告げるセツナ系エンディング曲をどんなふうに感じるのだろうか。

セツナ系最古クラスの作品は「みなしごのバラード」


オープニング曲とのコントラストが鮮明なセツナ系エンディング曲として知られている最古クラスの作品は「みなしごのバラード」だろうか。1969年10月スタートの『タイガーマスク』(日本テレビ系)の最後に流れる曲だ。オープニング曲は、過酷な宿命を背負ったプロレスラー・タイガーマスクをテーマにしたものだが、エンディング曲はその “中の人" である伊達直人の屈折した心情を歌ったものである。ちなみに、歌っている新田洋はのちに “森本英世” の芸名で敏いとうとハッピー&ブルーに加入し、「星降る街角」などをヒットさせている。あの「♪ウォンチュ」の人だ。

やはり、セツナ系エンディング曲が増えていくのは1970年に入ってからだろうか。1971年10月、今回のイベントで大フィーチャーする『ルパン三世』の第1シリーズが始まった。そのエンディング曲がまさにこれに該当する。このシリーズは山下毅雄が音楽を担当しており、モダンかつスタイリッシュで、アニソンとしては異質なほどに都会的なサウンドに満ちている。エンディングではオートバイで走る峰不二子らしき映像とともに、チャーリー・コーセイが歌う哀愁が “足元に絡みつく” 曲が流れる。タイトルは「ルパン三世主題歌Ⅱ」。曲の持つメロウな質感と色気のようなものが交わり、独特の魅力を放つ。

デビルマンもエースをねらえ!も魔女っ子メグちゃんも


1972年7月スタートの『デビルマン』(NET系 / 現:テレビ朝日)のエンディング曲「今日もどこかでデビルマン」は、作詞:阿久悠、作曲:都倉俊一という、後にピンク・レディーの楽曲を次々にヒットさせるコンビが手掛けている。映像は、夕陽をバックに鉄塔に腰を下ろし思いにふけるデビルマンの姿から、バイクで疾走する主人公の不動 明の姿へと転換する。デーモン族(悪魔)の出身でありながら人間を守るため、同族が送り込む妖獣と戦い続けるデビルマンの宿命と葛藤を、どこか切なく描いている。

『エースをねらえ!』(NET系 / 現:テレビ朝日)はその翌年、1973年10月に始まった。オープニング曲は、大杉久美子が歌うポジティブな曲「エースをねらえ!」だ。「♪サーブ スマッシュ ボレー ベストを尽くせ」。そこには未来への希望が満ちている。これに対してエンディング曲「白いテニスコートで」は、なんとも切ない。哀しい。主人公の岡ひろみが、夕焼けのテニスコートで折れたラケットを見つける歌である。

1974年4月に『魔女っ子メグちゃん』(NET系 / 現:テレビ朝日)の放送が始まったとき、前川陽子の歌う、セクシャルな歌詞を含んだオープニング曲が茶の間の空気を微妙なものにした。これは、「青い果実」「ひと夏の経験」といった山口百恵の “青い性" 路線といわれる楽曲群の作詞家・千家和也の仕事である。 エンディングも前川が歌っているが、これはまさにセツナ系のペーソスあふれる曲である。何しろタイトルが「ひとりぽっちのメグ」。なんでもできる魔女の孤独がテーマになっている。

宮川泰が手掛けた「宇宙戦艦ヤマト」


『宇宙戦艦ヤマト』(日本テレビ系)は同じく1974年10月にスタート。オープニングでは、宮川泰による行進曲風のサウンドで気分を盛り上げた。しかし、エンディング曲はまったく肌触りが違う。「真赤なスカーフ」は、叙情性を帯びたメロディで、言葉にできないセンチメンタルな気分を視聴者に提供したのだ。歌うのはどちらも ささきいさお。宮川泰はザ・ピーナッツの「恋のバカンス」をはじめ数々の流行歌を生んだ作曲家であり、人の琴線を刺激するメロディはお手の物だった。

1977年の元日から放送が始まった『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』(フジテレビ系)のエンディング曲は2つあり、どちらもヤッターマンの宿敵ドロンボー一味(ドロンジョ、ボヤッキー、トンズラー)の声優たちが歌っている。「天才ドロンボー」(1話〜58話)、「ドロンボーのシラーケッ」(59話〜108話)ともに悪党の悲哀を歌ったものだ。

『機動戦士ガンダム』(テレビ朝日系)もギリギリ1970年代の作品である(1979年4月〜)。エンディング曲「永遠にアムロ」はオープニング曲「翔べ!ガンダム」とまったくの別物だ。ポップな曲調ではあるものの転調を繰り返しながら、不思議な寂しさを醸し出していた。前向きな歌詞だが、聴く者の胸をチクチクと刺激してくる。

ここに挙げたのはごく一例であり、1970年代に限ってもセツナ系エンディング曲は他にもいろいろある。1990年代のアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(テレビ東京系)のエンディング曲「FLY ME TO THE MOON」もこの系譜だろう。ーー イベントでは、1970年代に軸を置き、こうした曲が生まれた背景などを探っていく。聴いて終わりではなく、歌い、感じたことを語り合う場となる。あの切なさの正体はなんだったのか? 会場全体で確かめ合おう。

《公演概要》
昭和アニソン大合唱 vol.1

▶ 開催日時:12月5日(金)18:00 OPEN / 19:00 START
▶ 出演者:新井ひとみ(東京女子流)、コスプレ声ちゃん、DJ BLUE ほか
▶ チケット:ライブポケットにて抽選販売受付中(10/1 18:00〜10/14 23:59)
▶ 料金:前売 ¥4,980 / 当日 ¥6,000(税込み)*ワンドリンクオーダー要
▶ 会場:LOFT9 Shibuya(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 1F)
▶ 主催:Re:minder club(昭和アニソン大合唱実行委員会)

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