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とっておきのヴィンテージデニム。山根英彦さん

Dig-it[ディグ・イット]

譲ることなど到底考えられない想い入れが詰まったデニムが人それぞれの価値観で存在するはず。デニム界で知らない人はいない山根英彦さんにとっての、そんな「とっておき」は一体どんなデニムなのか、見せてもらった。

1940s LEVI’S S501XX(Dead Stock)

LEVI’S S501XX、いわゆる大戦モデルのデッドストックは博物館級の逸品。市場価格では軽く4桁を上回るというお宝で、なおかつフラッシャー付き、ギャランティチケット付きという完品

ヴィンテージジーンズの中でもその希少性の高さから、とりわけ異彩を放つモデル。それが1940年代、第二次世界大戦中に作られた、いわゆる大戦モデルだ。戦時中、政府による厳しい物資統制が敷かれる中、これまで愛されてきたジーンズの仕様からは随分と簡素化され、この時点でバックルバックが廃止、リベットの使用やボタン、縫製に至るまでジーンズ作りに大きな影響を及ぼした。そんなディテールコンシャスな大戦モデルはいつの時代でもヴィンテージファンにとって永遠の憧れとなっている。

「30年くらい前に知り合いの古着店から、店閉めるから買うてくれへんか? 言われて買うたんがこのジーパンや。3本あって、デッドストックはこの1本だけ。もう1本ワンウォッシュくらいのジーパンと2本買うたんやけど、どうせなら3本とも買うとけば良かったなって、後々になって思うたんやけど、もう遅いわな。このデッドストックは、さすがに穿かれへんからな。最低限、日焼けしないように、湿気を吸わないように考えて大事にしまっておいたわ。穿かないにしろ、これまでこさえてきたジーパンのディテールのサンプリングとしてちょくちょく活躍してくれましたわ。大戦モデル特有のペンキステッチとかな(笑)」

非の打ち所がない完璧なコンディションのデッドストックは湿度管理がしっかり施された部屋で長年、保管されてきた。セルビッジの色もほんのりピンク色の糸が目視で確認できる

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