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沖縄を世界一の宴の島に…”OZworld(オズワルド)”「琉球の魂をラップに込めて」 ラッパーの武器で平和の糸口を

OKITIVE

嘉手納町の兼久海浜公園で行われたチャリティー音楽フェス「Happy Sunday」。フェスのトリを飾り、冷たい雨が降るなか3,500人のオーディエンスを熱狂の渦に巻き込んだのが、沖縄県嘉手納町出身のラッパー・OZworld(オズワルド)だ。

唯一無二の世界観で日本のヒップホップシーンを牽引するOZworldにラップに込めた想いを聞いた。

自分は特別だと勘違いできる武器が音楽だった

OZworld: 「自分の音楽がどの時代にも残ってほしいなと思いながら曲を作っています。」

OZworld: 「大人からこどもまで、色んな感情の時に、いつでもOZworldを聞いたら近くに感じられるようなアーティストでいれたら良いなとキラキラしたことを想う反面、好き勝手にやらしてくれ!と思うところもあります。笑  そういった感情に挟まれながら音楽をやっていて、でもみんなに愛されるのは嬉しいなと思いながら楽しんでいます。」

自身の理想とするアーティスト像について笑顔で語ったOZworld。 日本のヒップホップシーンの先頭に立つ存在となった今だからこそ、生まれ育った地元・嘉手納でのライブには特別な想いがあった。

OZworld: 「可能性に満ち溢れていてほしいです。こいつ嘉手納から出たんだと思ってもらえたら嬉しいです。 自分は何も特別ではない。自分が特別なんだと勘違いできる武器に出会えただけなんです。」

少年時代から興味がある事にはまず触れてみた。音楽に限った話ではない。 ソフトボール、野球、テニス、卓球、空手・・・。サッカー以外のほとんどのスポーツは挑戦してきたと語るOZworld。 OZworld: 「興味があること、ハマれることをひたすら探していたんですよね。探して探して、ハマれるものになかなか出会えなくても楽しむことを諦めませんでした。 だからこそ、自分が楽しんでご飯を食べられるものに出会えて、なんなら人まで喜ばせられているどうしよみたいな感じです。笑 」 「奇跡を起こせるパワーをみんなが持っているんです。自分の音楽でそのパワーをみんなが解放する可能性に溢れた日にしたいと日々思っているし特に地元には強く伝えたいですね」

魂をゆさぶる音楽の力が沖縄にはある

Awich、OZworld、唾奇、CHICO CARLITO、柊人、CHOUJI・・・。 全国で高い人気を誇る沖縄のラッパーの名前を挙げればキリがない。それほどまでに今沖縄のラップシーンは日本中で大きな盛り上がりを見せている。 ヒップホップクイーン・Awichもその勢いを肌で感じていた。 Awich: 「今沖縄のラッパーがみんな活躍しています。それは私たちが自分たちのストーリーを伝えるプラットフォームができているという事です。私たちみんなのストーリーを唄っているんですよ。それは沖縄みんなのストーリーでもあります。」

Awich(2024年3月取材)

OZworldは、沖縄のシーンが熱を帯びるのは歴史を辿れば必然だと語る。 OZworld: 「根付いているカルチャーが本土とは大きく違うと思います。本土とは違うけど、本土と似ているところもある。 本土だけではなくアメリカや中国、インドネシアにも似ているところがあったり。独特な感性やオリジナルなメッセージが嫌でも生まれてくると思うんです。 沖縄民謡を聞いて育って、太鼓の音を聞いたら心が震えてやる気が出る。DNAに音楽が刻まれていると思います。魂を揺さぶる何か、力が沖縄にはあります。 それが今は時代の流れに乗って“ラップ”という表現になっている、それが沖縄のヒップホップ。ヒップホップが合うとかではなく、沖縄はヒップホップな島なんだと思います。」

魂を揺さぶるパワーはどこから湧き上がってくるものなのか。自分を知る事、歴史を知る事、未知の世界に触れる事でアーティストとしての世界が広がると考えている。 今回のフェス出演のため沖縄に向かう飛行機の機内で手にしていたのは、琉球の歴史書だった。 OZworld: 「音楽は精神的なものでライブも精神的な戦いを表現していると思っています。 精神的な戦いを掘り下げていくと、アーティストは宇宙のことについて考えたり、未知なるものを探求したくなるんです。 未知の世界を探求することで自分を知っていくのがアーティストだと思います。 自分を知るために歴史を知って地球を知ろうと思っているし、一番近いものを知るために遠いものを知ろうという感覚でいます。」 歴史を知り、未知の世界を探求し生まれた言葉が世界を変えると信じている。 観客がスマホのライトを灯し無数の光が照らすステージでOZworldは訴えかけた。 OZworld: 「戦争よりも儲かって、戦争よりも金になって、戦争よりも楽しくて、血祭りじゃない最高なお祭りがここにあるよ。うただよ。 喜納昌吉さんも言ってる。全ての武器を楽器に。俺たちのことばは保安検査上も通れます。一番武器だと思ってるよ。」 「俺の武器は音楽。このマイクロフォン一本。バイクでもなく結局はマイク握った。 銃弾でもなく俺はマイク握った。このバイブレーションが繋がるマイク一本。 これが俺にとっての本当のヒップホップ。俺の人生、これが信条。」

沖縄を世界一の宴の島に

2025年10月に自身初となる日本武道館公演の開催を発表。 OZworldはこれから私たちに、沖縄に、何を見せてくれるのか。 OZworld: 「Awichがグラミーを目指してくれるというので安心したので、自分は沖縄を世界一の宴の島にしていきたいです。 世界中からいろんな人たちが来て、琉球の魂を感じて、交じり合って、その繰り返しが起きたら世界中から大事にされる島になると思います。 攻撃されない島にもなると思う。そんな幸せの島になったらここから平和の糸口が見つかると本気で思っています。その魂を引き継いでいきたいです」

OZworldインタビュー 執筆後記

「奇跡を起こせるパワーをみんなが持っている。凜さんも持っているんですよ」インタビューの途中、OZworldから言葉を貰った。 私は「いやいやいや・・・笑」と返すと、「ここでみんながいやいや・・・と謙遜しないような、自分の力を信じられるようになってほしいんです。」と真っすぐな目で語った。 「俺の武器は音楽」OZworldのマイクが沖縄の未来を変えるか。インタビューを通して自身の音楽で世界を変えたいという想いがひしひしと伝わってきた。 取材:執筆 植草凜(沖縄テレビアナウンサー)

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