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本格的な夏を前に知っておいてほしい ‘紫外線対策’について

TBSラジオ

ゲストは、医療ジャーナリストで医師の森田豊さん!

テーマは「本格的な夏を前に知っておいてほしい‘紫外線対策’」
先月、気象予報士の増田さんも紫外線についてお話しされていましたね。
この季節になると「紫外線に気をつけて対策してください」という言葉をよく耳にするかと思います。
紫外線のピークは5月から8月。もう気をつけなければいけない時期は始まっているんです!
いろいろな角度から知識を得ることで、自分の体に合った対策方法を知ることができます。みなさんの紫外線対策の参考にしてみてください。

まずは、自分の肌のタイプを知ろう!

体への紫外線の影響は、その人の肌のタイプによって違います。友達と海やプールに行って、ほぼ同じ時間紫外線を受けていても、人によって日焼けの度合いが違いますよね。一般的な日本人の肌のタイプは、主に3種類です。
まずは、「すぐに赤くなりやすいけれど、あまり色がつかない」タイプ。
そして、「赤くなるし、色がつく」というタイプ。
最後に「赤くなりにくいけど、すぐに黒くなる」というタイプ。

特に、「すぐに赤くなりやすいけれど、あまり肌に色がつかない」というタイプは、「光による老化」が進みやすく、他のタイプに比べて皮膚がんを起こす危険性が高いといわれているので、注意が必要です。
日本人の18%あまりがこのタイプだといわれています。

また、日本人ではないですが、アメリカでトラック運転手として25年間働いた男性の写真をお持ちしました。
こちらの写真、権威ある医学誌「NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE」で研究として発表されているので、気になるリスナーの皆さんは「トラックの運転手」「光による老化」などと検索してみてください。

顔だけがアップで写っている写真ですが、窓から差し込む紫外線ダメージを直撃し続けた顔の左側だけが、シミ、シワ、たるみなどの現象が顕著に現れています。顔の左側だけの目尻や頬の部分がボコボコっとなっています。
逆に紫外線をあまり浴びなかった右側はつるっとしていて、むしろ綺麗です。
右側だけ男性のエクボも確認できます。
通常の加齢で起こる老化現象と違う点は、紫外線ダメージを受けた部分がゴワゴワと分厚い皮膚となり、かなり深いシワが形成されることです。
新聞紙をくしゃくしゃと丸めて広げた時にできるシワと、段ボールを折り曲げてできるシワくらいの差があるといえばわかりやすいでしょうか。
しかし、この「光による老化」は日頃の紫外線ケアで防ぐことが可能なので、しっかりと対策することが大切です。

体に影響を及ぼす紫外線は、UV-AとUV-B!

紫外線の量は5月~8月がピークとされていますが、その紫外線の中でも2つが体に影響を及ぼすとされています。
まず1つ目は「UV-A」。こちらは、「肌をすぐに黒くする」という紫外線です。
この「肌をすぐに黒くする」という反応は、紫外線が皮膚の奥深くまで浸透してしまうことから守ろうとして、体内でメラニン色素が働くことによって起こる「皮膚の防衛反応」です。UV-Aは肌のハリやシワ、たるみなどに影響するといわれています。
そしてもう一つが「UV-B」。こちらは、「肌に炎症を起こさせる」という紫外線です。
UV-Bは肌の表面で吸収されるので、ヒリヒリとする火傷のような状態になり、日焼けやシミ、そばかすなどに影響するといわれています。
他にはUV-Cがありますが、基本的には地上に届かないので大丈夫です。

<対策>
一番対策しやすいのが、もう既に使用している人も多いかと思いますが、日焼け止めクリームを塗ることです。
日焼け止めのクリームで「PA」や「SPF」という表記があると思いますが、どのようなものかご存知ですか?
PAは「Protection Grade of UVA」の略で、UV-Aに対しての防止効果を示すものです。PAは「PA+」から「PA++++」の4段階で表示され、+の表記が多いほど防止力が高いです。
SPFは「Sun Protection Factor」の略で、UV-Bに対する防止効果を示すもの。SPFの数値は、日焼け止めクリームを塗った場合・塗らない場合に比べて何倍の紫外線を当てると、翌日に肌がかすかに赤くなってしまうかを示しています。
SPFは2~50、50以上は50+と表示され、こちらも数値が大きいほど防止力が高まります。

そして、数値や表記が高いものを選ぶのではなく、紫外線を浴びてしまう時間や強さによって、使う種類を変えていただきたいです。
特に乾燥肌や敏感肌の方が、数値だけで日焼け止めクリームを選んでしまうと、肌に余計な負担がかかり、肌トラブルを引き起こす可能性が増えてしまうので、注意が必要です。
日焼け止めクリーム以外にも、サングラスや日傘、帽子、などでも対策したり、日の高い時間帯の外出時間を避けたりして、なるべく紫外線を浴びないような生活を心がけてください。

トマトやニンジンを積極的に摂取!柑橘系の果物は逆効果!?

最近は、食べ物からの栄養で、紫外線対策ができることがわかってきました。
赤やオレンジ色の色素を作り出す栄養素の多くは、強い抗酸化作用があるため、肌の老化を防ぎ、日焼けやシミなどを防ぐ働きがあります。
ざっくりとですが、オススメの食材をお伝えします。

・トマト
→リコピンには強い抗酸化作用に加え、血流を改善する効果がある
・スイカ、グアバ
→リコピン、ビタミンCを多く含む。ビタミンCは紫外線ケアに良い栄養の代表格。
・ニンジン、サツマイモ
→βカロテン(ビタミンA)が豊富。「カロテン」はニンジンの英語名「carrot」が語源。
・イクラ、サケ、エビ、カニ
→アスタキサンチンがメラニン色素の合成を抑制する効果や、優れた抗酸化作用がある。

逆に注意してほしいのが、「お肌にいいから」と朝食に果物を食べたり、スムージーを飲んでいる方がいるかと思います。
実はその食材が日焼けを促進していることがあります。
「ソラレン」という成分が紫外線の感受性を高め、日焼けやシミなどのリスクを高めてしまいます。
「ソラレン」はオレンジなどの柑橘類、セロリやパセリなどのセリ科の植物、イチジク、キュウリ、春菊などに含まれるので、紫外線予防の観点からみると、これらの食材は朝ではなく、夜に食べることをオススメします。

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