<元カレはストーカー!?>年収アップ目指して転職!社名伝えると……妻の様子がヘン?【まんが】
僕はヨースケ(35)。妻のユノ(35)、息子のレオ(4)の3人暮らしだ。ここ最近、わが家にも不況の波が押し寄せてきている。しかし残念ながら、今の会社では給料が上がる兆しも見えない。経済的に不安になった僕は、転職活動をはじめることにした。なかなか思うように転職が進まないなか、A社から内定をもらうことができた。今よりは年収アップも見込めるし、条件だって悪くない。転職活動が無事成功して僕はホッと胸をなでおろした。この知らせを聞けば、妻のユノもきっと喜んでくれるだろう。
僕たちは黙り込んでしまった。たしかにユノの言う通り、今の経済状態ではわが家の今後はとても心配だ。レオにかかるお金も増えるなか、このまま何もせずに過ごすのは危険だろう。とはいえ僕が今勤めている会社では、今後の年収アップが期待できない。そこで僕はあることを決意した。
内定が決まったのはA社。通勤時間や残業時間は今の会社とほとんど変わらないし、特別困ることはなさそうだ。何よりこの会社ならば、今の会社よりも年収アップが見込める。劇的に経済状況が安定することはないかもしれないが、少しは良い状況になるだろう。僕は帰宅すると、すぐにユノに今日いちばんのニュースを知らせた。
じわじわと迫ってきたわが家の経済難。しかもまだまだレオにも手がかかるため、ユノはこれ以上パートに出ることが難しいらしい。このままでは立ちゆかなくなってしまうと考えた僕は、自分が転職することにした。 最初こそ難航していたが、3か月ほど経った頃に縁あってA社の内定をもらうことができた。条件的にも充分に良いし、僕は大満足だ。 しかしユノに報告したところ、なぜかユノは戸惑いの表情を見せた。ひょっとして何かあるのだろうか……。
感じのいい同僚が妻の元カレ?付きまとい行為って……マジ?
ユノが突然大声を出したので、僕は面食らってしまった。まったく話が見えてこない僕。ストーカーなんて言うわりにちょっとウキウキしながら話すユノを見つめ、ポカンとしてしまった。ようやく我に返り、きちんと聞いてみることに。
僕はユノからの話に驚いてしまった。なぜなら僕の知っているマツバラさんは、優しいながらも思ったことはちゃんと伝えられる人で、誰かに粘着して困らせようとするタイプには見えなかったからだ。
ユノは、とても気にしているようだった。元カレといえど、自分に付きまとっていた人と夫が同じ会社に勤めていると知ったのだから、当然のことだろう。
A社から内定が出たと告げたときのユノの反応に、少し違和感を抱いてはいた。 働き始めてから少しして、同じフロアで働いているマツバラさんが元カレだと告白された。あまりの偶然に僕はビックリ! しかもユノのストーカーだったというのだから余計に驚きだ。 話を聞くと、付きまとい程度で深刻な実害があったわけでもなかったよう。しかし正直な話、僕が見る限りではマツバラさんはそんなことをする人には思えないんだけれど……。 ユノにそう告げることもできず、ひとまず話を終えることにした。
【妻の気持ち】私のことが大好きだったのに……今は愛妻家!?
私はユノ(35)。夫のヨースケ(35)、息子のレオ(4)と一緒に暮らしています。レオがまだ小さいため私はパートとして働いています。さて、最近の不況でわが家の経済面も危機に陥っています。私はこれ以上働くなんて無理なので、正直ヨースケにもっと頑張ってほしいところ。わが家の経済難をそれとなく伝えてみたら、ヨースケは無事に転職をしてくれました。しかしここで別の問題が浮上。ヨースケが就職したA社は、元カレのカンタが勤めている会社だったのです。
ヨースケに伝えるのは、正直かなり迷いました。だってヨースケがカンタに対して「嫁の元カレ」として対抗意識を燃やしたり、嫉妬したりしてしまうかもしれませんよね。しかしカンタのことを話した数日後、ヨースケが首を傾げながら話しかけてきたのです。
心のなかがモヤモヤします。ヨースケが転職するまですっかり存在すら忘れていましたが、それでも私のことを好きだった人がほかの女性と仲睦まじく暮らしているだなんて、まったくもって面白くありません。カンタは今も私のことがずっと好きで、いつまでも叶わない恋をしていると信じていたのに……。そう考えるとカンタのことが許せなくなり、私はいたずら心からカンタに会ってみたくなりました。
「マツバラさんがストーカーだったなんて信じられない」と言いだしたヨースケ。嫉妬から信じたくないんだと思っていると、「マツバラさんって愛妻家らしい」と驚くべきことを話します。 あんなに私とヨリを戻そうとしていたカンタが、私以外の女性と幸せに暮らしているだなんて信じられません。今だってきっと私のことを見れば、当時の気持ちを思い出すはずです。 私はヨースケに頼んで会社のBBQイベントに参加させてもらうことにしました。
美人な奥さんにライバル心「私の方が上よ!」
カンタの隣にいたのは、華やかな印象の美しい女性でした。パンツスタイルにスニーカーというシンプルな服装ながら、スタイルの良さがよくわかります。しかし私に敵うはずがありません。だって私はカンタが諦めたくても諦められなかった女なのですから。
私が声をかけると、カンタは一瞬戸惑った顔をしました。すぐに私のことはわかったようです。
カンタは屈託なく笑っています。私は思わず、カンタの奥さんに勝ち誇った顔を向けてしまいました。しかし奥さんはまったく気にせず、にこやかに挨拶します。
ヨースケにお願いして、会社のBBQイベントに連れて行ってもらいました。 大学時代のようにオシャレをしたのは久しぶりです。この姿を見れば、きっとカンタだって私への恋心を思い出すことでしょう。だってカンタは、当時私にあれほどまでに付きまとっていたのですから。 イベントでカンタを見つけた私は、すぐにヨースケと挨拶に行きました。そこで見つけたのはカンタの奥さん。実際に目の当たりにして、私の対抗心はむくむくと膨れ上がったのでした。
付きまとっていた本当の理由は……10万円!?
奥さんはクスクスと笑いながらカンタのことを見て、カンタもまた笑いながら恥ずかしそうに答えています。今度は私が唖然とする番でした。しかしこのまま黙っているわけにもいきません。私に振られたあとも付きまとってきていたことを話すと、カンタは苦笑いしながら言いました。
そこまで言われて私は、付き合っていたときにカンタからコート代を借りたことをようやく思い出しました。
お金を返してほしいという気持ちから機会をうかがっていただけだったカンタ。私はそれを「未練がましいストーカーだ!」とずっと勘違いしていたのです。
カンタの口から語られた衝撃の真相。「貸した10万円を返してほしくて機会をうかがっていた」と明かされて、思わず私は赤面してしまいました。 つまり「カンタは私に未練を持っていた」「ずっとストーキングしていた」というのは、私の思い込みにすぎなかったのです。もちろんそれもそれで恥ずかしいことなのですが、10万円を踏み倒していたこともすごく恥ずかしいです……。 すべてが明らかになり、ヨースケはカンタに必死で謝ってくれました。
恥ずかしすぎるッ!不誠実さが特大ブーメラン
BBQから帰ってきた夜、私はずっと考え込んでいました。するとお風呂から上がったヨースケが話しかけてくれました。
元気のない私を心配したのか、ヨースケはそばに座ってくれています。きっとヨースケも私を軽蔑したことでしょう。そう思って横目でチラリと見ると、ヨースケは苦笑いをしていました。
ヨースケはひと言も私のことを責めません。「もう気にしなくていいよ」というヨースケなりの優しさなのでしょう。しかし私はそれでも恥ずかしい気持ちでいっぱいです。久しぶりに高いヒールを履いたためか、足はジンジン痛みます。今回の一件で私は、自分の浅はかさや傲慢さを痛感させられました。
BBQのイベントに出て、カンタの口から真相を聞かされた私。「カンタは今でも私のことが大好きなはず!」と思い込んでいましたが、蓋をあけてみれば私の勘違いで、逆に赤っ恥をかくことになってしまいました。 冷静になってみると、なんであんな思い違いをしていたのか……自分が恥ずかしいです。 幸い、私の勘違い話を聞いていたのはカンタと奥さん、そしてヨースケだけでしたが、せっかく新しい職場で頑張ろうとしているヨースケの顔にも泥を塗ってしまい、反省するばかりです。これからは傲慢にならず、誠実に生きていきたいと思います。