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オアシスの再始動まで待てないファンはすぐにGO! 『リヴ・フォーエヴァー: Oasis 30周年特別展』体験レポート

SPICE

『リヴ・フォーエヴァー: Oasis 30周年特別展』

90年代イギリスが生んだ伝説的ロックバンドOasis(オアシス)の足跡を辿る『リヴ・フォーエヴァー: Oasis 30周年特別展』が2024年11月1日(金)から23日(土)まで六本木ミュージアム(東京・六本木)で開催されている。今年8月に15年の沈黙を破り、再結成ライブの開催を発表したことが話題のオアシス。そのデビューアルバムのリリースから30周年を記念した本展には、メンバー愛用の楽器や直筆の歌詞、バンド初期のアイコニックなオリジナルポスターなど英国事務所所蔵の200以上のアイテムが展示されている。さらにCDジャケットやライブステージを模したフォトスポットも設けられ、あの時代に青春を過ごした人たちの中に永遠に生き続ける名曲の世界を目や耳で体いっぱい浴びることができるぞ!

2025年待望の復活! 伝説のロックバンド「オアシス」の軌跡を辿る特別展

天才的ソングライターの兄・ノエルと唯一無二の存在感を放つボーカリストの弟・リアム。ともに天賦の才を与えられたギャラガー兄弟を中心に結成されたオアシスは、ビートルズ、ローリングストーンズらを輩出したイギリスが生んだ90年代最強のロックバンドだ。今から30年前の1994年に発表されたデビューアルバム『オアシス(原題:Definitely Maybe)』とその翌年にリリースされた2ndアルバム『モーニング・グローリー』のヒットで瞬く間に世界的なスターダムを駆け上がり、日本にも熱狂的ファンを生み出した彼ら。バンド名くらいしか知らない若い世代も、代表曲である「ホワットエヴァー」や「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」を聴けば、きっとどこかで聴き覚えのあるメロディにロックの国・イギリスが生んだリビングレジェンドの偉大さを感じるはず。

外観

そのオアシスの足跡を辿る今回の特別展。六本木の会場を訪れると、外観にはコラージュアーティストの河村康輔が手がけた「Oasis」の30周年記念ロゴとギャラガー兄弟を写した本展のメインビジュアルが青空に映える。

展示風景

そして超絶イケメンのリアムを中心にメンバー5人の姿が迎えてくれる会場は、オアシスの軌跡を多角的に切り取った4つの章で構成されている。そのイントロダクションとなる最初の空間には、1991年の結成から2009年の活動休止に至るまでのクロノグラフィー(活動年表)と巨大映像、そして本展の題名にもなっているデビューアルバム収録の名曲「リヴ・フォーエヴァー」の歌詞が日本語訳とともに掲示されている。往年のファンの気分は既に最高潮かもしれないが、ここでもう一段テンションを上げていこう!

オアシスを生んだ街並みを再現した展示空間

オアシスの世界観を象徴してきた歴代のバンドロゴが並ぶ次の部屋を抜けると、デビューから2009年までにリリースされた7枚のアルバムを軸に彼らの歴史を振り返る第1章の展示が始まる。

展示内容も気になるところだが、まずは空間演出に注目。六本木ミュージアムといえば、これまで開催されてきたどの展覧会も凝った空間演出が見ものだったが、今回のオアシス展も期待を裏切らない。特にこの空間は、オアシスの故郷であるマンチェスターやロンドンの街並みを屋内に再現。赤レンガ風の壁が印象的な空間で彼らの歴史を辿ることができる。ちなみに展示の周りには2ndアルバム『モーニング・グローリー』のジャケット撮影が行われたオアシスファンの“聖地”バーウィック・ストリートの名前などいくつかの小ネタが潜んでいるので、それを探すのも楽しみのひとつ。

展示風景

『オアシス』『モーニング・グローリー』『ビィ・ヒア・ナウ』『スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ』『ヒーザン・ケミストリー』『ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース』『ディグ・アウト・ユア・ソウル』。各時期の出来事を紹介した7つの展示ケースには、同時代を生きたファンには懐かしく、新しいファンには発見のある貴重な品々がいっぱいだ。例えば、『モーニング・グローリー』の展示には、2日間で25万人以上の観衆を動員したネブワースでの伝説的野外ライブの記念グッズが。そのほか、ノエル直筆の歌詞も多数展示されており、壁面に描かれたフレーズとともに、あの日あの時、私たちの心の穴を埋めてくれた名曲の詞が初めて綴られた瞬間を確認できる。

展示風景

また、来日時にまつわるアイテムも数多く展示。そのうち『オアシス』の展示には、1994年9月に初来日した際にノエルがホテルの便せんに書き留めた「(It’s Good)To Be Free」の歌詞など日本の企画展だからこそ価値が一層増す品々が。一方で『スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ』の展示には、2001年にヘッドライナーとして初出演したフジロックフェスティバルのポスターが展示されており、“オアシス降臨”の当時のインパクトとともに、そこに並ぶアーティストたちの名前に当時の日本のロックシーンが鮮やかに蘇ってくる。

展示風景

ちなみにオアシスと言えば、時に物議をかもすノエルとリアムの奔放な発言でも有名だが、会場では二人のインタビュー映像も見られる。そのうち一方ではノエルがある意味で“変態的”な音楽へのこだわりを語り、もう一方では来日時の彼らが6歳の女の子の質問に答えるという、ちょっと怖いもの見たさのあるインタビューも(笑)。そうした映像からも過激さと裏腹にある彼らの魅力を再認識するだろう。

ノエルの歴代ギター、そしてリアムのタンバリンも展示

彼らの心のサッカークラブ、マンチェスターシティの旧本拠地・メインロードスタジアムで行われたライブ風景、そして「リトル・バイ・リトル」のフレーズが描かれた巨大パネルから始まる第2章は、彼らの楽器や数々の受賞トロフィーが展示されたエリアだ。

展示風景

Definitely Maybeツアーで使われたレスポール、「スーパーソニック」のシングルジャケット撮影時に使われたリッケンバッカーなど、ノエルが使った歴代のギターが飾られた展示ケースの中心には、リアム使用のタンバリンが“鎮座”。かたや、何とも言葉で表現しづらいNMEアワードのトロフィーなどの展示は、頂点を極めた者だけが得られる輝きを放っている。

展示風景

また、彼らが表紙を飾った雑誌の展示にはイギリス誌に並んで日本の雑誌も。「ロッキング・オン」や「クロスビート」などのロック専門誌はもちろんのこと、「スマート」や「アエラ」、「メンズノンノ」の書影からは、音楽の世界を越えて時代のアイコンになった彼らの影響力が伺える。

展示風景

後半の展示ももちろんオアシスの世界を存分に感じられる構成だ。第3章はアルバムやシングルの告知ポスター、ツアーのポスターが壁一面に展示された通称“ワンダーウォール”、第4章は作詞家・音楽プロデューサーのいしわたり淳治氏が再構築したオアシスの名曲の歌詞が展示され、最後にもう一度、オアシスの歌詞の世界を堪能できる。そして終盤にはオアシスの名曲を存分に堪能できるシアターのほか、「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」の歌詞に関する特設コーナーがある。

展示風景

2017年にマンチェスターで起こったテロ事件の追悼集会で自然発生的に大合唱が起こった、人々に団結と希望と勇気を与える名曲。争いごとが世界に悲しみを落とす時代、「Don’t Look Back In Anger(嫌な思い出にするな)」というフレーズに代表される歌詞を噛み締めながら平和に思いを重ねてみてはどうだろう。

あのアルバムジャケットの再現空間でなりきり撮影も!

実は本展は展示以外にもうひとつのメインコンテンツがある。それが館内の別室に設けられたフォトスポットだ。

我々も記念撮影!(撮影モデルはイープラスのスタッフ)

2か所のうち、ひとつはデビューアルバム「オアシス」のアルバムジャケットを再現した空間だ。見た目そのままの空間は、本棚の本まで忠実に再現。ノエルのようにギターを構えて自分の世界に浸りながら撮影するのもよし、仲間や家族で完全再現するのももちろん楽しそう。もうひとつは、本展のタイトルになっている名曲「リヴ・フォーエヴァー」のMVに登場する“リアムの椅子”を再現したスポット。リアムのようにサングラスをかけて、空中に浮かんだようなトリックアート的空間を楽しもう。

また、展示空間の中にもライブ中のリアムになりきって記念撮影ができるスポットがある。マイクスタンドの傍らにはもちろんタンバリンも。ただ、タンバリンは“武器”ではないのでくれぐれも人に投げつけたりしないように(笑)。

リアムばりにハジけちゃおう!

『リヴ・フォーエヴァー: Oasis 30周年特別展』は、11月23日(土)まで六本木ミュージアムで開催中。オアシスファンはWhatever! 絶対に訪れるべし!

文・写真=Sho Suzuki

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