愛猫を『社交的に育てたい!』心がけるべき3つのこと 成猫の人馴れ訓練は無理のない範囲で
1.子猫のうちにいろんなものに慣れてもらう
猫の性格を決めるのは、主に2つの要素です。ひとつは、父猫の遺伝。父猫が人懐っこいと、子猫もまた人間に対してフレンドリーな性格になりやすい、と言われています。
もうひとつ重要なのは、社会化期(生後2~9週齢)の過ごし方です。社会化期とは、他者(母猫や兄弟猫など)との関わりを通して、コミュニケーションの取り方、猫としての心構え、あるいは、猫らしさを身につけていく時期。子猫にとっては、今後の一生を左右するターニングポイントです。
この社会化期に、いろいろな人間と出会い、触れ合いを含めてやさしくされると、以降、人を怖がらない友好的な猫として成長します。
ちなみに、他の動物との関係も、社会化期が鍵を握ります。幼いうちにさまざまな動物(犬や鳥、亀など)と触れ合っていると、怖がったり、むやみに攻撃的になったりすることもありません。仲間意識のようなものが芽生えるため、いっしょに仲良く暮らせます。
2.成猫になっても社交性は身につく?
成猫以降も、やり方次第では社交性が身につくこともあります。ポイントは、撫でたり、おもちゃで遊んだり、上手にコミュニケーションを取り合うことです。愛猫の社交性アップのためには、お互いの信頼関係構築が欠かせません。
たとえば、一定の距離を保ちがちなクールな猫の場合、最初はうまくいかないかもしれません。そんなときは、おやつを効果的に使ってみてください。
普段は警戒心が強く、あまり触らせてくれない猫も、おやつには興味津々です。距離感が近くなった段階で、じかに手でおやつをあげてみましょう。ちゃんと食べてくれたら、その後も、飼い主さんの手=良いことが起こる、と認識します。
おやつ作戦が功を奏したら、タイミングを見計らって、愛猫をそっと撫でてみてください。拒否されなければ、「撫でてもOK」のサインです。喜んでもらえる場所を探り当てたら、なお良し。愛猫との関係がより深くなったことを実感できるはずです。
3.嫌がることを一切やらない
最後の3つ目として、やや逆説的に思えるかもしれませんが、愛猫の嫌がることを一切やらないことが大事です。以下、飼い主さんが心得ておくべき猫にとってのNG行動を挙げておきましょう。
✔目をじっと見つめる
✔大声を上げる
✔派手にアクションする
✔しつこく構う
どの行為も愛猫からすれば、非常に不愉快な行動です。猫は自分のペースやリズムを何よりも優先させます。たとえ飼い主さんであっても、「イヤなものはイヤ」です。ズカズカと迫られるよりも、むしろ、適度な距離感を保ってくれたほうが、猫は安心できます。
NG行動を避けることは、すなわち、愛猫の立場を尊重することです。安心感を得られれば、多少内向的であっても、行動や態度に少しずつゆとりが生まれます。肝心なのは、急がないこと。猫との関わりでは、愛猫のペースに合わせ、ときに辛抱強く待つことが大切です。
なお、いろいろと慣れさせたいあまりに、見知らぬ人と頻繁(ひんぱん)に会わせたり、怖がっているのに他の動物と交流させたり、飼い主さん本位で接すると、かえって恐怖心を植えつけることになります。くれぐれも慎重に「愛猫社交家計画」を実践してみてください。
まとめ
人懐っこい猫には独特の魅力があります。「うちの子もそうなってくれたら…」と願う飼い主さんもいることでしょう。
今回は、愛猫をフレンドリーにする要素を3つ紹介しました。いちばん大事なのは子猫期の過ごし方ですが、ポイントを押さえれば、成猫になってからでも社交性向上は期待できます。
いずれにしても、愛猫の様子を確認しつつ、無理のないように取り組むことが重要です。