元祖「山の神」今井正人さん 順天堂大学陸上競技部 長距離ブロックコーチに就任!
順天堂大学時代に箱根駅伝の山上りの5区で3回も区間新を記録、4年時は総合優勝に導き、初代「山の神」と畏敬された今井正人さん(40)が母校のコーチに就任しました。
本年度の長距離ブロックの目標は「下剋上」と話します。
選手時代の目標はオリンピックで勝負
今井正人さんは順大1年の2004年、箱根駅伝に2区で出場。
05年から5区に抜擢、3年連続で区間賞を獲得。
07年、順天堂大学は総合優勝に輝きました。
山上りの魅力を聞くと「箱根駅伝と名前がついているくらいの駅伝です。その箱根の山を走れるのが最大の魅力です。周りが嫌がっている区間を嫌と思わずに走れたことがやりがいでもありました」と今井さん。
順大卒業後、トヨタ自動車九州に入り、マラソンで活躍。
39歳まで現役を続けられた秘訣を聞くと「陸上を始めた高校1年生の時に立てた目標がオリンピックで勝負すること。それをかなえるために走り続けました。オリンピック出場はかなわなかったのですが、20代でもしかなえていたら、39歳までやれたかどうかも分からないです。僕は結果が出なかったので、その分ずっと長くそれを思い続けることができました」と淡々と語ります。
現役引退後、順大長距離ブロックの長門俊介監督から「強い順大を取り戻したい。いいメンバーもいるので、箱根駅伝で優勝したい。そういうチームを作りたいと思っている。一緒にやらないか」とコーチの要請を受けます。
長門監督は順大の同期生で、主将だった今井さんを助けてくれた経緯があり「今度は長門監督の力になりたくて、引き受けさせていただきました」と今井さん。
各駅伝で上位・箱根駅伝は5位入賞を
陸上競技部長距離ブロックの部員は約80人。
「本年度の長距離ブロックの目標は全日本大学駅伝では上位8校のシード権獲得、箱根駅伝では5位入賞。『下剋上』を駅伝で実践します」と今井さん。
指導方針については「一人一人としっかりと対話して、個を伸ばせる指導をしたい」。
一方駅伝はチーム競技なので「目標の設定でチームとして同じ方向を向いて行動ができる意識付けを大切にしたい。人間的な成長もサポートし、普段の心構えなどを伝える」と話します。
服部壮馬主将(4年)は指導について「つらい時も顔を上げて、前へ進もうなどの助言をもらっています」と真剣な面持ち。
取材した日は雨にも関わらず、熱心に練習に励む部員の姿がありました。