【ルーキー通信簿】中日は期待のドラ1草加勝が入団直後にTJ手術、一軍出場は尾田剛樹ら3選手のみ
投手ではドラ5土生翔太が一軍の舞台経験
今季もニューヒーローが数多く誕生したプロ野球。西武のドラフト1位左腕・武内夏暉がパ・リーグでは7年ぶりとなるルーキーでの新人王に輝くなど、新人選手たちの活躍も光った。
そこで今年のルーキーたちが一軍でどのような活躍を見せたのか、球団ごとに通信簿を作成した。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目について、5段階で評価している。
今回は3年連続となるセ・リーグ最下位に沈んだ中日のルーキーたちを見ていく。
投手ではドラフト5位の土生翔太が一軍デビューを果たした。23歳右腕はルーキーで唯一開幕一軍をつかみ、4月19日の阪神戦(甲子園)でプロ初登板。1イニングを投げ2安打2失点のほろ苦いデビュー戦となった。最終的には7試合に登板し、計12イニングで防御率6.00。プロのレベルの高さを痛感する1年となった。
投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。
土生はストレートの平均球速が145.5キロ、K%は16.4%と、とともにリーグ平均並みで球威と奪三振の評価は「3」。一方、BB%は10.9%で制球力評価は「2」と課題を残した。それでもFIPは3.09とリーグ平均並みの数字を残し、総合評価は「3」となった。来季は1年通じて一軍に帯同し、フル回転を目指したい。
ドラフト1位入団の草加勝は新人合同自主トレ中に肘の違和感を訴え、その後、トミー・ジョン手術を行ったため、1年目は登板なしに終わった。同4位の福田幸之介は二軍で10試合に登板して2勝3敗、防御率3.13の成績。同6位の加藤竜馬は二軍で9試合に登板し防御率6.48の成績に終わり、来季は野手として育成再契約を結んだ。
野手は育成3位の尾田剛樹が最多出場
野手では育成3位の尾田剛樹が一軍の戦力となった。持ち味の俊足を生かして開幕前に支配下登録を勝ち取ると、代走、守備固めを中心に65試合に出場した。ただ、4盗塁を決めた一方、5盗塁死と課題も露呈。12打席に立ちノーヒットとプロ初安打も来季以降に持ち越しとなった。
野手の各項目は、パワーがリーグの平均ISO(=長打率-打率:長打力を示す指標)、選球眼は同BB/K(四球と三振の割合から打者の選球眼を見る指標)、走力は同spd(走力を示す指標)、貢献度は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算定している。
尾田は安打、四球ともに「0」に終わったため、パワー、選球眼ともに評価は「1」。その一方で、spdは5.2と自慢の快足は一軍でも十分通用し、走力評価は「4」となった。このオフは打撃にも磨きをかけ、外野のレギュラー争いに割って入りたい。
ドラフト3位の辻本倫太郎も一軍デビューを果たした。9月7日の広島戦でプロ初安打もマークしたが、13試合の出場で18打数3安打の打率.167にとどまった。同2位の津田啓史は一軍出場はなく、二軍では80試合に出場し、打率.234、13打点、8盗塁の成績だった。
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記事:SPAIA編集部