第101回箱根駅伝を1万メートルのタイムから戦力分析、今大会も新記録で決着か
ランキングトップは予選会から出場の中大
101回目の箱根駅伝(2025年1月2、3日)を制するのは学生駅伝3冠を狙う国学院大なのか、それとも前回王者の青学大が連覇を果たすのか。
発表された登録選手(各チーム16人)の1万メートルの自己ベストから、各校の戦力を見てみよう。大会主催者が発表した1万メートルの自己ベストの各チーム上位10人の平均タイムをランキングにしてみた。
1位は前回大会13位で今大会は予選会からの出場となった中大で28分15秒62だった。2位は青学大で28分20秒04。3位は初優勝を狙う国学院大で28分22秒26だった。
2、3位には優勝候補が順当に入ったが、中大のタイムには驚いた。後述するが、1万メートルの平均タイムとしてはかなりの記録で、100回大会で大会新をマークして優勝した青学大を上回っている。
もう一つの驚きは国学院大、青学大と並んで3強とみられている駒大が最下位なこと。これは1万メートルのタイムを持っていない選手が6人もいて、残りの10人にもあまり1万メートルを走ったことがない選手が多いことにある。
これまでの駒大にはなかったことだ。箱根の1区間の距離は20キロ超あるので、1万メートルではなく、もう少し長い距離で強化してきたのかもしれない。
中大と青学大は27分台が3人
ランキングの上位3校と3強の一つ駒大を加えた4校の平均タイムや1万メートルの自己ベストの内訳を比較してみた。
登録選手16人の1万メートル平均タイムのトップは中大で28分27秒74だった。ケガや病気等で走れなくなる選手もいるため、層は厚ければ厚いほどいいのだが、中大は1万メートルだけで見れば層が厚いと言える。
自己ベストの内訳を見ると、実業団でも一流と言えるタイムの27分台が吉居駿恭、溜池一太、本間颯と3人いる。29分を切る選手の数は15人もいる。
青学大も27分台の選手が鶴川正也、黒田朝日、若林宏樹と3人いて、29分を切る選手の数は13人とレベルが高い。
国学院大は主将でエースの平林清澄。駒大は主将の篠原倖太朗と佐藤圭汰が27分台だ。
前回大会新の青学大を上回る今大会の中大、青学大
過去5大会の優勝校の1万メートルのタイムを見ると、今大会はレベルが上がっていると言える。
前回大会、青学大は大会新で優勝を果たしたが、上位10人の1万メートルの平均タイムは今年の中大、青学大、国学院大の方が上だ。16人の平均タイムで見ても、今年の中大と青学大の方が上。大学駅伝のレベルが上がっていることを如実に表している。
過去5大会の優勝校で1万メートル27分台の選手が3人もいたチームはない。前回大会の駒大が27分台を3人そろえながら優勝できなかったように、一概には言えないが、27分台のスピードを持った選手が複数いるチームは大きなアドバンテージがあると言える。
学生であれば28分台で走れば十分スピードがあると言えるが、前回優勝の青学大は29分を切る選手が13人だった。先述のように今大会は中大が15人、青学大が13人と平均レベルが高いのも特徴だ。
天候条件やレースの流れがあるため、確実なことは言えないが、1万メートルの平均タイムが上がっていることを考えると、今大会も大会記録を超える走りが期待できそうだ。
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記事:鰐淵恭市