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【中森明菜 Best Performance on NHK】秋という季節を音楽的に体現できる表現者!

Re:minder

1983年09月07日 中森明菜のシングル「禁区」発売日

中森明菜 Best Performance on NHK
in October Vol.1(2025/10/15配信)

令和の若い世代にも熱烈に支持されている中森明菜


2025年にデビュー43周年を迎えた中森明菜。歌手・表現者としての彼女の魅力は時代を超えて輝きを放ち続け、デビュー当時からのファンはもちろん、令和の若い世代にも熱烈に支持されている。そんな彼女が1980年代に数多く出演したNHKの歌番組の映像が4K相当の高画質でデジタルリマスターされ、2025年4月から2026年3月まで、月1〜2回の頻度で配信されている。

対象となる歌番組は、当時の若者に絶大な人気を誇っていた『レッツゴーヤング』や、その後継番組『ヤングスタジオ101』。そして、音楽界において『日本レコード大賞』と並んで伝統ある番組『NHK紅白歌合戦』など。NHKが過去に放送した番組は、埼玉県川口市にある『NHKアーカイブス』の番組公開ライブラリーやCS放送などで視聴することが可能だ。しかし、すべての回は網羅されておらず、特にこの一連の企画で配信されている回はほとんど見る手段がないため、筆者(2001年生まれ)のような後追い世代にとって彼女の出演シーンを見られるだけでも非常に貴重である。

1983年から1987年の10月に放送された6曲をセレクト


13回目の配信となる10月15日の配信ラインナップは、1983年から1987年の “10月” に放送された回から以下の6曲。

▶︎ 禁区
『レッツゴーヤング』1983/10/9放送

▶︎ トワイライト-夕暮れ便り-
『レッツゴーヤング』1983/10/9放送

▶︎ SOLITUDE
『レッツゴーヤング』1985/10/20放送

▶︎ SAND BEIGE -砂漠へ-
『レッツゴーヤング』1985/10/20放送

▶︎ Fin
『ヤングスタジオ101』1986/10/19放送

▶︎ 難破船
『ヤングスタジオ101』1987/10/11放送

今回はその中から、「禁区」「トワイライト-夕暮れ便り-」、そして「SAND BEIGE -砂漠へ-」の3曲をピックアップしてみたい。

個性ある生バンドの演奏で、アレンジが異なる「禁区」


最初に紹介する「禁区」は、YMOの細野晴臣が制作に関わったテクノ歌謡としても有名な1曲だ。『レッツゴーヤング』の演奏は生バンドなので、オリジナル音源の印象的な電子音は聞こえず、若干テンポも遅め。今はカラオケ音源を使うか、自分たちのバンドで演奏するため、大きくアレンジが異なるということは滅多にない。だが、この当時は、それぞれの番組ごとに専属のバンドがいたのでアレンジにも個性がある。シンセサイザーの音はトランペットなどの別の楽器で代用されているのだ。

したがって、オリジナル音源に馴染みがある人にとっては、同じ「禁区」でも聴こえ方の印象が異なるだろう。5月1日に配信された紅白に初出場したときの映像とぜひ比較して見ていただきたい。

秋らしい曲として披露することになった「トワイライト-夕暮れ便り-」


続いて、「トワイライト-夕暮れ便り-」と「SAND BEIGE -砂漠へ-」であるが、これは今回配信される他の4曲と異なる特徴がある。それは、他の4曲は9〜10月に発売された最新曲を披露した映像なのに対し、この2曲は発売から4ヶ月ほど経ってからのパフォーマンスであるということだ。秋らしい曲として披露することになったのだろうか。

今となっては9〜10月でも猛暑日があったりするが、一般的な “秋" のイメージは夕暮れが早くなり、穏やかさと哀愁が入り混じる季節。四季の中で最も感情の機微が映える季節ともいえる。中森明菜の歌や表現は、そんな秋という季節の質感と極めて親和性が高い。高音域の張りと低音域の陰り、緊張と緩和の余韻を含めた切り替えが絶妙で、その明暗のコントラストが秋の光と陰の関係にも通じる。そういった意味で、単に “秋が似合う” 存在ではなく、秋という季節が持つ特性を音楽的に体現できる表現者だといえるだろう。

大人びた表現力が光っている「トワイライト-夕暮れ便り-」「SAND BEIGE -砂漠へ-」


「トワイライト-夕暮れ便り-」は、これまでに4回『レッツゴーヤング』での歌唱映像が公開され、いずれもフルコーラスまではいかないが、全体の3分の2くらい披露されている。だが、今回公開の1983年10月9日放送回では、わずか1分ほどの歌唱で、冒頭の一節しか披露していない。しかし、それでも十分に満足できる堂々とした歌いっぷりで、衣装こそ10代のアイドルらしいフレッシュな黄緑色のドレスだが、どこか切なげな表情で愁いを感じる世界観を身にまとっており、黄昏の美しさを見事に表現している。

そして、発売当初は曲の世界観に合わせたエキゾチックな異国情緒あふれる衣装で歌い上げていた「SAND BEIGE -砂漠へ-」は、1985年10月20日放送回では真っ赤なドレスで披露されている。その姿は砂漠の太陽のように情熱的でありながらもどこか儚さを漂わせ、しなやかなパフォーマンスで観る者を深く魅了する映像となっている。「トワイライト-夕暮れ便り-」同様、ワンコーラスのみの披露ながら、20歳とは思えない大人びた表現力が光っている。

4月からスタートした『中森明菜 Best Performance on NHK』も、いよいよ折り返し地点。まだまだ公開されるであろう秘蔵映像から目が離せない。

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