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『ラッキードッグ1 on Stage』ベルナルドルートのゲネプロをレポート 31歳色気筆頭幹部×年下上司のBL王道ルート

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『ラッキードッグ1 on Stage』舞台写真

「BL(ボーイズラブ)ゲームといえばコレ!」という圧倒的な人気と知名度を誇る、『ラッキードッグ1』。2009年に同人BLゲームサークル「Tennenouji」よりPCアダルトゲームとして発売され、現在ではNintendo Switchでも遊べるようになっている。

2018年に一度舞台化されているが、今回は新シリーズとして多くを一新。原作がある2.5次元舞台のためストーリーの大筋は変わらないが、役者や演出、音楽、照明、公演会場次第で見え方も感じ方も変わるのが「舞台」というコンテンツの良さだ。今回はどんな『ラッキードッグ1』の世界を見せてくれるのだろうか。

マフィア、銃、タバコ——COOLでかっこいい、ヤケドしそうな男たち

今からおよそ100年前のアメリカ合衆国。イタリア系マフィア組織であるCR:5の組織の構成員であるジャンの服役中の刑務所に、突如組織のトップ幹部4人が逮捕されてくる。「彼らと脱獄を成功させればボスの地位を譲る」というボスからの指令を受け、困惑しながらもジャンは行動を開始し——。

ジャンカルロ・ブルボン・デル・モンテ:榊原徹士

“ジャン”の愛称で呼ばれる主人公、ジャンカルロ・ブルボン・デル・モンテを演じるのは榊原徹士。過去に新選組リアンや吉本坂46として活動をしていた経歴の持ち主。身のこなしの軽さや、表情ひとつをとってもジャンのキャラクター性を体現しているように思われた。

ベルナルド・オルトラーニ:川隅美慎

ベルナルド・オルトラーニ役の川隅美慎は2.5次元舞台俳優といえば名の知れた実力派俳優で、キャラクターの特徴を掴むのが非常に上手い。ベルナルドはCR:5でも一番の年長者であるがゆえの落ち着きや、セリフの「間」、感情の出し方などにジャンとの歳の差や彼の静かな情熱を感じることができた。

ルキーノ・グレゴレッティ:森下竣平

ルキーノ・グレゴレッティを演じるのは森下竣平だ。ルキーノ同様に身長が高く体格が良い。セクシーで華やかな大人の男性というキャラクターの魅力を十二分に引き出していると言えよう。デイバンに戻ってからはジャンへの面倒見の良さに兄貴分のような頼れる男の姿と、悲痛な過去による自責を吐露する弱さとの二面性を表現している。

ジュリオ・ディ・ボンドーネ:徳井太一

物静かで容姿端麗のジュリオ・ディ・ボンドーネ役は徳井太一。『ツキステ。』や『華Doll* THE STAGE』にも出演経験がある、これからに大期待の役者だ。暗殺者でもあるジュリオは登場の仕方もスマート。いつの間にかスッと入ってきていて、身体の細さや佇まいの繊細さに思わずうっとりとなってしまったほど。

イヴァン・フィオーレ:永島龍之介

イヴァン・フィオーレ役は永島龍之介。『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stageシリーズの山田三郎役など、爽やかキュート系の役どころから一転、ワイルドで口調が荒く、野心家だけどリアリストなど多くの顔を持つイヴァンは彼の新しい挑戦になるのではないだろうか。イヴァンが演技をするシーンには注目。

バクシー・クリステンセン:川井雅弘

敵対組織GDの武闘派、バクシー・クリステンセンを演じるのは川井雅弘。彼の鍛え上げられた腹筋には、問答無用で目が吸い寄せられる。目の保養です。本当にありがとうございます。好戦的な性格のため、登場シーンにはアクションが非常に多い。刃物や2丁のショットガンを駆使した大ぶりな戦い方で舞台上を駆け回っていた。

トーニオ・カヴァッリ:高木朋広


「例の」シーンを語らせてください

原作ゲームの発売からおよそ15年が経っており、囚人服に身を包んだCR:5の面々を見ると、少し懐かしいような気持ちにもなる。クールでかっこよく、そしてキケンな世界を生きる彼ら。今回の公演ではストーリーや彼らの心情に重きを置いているように感じた。まるで少年漫画を見ているかのようなテンポの良さは、見ている者を飽きさせない。また、アクションもとても見ごたえがある。血生臭い日常を送るマフィア社会で生き残るためにそれぞれが銃やナイフ、体術に優れていて、キャラクターごとに個性が光る。

原作ストーリーを詳しく知らなくても大筋を理解できるようには作られているが、セリフや説明がなくても動きや小道具で表現されている細かな部分もあり、知っている者にはニヤッとなる場面も。

ゲネプロで公開されたのは「31歳色気筆頭幹部×年下上司」、ベルナルドとジャンの個別ストーリーだ。
元々お互いを「ダーリン」、「ハニー」、「おホモだち」などと呼ぶような気さくな関係だったふたり。組織としても個人としても、立場や精神面で追い込まれたベルナルドに、意図せず幸運を呼び込んだ“ラッキードッグ”。いまだ過去の因縁を清算できていないベルナルドはだんだんとジャンへの想いも膨らんでいき……。

そして「例の」シーンに言及せずには終われない。
ジャンの頭や顔を軽く撫でるだけだったベルナルドの手。密着度が増すにつれてだんだんと下に下がっていく。体の向きを変え、二人の呼吸音が熱く甘いものになる中、BGMが弱くなり、ふたりを照らしていた照明やステージ上の明かりもチリチリと消えるようにゆっくり落とされて。ああ、すごい。これは「ふたりの秘め事」だ。このことがお互いへの信頼と関係性を深め、幹部同士というだけでは選び取れなかった「右の扉」という選択肢につながっていく。いわゆる“行為”シーンはいつあるのかという期待に心をジリジリと炙られ、そしてようやく訪れたシーンに喜びもひとしお。暗転とともに筆者の心の中では拍手喝采が起きていた。

動画OK! ジャンカルロ、CR:5のカポ就任式

公演には観客にはうれしい撮影タイムも。スマートフォンでの動画撮影が可能で、推しの動きや表情をいつでも手元に置いておけるという特別なお土産を持って帰ることができる。キャストたちは客席まで降りてきてくれるので、役者が座席近くで視線を向けてくれる可能性も!? SNS掲載が可能とのことなので、ベストな動画が撮れたらその幸せをぜひ共有してほしい。

「赤髪ライオン×甘やかし上手」、「狂犬×幸運犬」、「属性盛り男とのケンカップル」もそれぞれ個別ルートがあるので、ジャンとのお好きなルートのご鑑賞をぜひどうぞ。

『ラッキードッグ1 on Stage』は2025年10月25日(土)まで飛行船シアターにて公演中。

取材・文=松本裕美

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