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ゴッホやモネと浮世絵がシンクロする『Immersive Museum OSAKA』で没入体験、Aぇ! group正門良規「絵の方からやってきてくれる」

SPICE

『Immersive Museum OSAKA 2025 印象派と浮世絵~ゴッホと北斎、モネと広重~』

Immersive Museum OSAKA 2025 印象派と浮世絵 ~ゴッホと北斎、モネと広重~
2025.5.31(SAT)~9.5(FRI) 堂島リバーフォーラム

2025年5月31日(土)~9月5日(金)の期間、堂島リバーフォーラムにて、『Immersive Museum OSAKA 2025 印象派と浮世絵 ~ゴッホと北斎、モネと広重~』が開催中だ。『Immersive Museum』はイマーシブ技術で没入できる展覧会として誕生し、今年で3年目となる。今回は、日本を代表する浮世絵作家である葛飾北斎や歌川広重らの作品が海を超え、印象派・ポスト印象派で知られるフィンセント・ファン・ゴッホやクロード・モネに与えた影響に迫る。海を越えて繋がった名画家たちは、一体どんな視点を持っていたのか。その眼差しごと体感しながら、彼らがみていた世界、色、景色、風合い、そのストーリーを、広大な屋内空間の中で全身で体感できるスペシャルなアート展覧会なのである。

6月5日(木)にメディアセッションが行われ、昨年に続き公式アンバサダーを務めるAぇ! groupの正門良規さんが登場し、想いを語った。今回は、その模様もお伝えしながら、FM802 DJの田中麻希が同イベントの魅力をお伝えしていく。

⚫︎正門良規「圧倒されるシンクロと没入体験!」

正門良規

全国各地で開催されている『Immersive Museum』の中で、2年連続のアンバサダー就任は正門さんが初めてということで、「光栄に思います。愛情を持って魅力を伝えていきたい」とし、あっという間に和やかな空気へ。

同展の第一印象については「まず圧倒されました。このサイズ感で絵画を楽しむ機会は少ないですし、何より”浮世絵”と”印象派”、この絵画たちが、どうリンクしていくのか視覚で体感できる場所ってなかったと思うので、驚きました。より知識が深まりましたし、非常に学びがありました」と生き生きと語った。さらに魅力として「自分がじっとしていても絵の方からやってきてくれるので、その没入感を楽しんでほしい」と熱のこもった声で、力強く語っていたのも印象的だった。

正門良規

おすすめは、フィンセント・ファン・ゴッホの「星月夜」と、葛飾北斎の「富嶽三十六景」が交わるシーンだという話も聞かせてくれた。「一度は見たことのある作品だと思いますし、ゴッホや印象派アーティストがどう浮世絵から影響を受けたのか、どう交わってこの作品になったのか、手に取るように実感できるので観てほしい」と臨場感のある場面をセレクト。

また「Aぇ! groupのメンバーみんなにも来て欲しいですね。そのほかには永瀬廉とかにも来て欲しい。忙しそうなので、涼みながらアートに浸る時間をつくって欲しいです」というエピソードも飛び出した。まさに、身近にいる、大切な人におすすめしたくなる展覧会なのだ。

正門良規

上映される作品の背景などを伝えるオーディオガイド・字幕ガイドもあり、正門さんがナレーションも務めることから「はじめましての方も、絵画が好きな方もそれぞれの視点でまた新しい体験ができると思います。一枚でも見たことのある絵があるのなら、足を運んでほしい。特別な体験が待っています!」と締め括った。正門さんの同展への愛情がひしひしと伝わるメディアセッションであった。

⚫︎まずは浮世絵が誕生した江戸の町へタイムスリップ!

上映時間以外にはフォトタイムが設けられている

体感する絵画。壁面、床面すべてに映像が投影され、視界一面に広がってゆく。3年目となる今年は一体どんなプログラムが待っているのか、胸を高鳴らせながら、そのときを待った。

ついに始まるとまず飛び込んできたのは、浮世絵が誕生した時代”江戸の町”。今この時代とは一度離れ、感性をもその世界に誘ってくれるのだ。

「熈代勝覧」

映し出されたのは「熈代勝覧」。江戸時代の町の様子が描かれている貴重な絵巻物が、なんと最新映像技術で動き出す! 描かれている約900人が各々に歩いたり挨拶を交わしたり、当時の暮らしぶりや溢れんばかりの活気が伝わてくる。浮世絵が売られている店先まで私たちを誘いながら、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚まで連れていってくれた。

⚫︎ヨーロッパと江戸の街並みに没入

かの有名なゴッホは、パリで浮世絵に出会ったといわれている。浮世絵との出会いは彼にとって大きな刺激を受けるもので、どんどん夢中になっていった。ゴッホが浮世絵に憧れを抱き、どんな視点で浮世絵をみていたのか。その眼差しに触れられるシーンは、まるで彼の頭の中をのぞいているようでもあり圧巻だった。

浮世絵の意外な部分を切り取っていることも

続いては浮世絵が西洋絵画に与えた影響を紐解いてゆく。当時西洋絵画には、浮世絵のような一般の人の暮らしぶりや風俗を描くことは主流ではなかった。だからこそ浮世絵から得た新しい着眼点が西洋絵画に変革をもたらしていった。ここではモデルとなった作品と影響を受けた作品が比較して投影されるので、より理解が深まり、好奇心がどんどん刺激される。それだけでなく音楽にも耳を傾けたい。ときには和楽器の音が響いたり、またゆらめく音像に映像がリンクしていたり、聴覚からもその刺激をキャッチできるのも魅力だ。

「夜のモンマルトル通り」

東西、それぞれの街に入り込んでいくシーンの没入感もすばらしかった。まさに「絵の方からこちらにやってくる」とはこのこと、時空を越えて街に入り込む体験ができる。カミーユ・ピサロ「夜のモンマルトル通り」が、額縁から飛び出し、目の前に広がった瞬間には思わず声が漏れた。あのノスタルジックな夜へ、まさか入り込める日がくるとは……!

「夜のモンマルトル通り」が会場に溶けだす

わたしが人生で一度は行ってみたい場所、モンマルトル通り。時代も距離も越え、壁面360度、そして床面含め立体的に投影されるため、街を歩いているような体験ができる。それだけでなくパリから江戸、江戸からヨーロッパと、街並みが次々に自分のもとへ迫りくる瞬間は特別高揚感があった。

会場内は撮影OK

このあたりから、わたし自身、完全に没入して感じるまま心に焼き付けたい気持ちと、この瞬間を撮影して残したい気持ち、その葛藤に悩まされるようになる。

⚫︎浮世絵がもたらした新たな感覚

視覚的インパクトをもたらす浮世絵の”構図”。この構図を印象派の画家たちは取り入れていくのだが、ここでは印象派作品が、インスピレーションを受けた浮世絵とシンクロさせながら映し出される。いかに当時の印象派の画家たちがそのエッセンスを取り入れていたのかが見てとれるのだ。クロード・モネが愛した太鼓橋の構図についてもここで触れられる。

またこのパートでは、歌川広重が描き出す四季の感性にも触れられる。広重が線で描く、大胆で繊細な雨が動き出し会場中に降り注ぐ。この体験は格別で、絵画の雨に手のひらをかざしたくなった。このシーンはぜひ、あなたにも広重が描く雨を感じ取ってみてほしい。

「富嶽三十六景」と「星月夜」

正門さんがおすすめのシーンとして上げていたゴッホの「星月夜」と、北斎の「富嶽三十六景」が交わる場面。「富嶽三十六景」の波飛沫がこちらまで飛んできそうなほどの臨場感の中、ゴッホが影響を受けて描き出した強烈な画風があらわれ、波打つようにリンクしていく。

⚫︎ラストは美しい夜明けが広がる

印象派の誕生を代弁する「印象 日の出」

太陽の光がじんわりと広がり、雲や水面に反射しながら照らすモネ「印象 日の出」。水面が壁から床まですべてに広がってゆく、とても美しいフィナーレを迎える。思わずその水面に手を伸ばした。

美しい色使い、描きだす光の臨場感に心まで洗われるようである。水面に手を伸ばすも良し、太陽をつかまえてみるも良し、このイマーシブの旅の中で、あなたの感性がどう動いているのか、自身の心と会話して味わってみてほしい。「印象派」の誕生でラストが締め括られる、素晴らしい体験であった。

⚫︎昨年好評だった、「Interactive Area」が今年も登場!

もしも北斎が生きていたなら、ゴッホが生きていたなら──。

AIが作家のタッチを再現し、似顔絵を描き出すプログラム「Interactive Area」が今年も登場。昨年のAIゴッホに続き、今年初登場した北斎Ver.では、まず出身地を問われ答えると、それに合わせて背景などが変わる仕組みにバージョンアップされていた。たとえば、大阪ならば背景に大阪城が登場する。

「Interactive Area」

必ずしも出身地でなくても良いとのことで、試しに「フランス」と答えてみたところ、背景にはサクレ・クール寺院らしきものが登場した。完成した画像は、専用の用紙に書かれているQRコードを読み込むことでダウンロードできるので、様々な楽しみ方をしてほしい!

最後の最後まで楽しみ満載の『Immersive Museum OSAKA 2025 印象派と浮世絵 ~ゴッホと北斎、モネと広重~』。ちょうど『大阪・関西万博』開催中の今、日本と世界が素晴らしきシンクロを見せている堂島リバーフォーラムにも足を運んで観てほしい。そこには絵画の中に入り込み、名画家が見た世界を体感することができる、まさに特別な体験が待っている。

取材・文=田中麻希(FM802) 撮影=ハヤシマコ

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