丸山隆平が本格時代劇に挑む 激動の時代を生きる浪人たちの人生を描く、舞台『浪人街』の上演が25年に決定
2025年2~4月、東京・新橋演舞場、愛知・御園座、京都・南座にて、舞台『浪人街』が上演されることが決定した。
『浪人街』は脚本家・山上伊太郎が書き下ろし、1928年にマキノ正博の監督で制作された『浪人街第一話 美しき獲物』から始まるサイレント映画シリーズ。スター俳優の不在により主演含めほとんどが無名の若手俳優にも関わらず、大ヒットを記録し映画雑誌「キネマ旬報」で同年のベストワンに選出されるなど高い評価を得た。また時代劇映画において本作で初めて数十名で行う“集団殺陣”というジャンルを切り開いたことも大きな話題となった作品だ。
松竹では1990年にマキノ雅広(マキノ正博)監修、原田芳雄主演で4度目のリメイクとして映画化しており、この度、舞台として上演することが決定。
主演は、ドラマ、映画、舞台や音楽などの芸術分野での活躍はもちろん、バラエティー番組やMCの経験も豊富な丸山隆平がつとめる。共演は、玄理、入野自由、藤野涼子、入江甚儀、佐藤誓、矢柴俊博、神保悟志、そして板尾創路と個性豊かで実力派な顔ぶれで、アンダーグラウンドな浪人たちの世界を具現化する。
一番の見どころとなる殺陣はもちろん、オリジナル映画版よりもさらに浪人それぞれにフォーカスし、各々が抱えるものや感情の機微をより丁寧に描くことで人間ドラマとしての面白さを詰め込んだ作品となる。
より一層の魅力を携えて創造される新たな『浪人街』。人情、欲望、裏切りなど、時代劇らしさとこれまでになかった新しい視点が混ざり合った新時代のエンターテインメント時代劇に期待しよう。
【あらすじ】
舞台は安政時代の江戸の町。藤兵衛(佐藤誓)が営む飲み屋にはやくざ者、夜鷹、浪人といったはみ出し者たちが集い、毎晩酒を酌み交わしていた。新顔の浪人・源内(丸山隆平)は店の支払いを巡り、用心棒である赤牛(⼊野⾃由)と刀を合わせる事態に。そこへ浪人の母衣(⼊江甚儀)が仲裁に入り、その場を収めるのであった。
店の常連で巾着切りのお新(玄理)は実は源内と顔なじみで、いつも弄ばれ金をたかられているのだが、源内に惚れ込んでいるためきつく当たりながらも縁を切れずにいた。
一方、浪人たちが暮らす寂れた長屋に住む孫左衛門(板尾創路)と妹のおぶん(藤野涼子)は、以前はれっきとした武士であったが没落し、お家再興のために必要な印籠も質屋に流してしまい、物乞いをして食いつなぐ日々を過ごしていた。
そんな日々の中で事件は突然に起こる。藤兵衛が殺されたのだ。実は旗本の小幡伝太夫(神保悟志)とその弟の七郎右衛⾨(⽮柴俊博)が屋敷の裏売買を有利に進めるため、藤兵衛に盗みの冤罪を擦り付け殺したのであった。父同然であった藤兵衛の復讐に燃えるお新。伝太夫らの仕業であることを見抜き赤牛と共に座敷に乗り込むお新であったが、人質として捕らえられてしまう。源内はお新を助けにいくも、伝太夫側に寝返った赤牛に嵌められその場から逃げるのであった。その夜、翌朝にはお新が牛裂きの刑に処されると聞いた源内は……
丸山隆平 コメント
出演のお話をいただいた時、久しぶりの時代劇、さらに舞台ということでとても嬉しかったです。
これまで映画や舞台など様々な『浪人街』がありますが、今回はまた新たなストーリーになるということで、さらにブラッシュアップして作り上げていけたらと思っています。まず目指すところとしては、佇まいから説得力を出すこと。背景のあるお役なので、それに基づいた精神と身体作りをして武士らしさを出していきたいです。
今回、『浪人街』という不朽の名作を舞台という形でお届けできることは、僕としても幸福なことだと感じています。お客様には、不器用な浪人たちが舞台の上で一生懸命生きている姿を目の当たりにしていただき、これまで経験したことのない人生を感じていただけたら嬉しいです。
玄理 コメント
海外作品が続く中で、日本を深く感じられる作品が出来たらと思っていた時に頂いたオファーでした。
大切にしまっていたお着物の稽古着を取り出した時、立ち昇った匂いに胸がきゅっとしました。
数々の素晴らしい先輩方が演じてきたお新。どんな新しい浪人街が描かれるのか今から私も楽しみでなりません。
幕末のアウトロー物語『浪人街』ぜひ見に来てください。
板尾創路 コメント
この度、浪人街の舞台に参加できる事を大変嬉しく思っています。
映画版の浪人街は二度と作れない名画だと思います。 舞台版としての名作を皆様の心に残せるよう一心不乱に取り組ませていただきます。
そして若い世代に時代劇を伝え繋いでいけるよう頑張ります。