Yahoo! JAPAN

TSIホールディングスが初となるユニバーサルデザインの衣装プロジェクト「MOVE WEAR」をスタート

セブツー

TSIホールディングス(以下、TSI HD)は10月7日、新たなプロジェクト「MOVE WEAR」をスタートしたと発表した。「MOVE WEAR」とは、TSI HDにとって初となるユニバーサルデザインの衣装プロジェクトで、11月24日に開催されるALS(筋萎縮性側索硬化症)の啓発音楽フェス「MOVE FES. 2024」に出演するALS患者の武藤将胤氏のために衣装を開発した。

「MOVE WEAR」プロジェクトには、オリィ研究所の代表でロボット開発者の吉藤オリィ氏や東京大学の総合文化研究科の特任研究員で脳科学者の荻野幹人氏らが参加し、TSI HDのさまざまな部署のスタッフが関わった。デザインはファッションブランド「ゼロワン(01)」をプロデュースする武藤将胤氏が自ら担った。

武藤将胤氏が代表を務める一般社団法人WITH ALSによると、ALSとは体を動かす運動神経が老化し、徐々に動かなくなっていく難病で、日本には約1万人の患者がいるという。進行が速く、現時点では治癒のための有効な治療法は確立されておらず、難病指定されている。武藤将胤氏は2013年にALSを発症し、2014年に宣告を受けたという。

この日、「MOVE WEAR」プロジェクトによって作成された衣装を武藤将胤氏が自ら着用して登壇。人工ロボットアームにも「MOVE WEAR」の衣装を着用し、視線入力装置を通して、「ファッションは、自分の個性を象徴する大切なアイコンです。日々、ALSと闘病していますがどんな治療よりも気持ちを前向きにさせてくれるのがファッションです」とのメッセージを発信した。

TSI HDの下地毅・代表取締役社長は、「ALSは年齢や性別に関係なく、誰でも発症する可能性がある難病です。身近にある大きな課題で、みなさんに認知してもらう必要があるのではないかと思いました。今まで当たり前の服しか作ってきませんでしたので、ユニバーサルデザインは初めての取り組みです。ただ、次の時代を作っているという意識がありますし、そのための可能性をみなさんからもらったと感じています」と「MOVE WEAR」プロジェクトの意義について説明した。

「MOVE WEAR」のプロダクトは、コートとカーゴモチーフのパンツの2型。パーツが容易に脱着でき、肩幅も調節が可能だ。オーロラ色に反射するリフレクタープリントが施されており、三角形と飛沫をモチーフにした幾何学模様がデザインされている。有機的なものと無機的なものの交わりをイメージしており、人体の拡張を表現している。

荻野幹人氏も脳科学者の立場から、「世界的にも学術的にも新しいことをしているプロジェクトです。人工ロボットアームに装着する服を、脳が自分の腕だと錯覚すればするほど、脳における専用の領域が拡がるのではないか」と「MOVE WEAR」が脳に与える影響に期待を込めた。

ALSの啓発音楽フェス「MOVE FES. 2024」は、11月24日に東京・渋谷のLINE CUBE SHIBUYAで開催される。武藤将胤氏も「MOVE WEAR」を着用し、EYE VDJ MASAというアーティストネームでライブパフォーマンスを披露する予定だ。

【関連記事】

おすすめの記事