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「赤い車(サーブ)」職人に安堵の日々 坂戸の整備工場、当時回顧

タウンニュース

映画に「出演」させるため、整備入庫されたサーブ(2022年当時・右奥)

今月上旬、世界最高峰の映画賞とされる「アカデミー賞」受賞作決定の報を受け、坂戸の自動車職人・天川恭男さんを思い出した。ちょうど3年前、アカデミー賞国際長編映画賞に輝いた「ドライブ・マイ・カー」で、象徴的に使用された赤い車「サーブ」を整備した職人として大きな脚光を浴びた天川さん。その後の近況は、いかに―。

本紙記事、皮切りに

2022年、日本映画として初めてアカデミー賞の作品賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」。この作中、演者と並びもう一つの主人公とも称された「赤い車(サーブ)」の整備を手掛けた職人が高津区にいることを知り、いち早く本紙上で紹介した。

天川さんが代表を務める「A2ファクトリー」は、主力として取り扱う車種「サーブ」をはじめ輸入車の修理やメンテナンス等を手掛ける自動車整備工場。テレビ番組で使用される車の手配や整備依頼も多い天川さんだが、アカデミー賞にまつわる本紙記事が掲載されるや否や「快挙を支えた、影の立役者」として各方面から取材が殺到。作品のファンがロケ地などを訪れる「聖地巡礼」スポットにも数えられるなど一躍、時の人となり「影響はすごかったですね」と当時を振り返る。

「ブームの弊害」直撃

また自身への関心と同様に「サーブ」に対する購入問い合わせなども急増。一見、順風満帆かと思いきや「実はそうでもなかったですよ」とポツリ。聞けば、元々「サーブ」という車種は年代物の車種で台数も少ない上、アカデミー賞ブームの影響で中古車市場価格が急騰。最盛期にはこれまでの3倍以上にも跳ね上がったのだとか。だが一方「とにかく最低限、走る状態にすれば高値で売れる」と目論んだ業者が廃車同然のサーブを手抜きメンテナンスで市場に放出するケースも散見され、故障車が頻出。天川さんの元には、優れた整備技術を期待して全国から修理依頼が寄せられ、その対応に追われる状態が続いたという。

それでも貫く「愛」「矜持」

3年の時を経て「ようやく落ち着きを取り戻してきた感じですね」と話す天川さん。整備依頼は依然、後を絶たないものの一時期の狂乱状態は脱し、安堵の日々が訪れている様子。「今(サーブに)乗られているお客様に、少しでも長く整備が出来るように頑張って、人任せではなく自分の手で整備していきたいですね」と、最後は溢れる「サーブ愛」と、職人の矜持で締めてくれた。

今でも数多くの整備依頼が寄せられる天川さん

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