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天月、大好きな仲間たちと共にツアー完走 東京ガーデンシアター公演のオフィシャルレポート到着

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Amatsuki Winter Tour 2024-2025「ラスト・フレグランス」

Amatsuki Winter Tour 2024-2025「ラスト・フレグランス」


2025.2.1 東京ガーデンシアター

「東京ファイナルです。よろしく!」

『Amatsuki Winter Tour 2024-2025「ラスト・フレグランス」』のツアーファイナルの地、東京ガーデンシアターのステージに天月が華麗に着地。花の香りにまつわる映像とナレーションから始まったショータイムは、黒をベースにきらびやかな装飾の施されたナポレオンテイストの衣装に身を包む天月がステージに飛び込んで「UpStart」を歌い始めた瞬間、一気に沸点へ。「最高の夜にしようぜ!」と煽りながら、「fighting pose!!」「One time for your mind」と、ニューアルバム『ラスト・フレグランス』からの楽曲を連続投下。背後のビジョンにはカラフルなアニメとタイポグラフィ、頭上には大量のレーザービームとまばゆい照明。ステージでは黒服ダンサーズが激しく踊り、客席には無数のペンライトが花畑のように揺れる。うん、なんてゴージャス。

4曲目で早くも一人目のゲスト、超学生が登場して盛り上がりの火に油を注ぐ。「愛ちゅードク」は超学生の迫力低音ボイスと、天月のハイトーンのコントラストが映えるスピードチューン。歌の呼吸もぴったりならMCの呼吸もばっちり、「この1,2年は自身の単独ライブよりも天月のライブに出るほうが多かった」という超学生、勝手知ったるステージでのびのびしてる。二人でもう1曲「Musication」は、『ラスト・フレグランス』では96猫を含む3人編成だったが、デュエットでの披露はかえってレア。妖しくラウドなダンスロックでぐいぐい迫る、会場内の一体感もハンパない。

「パンダヒーロー」を歌い終えると、再び映像とナレーションがライブの趣旨をロマンチックに、ドラマチックに語ってくれる。今日のテーマはもちろん「香り」。「人がものを忘れていく順番は、聴覚、視覚、触覚、味覚、嗅覚の順番なんだって」。なるほど、だから香りは記憶に残り続けるのか。

「みなさん、楽しい1日にしましょう!」

衣装を着替え、ヘッドセットを装着して踊る気満々の天月がステージに戻りダンサーを呼び込む。おっと、でっかい猫が一匹混じってる。曲は「にゃんでい」。♪にゃんでいコールで会場全体を盛り上げながら歌い踊る真っ最中、でっかい猫が着ぐるみを脱ぐとそこに現れたのは、この日の二人目のゲスト・少年T。知ってた? 知ってた。「暑い!」とぼやきながら、笑いと歓声を一身に浴びて、嵐のように歌い踊って去る少年T。残った天月が歌う「あまちゃんズラブ」「オモカレ注意報!」は、アルバムの中でも特にポップで少女漫画ちっくな2曲。キャッチーな振り付けでここぞとばかりに盛り上げる天月、会場いっぱいにカワイイが溢れてる。

人間に戻った(?)少年Tが再び登場、仲良しトークに花が咲く。そして極めつけのお楽しみ、二人揃って「ボカロ胸きゅんソングメドレー!」のタイトルコールに応える、悲鳴のような大歓声。知っている人はもちろん知っている、「メルト」から始まる怒涛のラブソング名曲の連発に沸騰するアリーナ、バルコニー1、バルコニー2、バルコニー3を埋めた大観衆。懐かしい? いや、名曲は常に現在進行形です。

少年Tを送り出してさらに2曲、「かいしんのいちげき!」「しゃったーちゃんすっ!」と、ピュアでポップな恋の歌を連発で。ここまで1時間ちょっと、ほぼノンストップで突っ走ってもまだまだ元気。立ちっぱなしのファンを気遣い、着席を促してからライブは中盤へ。

「活動を初めて15年。どんな曲を書こうかとたくさん考えて、やりたいことをやれたアルバムができました」

今日は思い出をたくさん持って帰ってください。そう言いながら音源制作の相棒・kainを呼び込み、ピアノと歌でしっとり歌うのは、宇多田ヒカルのカバー「First Love」。15年間歌い続けた年輪と、カバーだからこそ伝わる歌の上手さと表現力。そのまま椅子に腰かけ、本を開いて読み上げる朗読劇の、深く静かな迫力と説得力。香りにまつわる切ない別れのストーリーを語り、声優としても活動する天月の魅力をしっかり伝える一幕。

切ないムードはそのままにバンドが一気に加速、「サウザンクロス」を歌い終えて天月がステージを降り、バンドメンバーとダンサーが、ソロプレーを披露してスポットを浴びる。迫力の生演奏で歌を支える、職人たちのプレーは堅実そのもの。頼れるメンバーたちだ。

鮮やかなクリムゾンレッドの衣装に着替えた天月が「Circus addiction」を歌うと、それがライブ後半スタートの合図。「トワイライトダンス」はダンサーと5人での華麗な群舞で客席を沸かせると、次はいよいよこの日3人目のゲスト、センラの登場だ。曲は『ラスト・フレグランス』からの「フラフラ」。ファンキーなノリの良さと大人びたかっこよさ、♪フラフラ~のコーラスが楽しい1曲。天月に似た赤のナポレオンジャケット風の衣装で「ユニットみたい」と笑い合う二人。この日のゲストは全員仲良し、気心知れた仲間の会話に場内のムードもほっこり和む。

ステージで二人だけで歌うのはこれが初めて。記憶を目と耳に焼き付けるためにもう1曲、「スターマイン」はお祭りビートにカラフルな花火の映像を添えて、ステージの左右いっぱいに広がって煽る二人。そして、センラを送り出しても勢いは止まらない、「プロポーズ」では今日イチのド迫力ボイスで激しいシャウトを決める天月。かっこよさを超えて怖さすら感じる、これが歌い手・天月の底力。

ピアノの伴奏に優しいナレーション、香りにまつわる恋物語の結末はちょっぴり切ないけど、やっぱり前向きなハッピーエンド。アルバムの、そしてライブのテーマ曲「ラストフレグランス」を歌う天月は、白い服に赤い花びらを散らしたエレガントな装い。ふと鼻をくすぐる花の香り、それはフレグランスマシンを使って会場いっぱいに広がる香りの演出だ。天月ならではのぜいたくな、ファンタスティックな仕掛け。続く「トラジェクトリー」を歌い終えると、ライブはいよいよ残り1曲。

「僕の人生は、誰かのためにあってほしいと思って書いた曲です。みなさんの幸せを願わせてください」

フィナーレを飾るのは、天月が自らの活動を振り返り、すべてのファンと仲間に捧げた「CELEBRATION」。無数の携帯電話のライトが客席を星空のように埋める。♪ラララ~の歌声が広い空間にこだまする。「もっと声を聞かせて!」と天月が叫ぶ。月は一人じゃ光れない、誰かに照らしてもらって光れる。「みなさんの光で照らしてください」という言葉が胸に沁みる。この曲のみ撮影OKだったので、SNSに上がっている動画は多いはずだ。未見の人は今からでもぜひチェックを。

鳴りやまない拍手に応えてのアンコールは、未来への希望を掲げるナレーション、そしてカバー曲「小さな恋のうた」。ラフなデニムに白Tシャツ、タオルを肩にかけてのびのび歌う天月。そして嬉しいお知らせ、5月10日に日比谷野外大音楽堂でのライブ決定!の報告に、大歓声と拍手で応えるオーディエンス。歌い手活動15年を経て、天月の前進はまだまだ続く。「花言葉」のラストで、キャノン砲が豪快に銀テープを発射する。場内に残る香りが、再び華やかに舞い上がる。

お楽しみはまだ終わらない。今日のライブを盛り上げたスペシャルゲスト、少年T、センラ、超学生を呼び込み、3人揃ってのタイトルコールで披露したのは「パーペキヒーロー」。歌い手大集合のヒーローアンセムを今夜は4人で、♪かませ、かませとぐいぐい飛ばし、ラストは全員揃って大ジャンプ。君がいるから僕は歌える、天月のメッセージは明確でブレがない。

体感速度はあっという間、終わってみれば3時間越えのフルボリューム。ラストソングを歌う前、センラが天月ファンに向けて言った「あなたの推しはすごい人ですよ」という言葉がリフレインする。次の目的地は5月10日の日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブ「ぼくの色。」だ。香りの次は色、どんなカラフルな世界を見せてくれるのか。3か月のカウントダウンはもう始まってる。

文=宮本英夫
撮影=アンザイミキ

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