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オリックスの新エース宮城大弥、データに見える進化と投球スタイルのマイナーチェンジ

SPAIA

オリックスの宮城大弥,ⒸSPAIA

背番号13から18に変更

岸田護新監督が就任してV奪回を狙うオリックスは、宮城大弥が開幕投手を務めることがすでに公表されている。2025年は背番号13から18に変更。絶対エースだった山本由伸が昨季からメジャー移籍し、名実ともにオリックスのエースとなった宮城にかかる期待は大きい。

興南高から2019年ドラフト1位で入団して6年目。ルーキーイヤーにプロ初勝利を挙げ、2021年から3年連続2桁勝利をマークした。2024年は7勝どまりだったが、防御率は1.91。最終登板で規定投球回まであと1.1イニングに迫りながら降雨コールドで涙を呑んだが、プロ5年間で通算42勝26敗、防御率2.51の実績はエースと呼ぶに十分だろう。

まだ23歳の宮城だが、ここまでどのような成長曲線を描いているのだろうか。1年目は3試合しか登板していないため、2年目の2021年から4シーズンのデータを分析した。

ストレートとカーブのスピード差は50キロ以上に拡大

宮城と言えば、スローカーブを有効に使う緩急自在の投球が代名詞だ。そこで、まず球種別の球速から比較してみよう。


表の通り、ストレートはわずかだが速くなっている。2021年は平均144.5キロ、最速154キロだったが、2024年は平均147.0キロ、最速155キロ。たゆまぬトレーニングの賜物だろう。

そのほか、フォーク、チェンジアップ、スライダーも軒並みスピードアップ。特にスライダーは2023年の平均122.4キロ、最速128キロから2024年は平均127.9キロ、最速134キロと5キロ以上速くなった。

逆にカーブはスピードダウン。2021年は平均107.5キロ、2022年も平均103.7キロだったが、2023年は平均92.1キロと10キロ以上遅くなった。2024年も平均93.8キロで、ストレートとのスピード差は2021年の37キロから53.2キロに拡大。この緩急こそ、宮城の真骨頂と言えるだろう。

大幅に増えたフォークの割合

続いて球種別の投球割合と空振り率も見ていこう。


投球の中心であるストレートは大きな変化はないが、2024年が49.4%と最も高い。緩急を活かした投球も、半分近くを占めるストレートが走ってこその芸当だ。

2023年から大幅に増えているのがフォーク。2021年と2022年は1.6%にすぎなかったが、2023年は8.9%に増え、2024年は12.1%とさらに増えた。空振り率も2022年の13.2%から2023年は22.6%に上昇しており、大きな武器となっている。

逆に減少したのがチェンジアップだ。2023年まで10%以上だったが、2024年は6.8%。フォークの割合を増やした分、チェンジアップを減らしたのかもしれない。実際、空振り率はフォークの方が高い。

スライダーの割合は大きな変化はないものの、空振り率は年々上昇。2024年は15.7%とフォークに次いで高かった。

意外なのは、より遅くなったカーブが大幅に減っていること。2022年は10.5%と多用していたが、2023年は5.4%、2024年は3.3%しか投げていない。空振り率も2021年は19.2%、2022年は11.3%と高かったものの、平均球速が10キロ以上遅くなった2023年は6.0%までガクンと落ちた。カーブは空振りさせるボールからタイミングを外す見せ球として使うことが増えたのかもしれない。

被打率改善したフォークと悪化したカーブ

最後に球種別の被打率と被本塁打数も比較してみよう。


半分近くを占めるストレートは毎年2割2分から3分台で安定。被本塁打も2021年の8本から年々減らしている。

2023年から割合を増やしたフォークは被打率も2022年の.250から2023年は.164、2024年は.162と優秀な数字に変化。全球種の中で最も低く、頼れる武器となった。

チェンジアップも2022年まで2割台だったが、2023年から1割台。その裏返しで、カーブは2021年が.197、2022年は.203と優秀だったが、2023年は.385、2024年は.286と打たれている。緩急差をより広げるためのスローカーブだが、遅すぎると対応されるということか。

スライダーはバラつきがあるものの、被打率2割台のシーズンが多い。

こうして見ると、宮城もマイナーチェンジを繰り返しながら毎年アップデートしていることが分かる。開幕マウンドに立つ2025年はさらなる進化を見せてくれるだろうか。エースらしい投球が期待される。

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記事:SPAIA編集部

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