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【富士・ジャム工房Woody】うわさのジャム工房 行ってみたら“お寺の中” 境内の果物がジャムに

テレしずWasabee

テレしずWasabee わさびー

シンプルな材料を使った話題のジャム工房が静岡・富士市にあると聞いて訪ねてみると、そこは歴史あるお寺の中。境内で採れる果物で作ったジャムや、富士市の名産ほうじ茶のジャムなど、ちょっと特別な一品と出会えます。

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お寺で始まったジャム作り

住所を頼りに富士市浅間上町の「ジャム工房Woody」を訪ねました。そこは立派な門構えのお寺「泰徳寺」。825年に弘法大師によって開山されたと伝わる歴史あるお寺です。

ジャム工房Woodyがある泰徳寺(富士市浅間上町)

寺務所を訪ねると、色とりどりのジャムの瓶が並んでいました。

ジャムはここで購入できます。棚には、イチゴやモモ、巨峰などよく聞くものから、コーン、ルバーブ、らっかしょ(落花生)など、どんな味なのか想像が膨らむものまであります。

住職の妻でジャム工房Woodyの店主・木本惠子さんは、お寺の管理や運営をしながらジャムづくりをしています。

木本さんに境内を案内してもらうと、クリの木、ミカンやネーブル、レモンやザボンなど柑橘類の木、アボカドやブルーベリー、ヘーゼルナッツの木などがいたるところに植えられていました。

いろいろな種類の苗を植えて育てるのは、住職の趣味だそう。

あるとき木本さんが境内で採れた果物をジャムにして檀家さんに配ったところ、お店をやっていた方から「うちのお店に置いてみないか」と声をかけられたことがWoodyの始まりでした。

ジャム工房Woody・木本惠子さん:
季節によって旬のものが違うので変わることもありますが、大体40種類は用意があります

色鮮やかなフルーツジャムの瓶をさらに引き立てるラベルは、木本さんの娘がデザインしました。

ジャム工房Woody・木本さん:
材料をお砂糖で煮て保存食にしたものがジャムなので、その加工が可能ならなんでもジャムにします。少し前はクリ、そのあとは柑橘類と、境内では四季を通じていろいろな果物ができるので、収穫できたものを順に使っています

富士ブランド認定品「ほうじ茶ミルク」

茶業が盛んな富士市は、業界を盛り上げるため2021年6月に「富士市ほうじ茶宣言」を行いました。自治体を挙げて、ほうじ茶のブランド化、ほうじ茶の香りがするまちづくりを進めています。

市内のお店では富士のほうじ茶を使用したさまざまな商品が開発されていて、Woodyの「ほうじ茶ミルク(430円」もそのひとつです。

緑茶ミルクジャム(430円) ほうじ茶ミルクジャム(430円)

ジャム工房Woody・木本さん:
富士市でほうじ茶を使った商品の募集があり、知り合いからほうじ茶のジャムを作ってみたらどうかと提案がありました。作ってみたい気持ちはありましたが、ほうじ茶のような飲み物でジャムが作れるのか、最初はわかりませんでした

パンに塗るため、液体のままではジャムにはなりません。粘性を出すには牛乳を加えると良いのではと考え、試行錯誤しました。

左)ほうじ茶ミルクジャム 右)緑茶ミルクジャム

ジャム工房Woody・木本さん:
はじめは試行錯誤だったので、牛乳の量に応じて煮込む時間を何度も調整しました。試していくうちに、十分な粘性を出すための牛乳の量と煮込む時間を見つけることができました

こうして誕生したのが、富士ブランドに認定されたほうじ茶ミルクです。

シンプルな材料で作られている「ほうじ茶ミルクジャム」

ほうじ茶は、富士市でつくられている最高級の一番茶「凛茶」を使っています。

ジャム工房Woody・木本さん:
ジャムを作るときはキッチンから玄関まで、本当に素晴らしい香りに包まれます。一番茶を使っているので、通常のほうじ茶よりもさらに深みがあってふくよかな香りがします

ほうじ茶ミルクから広がる新しいジャムの開発

ほうじ茶ミルクは富士市で米寿の記念に贈られる「富士ブランド詰め合わせ」のひとつに選ばれました。そんな縁でWoodyのジャムを知った人が、その後直接買いに来てくれたこともあったそうです。

ほうじ茶ミルクをきっかけに声をかけてもらえることに喜びを感じた木本さんは、緑茶やコーヒー、牛乳だけのジャムも商品化。

一番新しいシリーズの「レイヤードジャム(各600円)」は、牛乳で作ったミルクジャムとフルーツジャムを2層にしたものです。

上段は「レイヤードジャム」(各600円)

モモやイチジクなど、果物がごろっと入ったジャムもあります。

ジャム工房Woody・木本さん:
水分が多い果物を使う時は水分を捨てなくても十分な粘性が出るように、切り方を工夫しています。例えばナシは、擦ったものと角切りにしたものを混ぜ合わせることで、果汁と果肉がうまくまとまって丸ごと楽しめます

デザートとしてそのまま食べてもいい

木本さんはジャムを固めるために寒天は使いません。果物に含まれるペクチンだけで固めます。ブドウやナシ、ミカンなどペクチン含有量が少ないジャムは、パンに塗るよりもヨーグルトに入れて食べるのがおすすめ。

帰宅後、ヨーグルトにラ・フランスのジャムを乗せて食べてみました。

たしかに、パンに乗せるとこぼれてしまいそうなジャムも、ヨーグルトに入れることでしっかりラ・フランスの味や食感を楽しめます。

ぜいたくなフルーツヨーグルトを食べている気持ちになりました。

Woodyがある泰徳寺とは?

ジャム工房Woodyがある泰徳寺は、「こおり石のお寺」として知られています。

境内にある「こおり石」は、夏でも触ると冷たかったことや、昔の富士郡に形が似ていることからそう呼ぶようになったと言われています。

また、境内にある「まちの駅」では、富士市に関するパンフレットを見たり座って休憩したりすることができます。誰でも立ち寄れる休憩所です。

まちの駅は誰でも利用できる

お店以外でも購入できます

お店は常に開いているわけではないので、直接買いに行く際はあらかじめ電話で確認しましょう。

富士川楽座3階にある土産処「サンロク」や、「道の駅富士」でもWoodyのジャムを扱っています。また、ほうじ茶専門店「茶舗焙焙焙(ちゃほばいばいばい)」では、ほうじ茶ミルクを購入できます。

パンに塗ったり、ヨーグルトに乗せたりするだけでいつもの食事をちょっと特別なものにしてくれるWoodyのジャム。お家で楽しむのももちろん、これからの時期は帰省のお土産にもおすすめです。

■店名 ジャム工房Woody
■住所 静岡県富士市浅間上町21-9
■営業時間 8:00~17:00 来店時は要連絡
■定休 不定休 
■問合せ 0545-53-9557
■駐車場 泰徳寺の駐車場を使用

文/南あゆみ 撮影/鈴木美緒

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