山の専門家が持ち歩くクマ対策&登山グッズは?アスレチック感ある名山に「さすが!」【札幌・八剣山】
北海道生まれ北海道育ち。生粋の道産子であるHBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)が、趣味である「登山」と「山ごはん」を紹介する連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」。
自分の足で歩いた先にある絶景と、おいしいごはんは、もう最高!
文化部出身・運動神経ゼロの私でも楽しめる「コスパはなまる山」が盛りだくさんです!
※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。
街を一望!低山なのにアスレチック感も味わえる「八剣山」へ
札幌の中心部から車を走らせること30分ほど。
定山渓も近くてかなり自然も豊かな場所にあるのが「観音岩山(かんのんいわやま)」、通称「八剣山」です。
標高498メートルの低山ながら、札幌の街並みを一望できる人気の山。
しかもスリルも味わえるんです。
今回は「山の専門家」頼もしいガイドさんが一緒に登山してくれました!
札幌出身の奈良亘さんです。
奈良さんは世界40カ国以上の山々を歩き、南極越冬隊として活動した経歴を持つ異色の山岳ガイドです。
そんなプロフェッショナルと一緒に登頂を目指しながら、初心者でも安全に登るための秘訣を教えてもらいたいと思います!
まず北海道の山を楽しむには、プロならではの備えが欠かせません。
私はまだ、クマには出会ったことがありませんが、この日もクマ鈴とクマスプレーは持参していました。
まずは奈良さんに、あったら便利なクマ対策グッズを紹介してもらうことにしました。
登山の基本①クマ対策グッズは?
まずは基本中の基本。
クマ鈴から。
最近のクマ鈴は、音を鳴らしたくないときにパッと止めて、鳴らないようにすることができます。
地下鉄や、公共交通機関に乗るときにチリンチリン鳴るとちょっと恥ずかしいですからね…!
林道が伸びていて、クマがいそうというところでは、こんなホイッスルがおススメ。すごく高い音が遠くまで届きます。
もし、遭難をしてしまった場合などに自分の居場所を誰かに知らせるためにも役立ちます。
やっぱり何事も、備えが第一!
クマ対策の音が鳴るグッズを使う上で大切なのは、「持つ」ことではなく、音を「出し続ける」こと。
風向きなども見ながら、クマに人の存在を知らせ、「出会わない」ようにします。
クマスプレーなど、「それでも出会ったとき」のための備えも必要です。## 秘密兵器も…プロだからこそ、いつもしっかり備える
そして奈良さんが教えてくれた秘密兵器。
発煙筒です!
車に積んであるイメージですが、実際に事故が起きて助けてほしいときなどもヘリコプターに煙で知らせることができます。
奈良さんはメジャーな山に登るときでも、必ずすべて持っていくんですって。
どんな山でも万全な準備をすることが、安全に、そして楽しく登るための一歩なんですね。
登山開始!観音様にごあいさつ
さて、歩き始めると、まず観音様がみえてきました!
この山は観音岩山といって、観音様が祀られているので、地図にも観音岩山と書いています。
安全に登れますように…!
奈良さんと一緒にしっかりお祈りをしました。
八剣山には南・中央・西の3つの登山口があります。
今回は起伏に富んでスリルが味わえる、南口から山頂を目指します。
開始早々、「もう見せ場が来ちゃった。」と奈良さん。
すぐにロープ場が!
全体重をロープにかけないで、補助として使うのが正しいそうです。
基本は自分の足で立つ!
アスレチック感が満載で、楽しい!
さすが八剣山です。
世界の山を登るプロが見た北海道
世界中の山を登っている奈良さんから見て、北海道の山はどんな印象なのか聞いてみました。
「一言で言うと森の様子が良い」
どんぐりがなるミズナラなどの太い木を見上げると「樹齢何年なのかな」と思いを馳せるのだそう。
そして「こういう葉っぱをひっくり返してみると…」なんて手に取ると、裏にはカタツムリがこんにちは!
「なんでここにいるんだろう?とか、森が楽しくなってきますよね」
いつもなら、ただ山頂を目指して歩いていた登山道。
そうか、そんな風に山を見つめることもできるんだ。
奈良さんの言葉で、北海道の山の魅力に、改めて気が付かされました。
3合目に到着!ぐるっと周遊へ
南口から登ってきた私たち。
まだ午前中だということもあり、ここからぐるっと長い周遊コースを進むことにしました。
本来なら最短ルートで山頂を目指すところですが、一度中央口へ下がってから西口へ。
八剣山の魅力をぐるっと一周。たっぷりと味わいます。
中央口まで下がると、そこからは八剣山の頂上がよく見えます。
火山から流れ出たマグマがゆっくり固まった「柱状節理」を見ることができる八剣山のシンボル。
我々が目指すのはそのてっぺんです!
登山の基本②服装は?
せっかくなので、登山をするときの服装についても教えてもらいました。
登山は汗をかくので、乾きやすい速乾性のシャツがおススメ。
そして汗だけじゃない備えにもなります。
例えば雨!
万が一雨が降って濡れてしまった場合、乾かない上に重たくなって負担になります。
更に風が吹くと低体温症にもなりかねません。
そして奈良さんの首にもステキなアイテムが。
「首が熱くなると体全体が熱くなる」と話す奈良さんおススメなのが、日焼け対策にもなるネックガード。
帽子に被せるだけで首が隠れる優れものなのだそうです。
いいですね~!
そして日焼けといえば、体だけではなく、目の日焼け対策も大切です。
サングラスも必需品。
ちょっとした準備が快適で安全な登山に繋がります。
お楽しみの山おやつは私がプレゼン!
そろそろおやつ!ということで個人的に好きなおやつを持ってきました。
奈良さんに食べてもらいます。
それが「クロワッサンたいやき」!
札幌市南区にあるクロワッサンたい焼きの専門店「おひさま」。
実はこれ、冷凍で販売されているんです。
冷凍することで他の山ごはんの材料と一緒に入れても保冷材の役目も果たしてくれます。
半解凍状態で食べるつめた~いクロワッサンたい焼き!
甘さと冷たさが染み渡ります。
奈良さんも「冷たいものを汗をかいているときに食べるって一番おいしいよね」とにっこり。
山おやつは登山に大切なエネルギーチャージなんです。
いざ絶景の山頂へ!札幌にこんないい山があるなんて
さあここからさらに頂上を目指していきます。
到着したそのとき…見えたのは低山と思えない大パノラマ!
そして山のプロが作ってくれた超本格!絶品山ごはんに感動しちゃいます。
絶景&絶品…!次回詳しくお伝えします!
連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」
※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。
協力:山岳ガイド 奈良亘(なら・わたる)さん
札幌出身。(公社)日本山岳ガイド協会認定 山岳ガイドステージⅠ・スキーガイドステージⅡ、UIMLA/JMGA認定 国際マウンテンリーダー (IML)。南極越冬隊にも参加。
札幌でゲストハウス「サッポロッジ」を経営しながら、登山ガイドを行う。
文:HBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)
北海道生まれ・北海道育ち。2021年入社。HBCテレビでは「グッチーな!」「ジンギス談」「吉田類 北海道ぶらり街めぐり」「大江裕の北海道湯るり旅」などを担当。登山歴4年。おいしくごはんを食べるために山に登っています。登山の魅力はインスタグラムでも発信中
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は登山時(2025年7月)の情報に基づきます。