『スター・ウォーズ/シスの復讐』アナキンに殺された子役「セリフもらえたのは、僕が真っ先に手をあげたから」
「マスター・スカイウォーカー!敵は大勢です。どうしますか?」『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005)で、ダークサイドへ堕ちた直後のアナキン・スカイウォーカーがジェダイ聖堂を襲撃する場面で、アナキンの元に駆け寄ってくる無垢なヤングリング。この子役を演じたロス・ビードマンが、『シスの復讐』公開20周年を記念して、同作撮影の興味深い裏話をTikTokで語っている。
Throwback to my last acting role - 20 years ago Happy anniversary to the release of Revenge of the Sith in theatres
ビードマンが演じたのは、「オーダー66」時にジェダイ聖堂に居合わせた幼きヤングリングたちの1人。襲撃を受ける聖堂にアナキンが登場したので支援を求めたが、恐ろしい目つきをしたアナキンは突如としてライトセーバーを起動。この子どもは驚き、直後アナキンによって虐殺されることが示唆される。
演じたビードマンは「これは2005年の僕です!」とTikTokで当時を振り返る。役を得られたのは「運と親のコネ」のおかげ。母親の仕事仲間がキャスティング・エージェンシーを始め、ある時「『スター・ウォーズ』に息子さんを出演させたいですか」とメールが届いたことがきっかけだったという。
『スター・ウォーズ』が大好きだったビードマンと母親が快諾すると、『シスの復讐』CGシーンの多くが撮影されたイギリスのシェパートン・スタジオに招かれた。簡単な面談の後に書類に署名を行い、セットを一通り案内された時の思い出をビードマンは語っている。「非現実的な空間でした。メイク室の外で、シャク・ティがエイリアンのコスチューム姿でタバコを吸っていました」。
ヤングリングの髪の三つ編みの色をどうするかを決めさせてもらい、ビードマンはいざ撮影現場へ。スタジオは二分割されており、片方はコルサントの風景を映し出すブルースクリーン、もう片方はジョージ・ルーカス含む撮影スタッフがいる空間に分かれていたそう。
ビードマンら子役たちが円形になって座っていると、そこにキャスティングディレクターがやってきてシーンの説明を受けた。「悪い人たちがやってきて、ジェダイ聖堂を襲います。アナキンはヒーローとして、ピンチを救うために部屋に入ってきます」。実際にはアナキンこそが「悪い人」になっており、子どもたちに刃を向けることになる。
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さて、なぜビードマンだけがセリフを与えられる中心的な子役になれたかというと、「セリフを覚えた人?」とのキャスティングディレクターの問いに、真っ先に手を挙げて「覚えました」とセリフを言ったためだったそうだ。「君に決まり」と選ばれた。
なお、彼には後にCGで緑色の光が足される撮影用ライトセーバーを持たせることが検討されたというが、最終的にはオフの状態のヒルトを腰に装着することになったという。
撮影の直前にはアナキン役のヘイデン・クリステンセンがやってきて、「ロス、始める前に何か質問はあるかい?」と尋ねてくれたそう。ビードマンは「おバカな質問をしちゃった」と振り返る。「大人のライトセーバーと子どものライトセーバーは、どっちの方が危ないですか?」クリステンセンは笑って、「大人のライトセーバーの方が危ないよ」と答えてくれたそうだ。
撮影では、ビートマンがどうしてもアナキンの顔ではなくライトセーバーの方を見てしまったため、全部で4テイクかかったそう。本編では、ビードマンがビクっと驚いて後退りする様子が自然に撮れているが、実はこれ、クリステンセンが「アァー!」と叫んで彼をおどかしたためなのだとか。(このことについてクリステンセンは、後に「あの時はゴメンね」と。)
映画が完成すると、ビードマンと彼の家族は映画のプレミアイベントに招待された。「これがその時のチケットです」と、ビードマンは今も大切に保管している。
「少ししてから、自分の演じたキャラクターがSors Bandeamという名前だと知りました」明言はされていないが、彼の名前Ross Beadmanのアナグラムなのかもしれない?