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3Dプリンター+プレハブ 日本初のハイブリッド建築物が静岡県に誕生 誰でも体験可能

Shizuoka

日本初のハイブリッド建築によるトイレ建屋

■静岡市の住宅展示場内の公衆トイレ 百年住宅が建築

静岡市の住宅展示場に、建築用3Dプリンターの技術とプレハブ建築の工法を融合させたトイレ建屋が完成した。日本初のハイブリッド建築物になるという。住宅展示場は入場無料で、誰でも見学や体験が可能となっている。

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ハイブリッド建築によるトイレ建屋があるのは、静岡市駿河区桃園町のSBSマイホームセンター静岡展示場内。静岡市駿河区に本社を置く住宅メーカー「百年住宅」が建築した。

このトイレ建屋は防災のために国策として開発された「WPC工法」と呼ばれる壁式プレキャスト鉄筋コンクリート構造に、建築用3Dプリンターの技術を組み合わせてつくられた。外壁に3Dプリンターで出力したコンクリートパネルを使用しており、特有の積層模様が入っている。

用途は公衆トイレのため、誰でも使用できる。延べ面積は約55平方メートル。工期は2か月ほどで、部材の組み立ては4日間だったという。

3Dプリンター出力特有の積層模様
3D出力の壁(左)とWPC工法(右)のハイブリッド建築

■人手や費用の問題解決 デザイン性の高さも実現

WPC工法と3Dプリンター技術を融合させた背景には、近年頻発する豪雨災害や建設業界の人手不足がある。災害でも倒壊しない建物が求められる一方、一般的なコンクリートはコストも人手も必要で工期が長いことから小規模建築では普及していない。コンクリートプレハブ住宅のWPC工法に注目が集まっていたが、デザインの自由度に制限があった。

そこで、百年住宅はWPC工法と建設用3Dプリンターを融合させて課題を解決し、新たにハイブリット建築の開発を始めた。今回のトイレ建屋はPCパネル部材を現場で組み立て、その後に全体を囲むような壁を3Dプリンターで制作した。3Dプリンターを用いることで、これまでの鉄筋コンクリート造では困難だった円形や曲線、表面の凹凸といったデザイン性の高さを実現させた。

骨組みの組立工期は通常の鉄筋コンクリート構造と比較して4分の1程度に短縮された。建設業界の大きな課題となっている職人不足や人件費の高騰を解消し、高耐震・高耐久の性能を維持したハイブリッド工法は住宅など様々な建物への応用が可能。今後の大地震や、国が進める住宅ストック政策にも対応できる設計となっているという。

現在、日本にある3Dプリンター建築物は、開発中や個人所有に限定されており、一般開放はされていなかった。今回初めて商業施設のパブリックスペースに採用されたことで、3Dプリンターで制作された建築物を誰でも気軽に見学・体感できるようになった。

(SHIZUOKA Life編集部)

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