ほどがや元気村 米作りで「食と農」学ぶ 児童向け教室が始動
川島町の農場を舞台に子ども向けの伝統農業体験教室などを開いている「ほどがや☆元気村」(青木毅村長)が4月19日、1年計画で米や野菜作りを学ぶ「どろんこ教室」の開講式が西谷地区センターで行われた。
元気村は「子どもたちに食と農の大切さを知ってもらおう」をテーマに2009年から活動。農場の水田は区内唯一の稲作農家・三村敦夫さんが所有し、元気村の取り組みに賛同した三村さんが600坪の田んぼのうち約100坪を子どもたちの稲作体験の場として提供している。
三村さんによると、高度経済成長期を境に区西部域を中心に広がっていた田園風景は1965年ごろから減少。00年ごろには三村さんが所有する水田が区内唯一の田んぼになったという。
今年の開講式には、どろんこ教室に参加する小学4年生から6年生までの児童40人が出席。神部浩保土ケ谷区長やJA横浜保土ケ谷支店の海野泰支店長も参列し、児童や保護者の前であいさつした。元気村関係者がスクリーンで年間の活動内容について説明した後、皆で水田に移動した。
水田では代表児童や神部区長による豊作を願う鍬入れ式の後、稲の種まきを実施。参加者同士で自己紹介をする時間も設けられ、1年間を通して「農の心」を学ぶ仲間と交流を深めた。
食べ残し減に
元気村によると、どろんこ教室での体験を経て、保護者から「子どもたちの食べ残しの量が減った」という声が毎年寄せられるなど、活動の成果が如実に表れている。青木村長は「食と農の大切さを伝えるという役割を果たせているようでうれしい。『安心・安全で楽しい元気村』を合言葉に、子どもたちがけがなく体験できるように運営したい」と話した。
6月上旬に田植えを行い、秋には収穫、脱穀、精米作業などを体験し、12月には育てた米を使ってつきあげた餅を味わう予定となっている。
そのほか、元気村の農場ではジャガイモや大根も栽培。かかしやわら細工を作る講座も予定し、子どもたちに農業を包括的に学んでもらうための機会を提供する。