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上鶴間高校 文化祭でキャッシュレス導入 「時代にあわせ」教員負担減も狙い

タウンニュース

来場者のキャッシュレス決済をサポートするKDDIスタッフ=同社提供

県立上鶴間高校(上鶴間本町)の文化祭が8月31日と9月1日に行われ、今年初めて「キャッシュレス決済」が導入された。採用されたのは、KDDIが提供する「auPAY」のサービスで、利用者はスマートフォンで店舗(ブース)に掲示された二次元コードを読み取り、商品代金を送金する仕組み。参加した飲食店およそ20店舗のすべてが対応した。

高校生の「2人に1人」が普段からキャッシュレス決済を使用しているというデータもあり、在校生は期間中、問題なくキャッシュレスで支払いを済ませていた。一方、保護者やその家族など、キャッシュレス決済に不慣れな来場者も想定され、従来の「金券」も並行して用意された。

今回、同校がキャッシュレス決済を導入した理由には、会計処理の負担軽減がある。高校の文化祭での支払い方法は現金または金券が一般的で、同校ではこれまで金券を使用していたが、イベント後の会計処理には多くの時間を要しており、教員たちは「例年、年末まで作業が続く」ことを課題としていた。キャッシュレス決済を導入した場合、「その労力は極端に減る」と話す。

そのような中で、昨年、県内の学校でキャッシュレス決済を導入している事例を知り、今年2月にKDDIに協力を要請。校内では導入に関して議論が交わされたが、「時代に即した取り組み」として、おおむね前向きな意見が寄せられたという。

両日、KDDIのスタッフは会場に待機し、来場者へのアプリインストールやチャージ、ログイン方法のサポートを行った。一時的にアクセスが集中し、スムーズにいかない時間帯も発生したが、学校側によるとトラブルは7件にとどまり、大部分の来場者は問題なくキャッシュレス決済を利用。最終的には、来場者の4分の3が利用し、4分の1が金券を利用する形となった。学校側は、「不慣れな方や小さな子どもが来場することを考慮すると、今後もキャッシュレスと従来の支払い方法を併用したハイブリッド形式を継続するだろう」と述べ、キャッシュレス決済を取り入れた文化祭の継続に前向きな姿勢を示している。

KDDIはこの取り組みについて、「高校生がキャッシュレス決済に接する機会は、決済者としてだけでなく、出店者としても貴重な経験。そのメリットやデメリットを実際に体感することは、将来を見据えた非常に価値ある体験になる」とコメント。なお、神奈川県内での「auPAYキャッシュレス学園祭」は2023年度には1校、24年度は同校を含む3校で実施されている(9月6日時点)。

校内の様子=同

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