『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』は『ファイト・クラブ』に似ている? エドワード・ノートンが絶賛「セバスチャン・スタンの芝居がすごい」
『ファイト・クラブ』(2000)『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)などの名優エドワード・ノートンが、映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』を称えた。
本作は2024年10月にアメリカで公開されるも、トランプ本人が上映阻止に動いたことで業界が萎縮し、本国でもいまだ多くの人々に観られていない不遇の一作。カンヌ国際映画祭で高い評価を受け、Rotten Tomatoesでも批評家スコア83%・観客スコア84%と確かな支持を得ているが、トランプの大統領再選後はハリウッドからトランプに関する言葉が(奇妙なほどに)ぱったりと消え、本作についてもあまり語られないままとなってしまった。
米にて、ノートンは『アプレンティス』を『ファイト・クラブ』になぞらえる。今でこそ映画史に残る名作といわれる『ファイト・クラブ』も、公開当時はあまり評価されず、興行成績も散々なものだったと。
「『アプレンティス』を見ましたが、“いい映画だ”という言葉では足りません。あまりにも過小評価されています。見事に演出された映画で、2人の演技も素晴らしかった。セバスチャン・スタンは、とんでもなく難しい芝居を鮮やかにやってのけているし、ジェレミー・ストロングも同じく衝撃的。彼らはドナルド・トランプとロイ・コーンに関心を抱かせ、共感させてしまうんですよ。そこに人間の根源を感じるんです。」
もともとノートンは監督のアリ・アッバシに注目しており、『ボーダー 二つの世界』(2018)を「この10年間で十分な評価を得ていない傑作のひとつ」と呼んでいる。「あの映画はまぎれもない傑作だった。それから、“この監督は次にどんなことをするんだろう?”と思っていたんです」。
『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』エドワード・ノートン ©2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
ボブ・ディラン伝記映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』でピート・シーガー役を演じたノートンは、言ってしまえば『アプレンティス』のライバル陣営であり、実際に第82回ゴールデングローブ賞では助演男優賞をストロングと争った(受賞はキーラン・カルキン)。スタンは『アプレンティス』でドラマ部門の主演男優賞候補となり、『A Different Man(原題)』でミュージカル/コメディ部門の主演男優賞を受賞している。
それでもノートンは、おそらく賞レースのどこかでスタン&ストロングと対面したのだろう、ふたりに直接『アプレンティス』への賛辞を伝えたという。「“時間はかかっているけれど、だんだん声が広がっていますよ”と伝えました。フィルムメイカーのあいだで、“あの映画を観た? 本当に素晴らしいよ”という言葉が伝わりつつあるんです」。
映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』は2025年1月17日(金)全国ロードショー。
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