平塚市一般会計予算案 2年連続で1000億円超 過去最大 市税収入が好調
平塚市は2月13日、2025年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比5・7%増の1059億8千万円で、2年連続で1千億円を超え過去最大となった。子どもを育む環境づくりや活気あふれる産業づくり、安心・安全で快適なまちづくりなどを重点戦略に据えた予算編成となった。
歳入は、4割以上を占める市税収入が好調に推移。前年度比7・1%(31億4460万円)増の474億2681万円となった。個人市民税は賃金上昇に伴う個人所得の増加や定額減税の終了などの影響で約19億円増。企業の業績回復や積極的な設備投資などにより、法人市民税は約4億8千万円、固定資産税は約6億8千万円増となる見込み。
市債の発行額は57億5270万円。学校給食施設整備事業債や新庁舎建設事業債、臨時財政対策債の減少で前年度比14・5%(9億7530万円)減を見込む。
財政基盤の安定性の指標となる自主財源比率は、市税が大幅に上昇したことで、前年度比0・2ポイント増の56・4%となった。
義務的経費54%
一方歳出では人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費が5・2%増の569億306万円。歳出に占める比率は53・7%で前年度に比べ0・3ポイント減少したという。給与やボーナスの引き上げなどで人件費が前年度に比べ8億7千万円以上かさんで185億591万円となった。
新年度の主な取り組みとして、遠方の分娩取扱施設で出産する必要があるハイリスク妊婦等に対し、妊婦健診受診時の交通費助成(159万円)。駅周辺地区のオフィス開設への支援(483万円)、空き店舗対策等の拡充(約221万円)、今年10月末に供用開始予定の海辺の総合公園の整備(約16億円)などを盛り込んだ。
予算案は3月17日まで開会している平塚市議会3月定例会で審議される。
「こども」「防災」に焦点3町新年度予算案を上程
大磯町と二宮町、中井町が、2025年度当初予算案をそれぞれ発表した。大磯町は2月12日から開会している町議会3月定例会で審議。二宮町は21日から、中井町は3月4日(予定)から開会する定例会に当初予算案を提出する。
大磯町
一般会計の総額は対前年度比11億7900万円増の127億9000万円。防災行政無線更新(4億8700万円)や町立小中学校空調整備事業(3377万円)などにより、過去最大の予算規模となる。
大磯町は25年度当初予算について、子育て・教育環境の整備や防災力強化、福祉・医療の充実、地域経済対策の3つを柱に展開。新事業として、町立幼稚園認定こども園移行事業(2億2216万円)、国府橋周辺道路整備事業(5704万円)などを盛り込んだ。
そのほか三沢川樋門整備(2億8858万円)や、新庁舎整備(1億6782万円)、海水浴場開設140周年記念事業(2020万円)を編成した。
二宮町
「こどもがまんなか誰もが輝くやさしいまちづくり」を柱に、初の100億円超となる一般会計100億7000万円を含む、総額187億2105万5千円を計上した。
誰もが利用しやすい「まちの拠点」づくりとして、令和10年度移転予定の役場新庁舎の整備や、同年リニューアルオープン予定の生涯学習センター大規模改修の実施設計などに1億4450万3千円を計上。自然災害への対応力強化として県と流域市町との連携による葛川整備、内水ハザードマップの作成と全戸配布などに8914万4千円を盛り込んだ。
中井町
活力・快適・安心を重点施策に職員の働きやすさやDX推進を加えた総額80億2204万円(前年度比1億4645万円増)を計上した。
一般会計は、図書館や公民館、郷土資料館の機能を併せ持つ生涯学習施設建設事業(2億3868万円)などを盛り込んだ49億6450万円の大規模予算を編成。
新事業としては、全小中学校の体育館の空調機設置事業(2500万円)、各種ハザードマップのほか、市街化調整区域などの地図情報を簡単に閲覧できる統合型・公開型GIS導入(2608万円)などを見込む。
(2月17日起稿)