筋肉痛=成長の証じゃない!? 筋トレ効果のホントのところ【眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話】
筋肉痛がないとトレーニング効果もなし?
筋トレの成果は、筋肉痛と無関係
トレーニングを始めた当初は筋肉痛が出やすいものですが、回数を重ねるうちに出にくくなります。「筋トレの効果がなくなったのでは?」と心配する人もいるでしょう。でも実際は、筋トレの成果と筋肉痛との間に直接の因果関係はありません。
「久しぶりにゴルフをやったら筋肉痛になった」というような経験は誰にでもあるでしょう。筋肉痛は、高負荷で慣れない動きをすると起きやすいのです。自分のイメージと実際の体の動きとの間に「ずれ」が生じ、筋肉がぎゅっと引っ張られて損傷や炎症が起こりやすいためです。たとえば一流のラガーマンであっても、慣れない野球をすれば筋肉痛になります。逆にいえば、同じ動作のトレーニングを続けると筋肉痛が出なくなるのは当然なのです。
筋肉痛はなくとも、適切な負荷と頻度で鍛え続ければ、筋肉は成長するので安心してください。中高年になって、「若い頃より筋肉痛が遅れてくる」と感じる人は多いようですが、それは錯覚です。筋肉の炎症のピークは、運動後48~72時間前後。年齢による差はありません。では10代の頃と何が違うかといえば、運動の頻度と種類です。中学や高校では、体育の授業や部活などで体を動かす機会が大人よりはるかに多いうえ、運動の種類もさまざま。筋肉が常に刺激を受けている状態なので、いつのどの運動が原因で筋肉痛が出たのかわからず、錯覚しやすいのです。
筋肉痛が起こらなくても効果はある
筋肉痛が起こる場合
激しい運動や慣れない運動をした。
筋肉が炎症などを起こし、運動後48〜72時間で筋肉痛がピークとなる
筋肉痛が起こらない
同じ動作のトレーニングや運動を続けている。
筋肉痛が起こらなくても適切なトレーニングを続けると筋肉は成長!
「年を取ると筋肉痛が遅れてくる」は錯覚
筋肉の炎症ピークは年齢差関係なく運動後48~72時間。錯覚の原因は運動頻度の違い。
子どもは体を動かす機会が多い
ほぼ毎日、さまざまな運動を行っているので頻繁に筋肉痛が起こり、スパンが短く感じる。
ミドル、シニアは運動の機会が少ない
運動の機会が少なく強烈な筋肉痛が出るため、印象に残りやすい。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話』著:坂詰 真二