故郷の思い出を共有愛川町と清川村で民泊を運営する落合秀人さん
清川村で中学2年生まで過ごした厚木市在住の落合秀人さん(56)は、清川村宮ヶ瀬と愛川町半原で民泊2棟を管理・運営している。
豊かな自然の中で、釣りや山の斜面を滑って遊んだ幼少時の思い出は今でも大切な宝物。ダム建設に伴い厚木市内に移転するも、父親が清川村にも家を建てた。休みになれば足を運び、家族で過ごした思い出深い家だ。
そんな我が家を、父の死後「空き家にしておくのも」と2018年から民泊として活用することに。「自分にとって楽しい思い出がいっぱい詰まった家。利用した人も、この家で新たな楽しい思い出を作っているのかと思うと、なんだか思い出を共有しているみたいで不思議な気分」と笑顔をみせる。
今年1月には半原で2棟目の民泊をスタートさせた。落合さんは不動産業も営んでおり、知人から『子どもも独立して、何部屋もある家だと不自由になった』と相談された物件を活用。「長く住んだ家だけに時々は戻りたくもなるだろうし、ロケーションも良いので売るのも忍びない」と、利用者がいない時には大家として泊まることを勧めた。
両棟ともに週末や大型連休には近隣市ほか都内、海外から多くの人が訪れる。落合さんは「自分を育ててくれた地元への恩返し」と話し、地域活性化の一助になればと考え、半原の民泊の清掃はシルバー人材センターに依頼する。「定住してもらうのは難しいかもしれないけれど、町や村の良さを知って足繁く訪れる人が一人でも増えてくれたら」と話した。