神戸・摩耶の住宅街にひっそり佇む『猿田彦神社』まちを見守る“除災招福”の神様 神戸市
JR摩耶駅前の住宅街にひっそりと佇んでいる『猿田彦神社』(神戸市灘区)をご存じでしょうか?
古事記や日本書紀に登場する日本神話の神様『猿田彦大神(さるたひこおおかみ)』を祀った神社であり、立派な石造りの鳥居と、これまた立派なクスノキが目を引きます。
クスノキの前には、同神社や神様の由緒を記した説明板が。少し右に傾いているところに愛嬌を感じます。寺社仏閣にありがちな堅苦しさも一切なく、文章の端々から“この神社に親しみを感じていること”が伝わってきました。
猿田彦大神を祀った神社といえば、『伊勢神宮』(三重県伊勢市)のそばにある同名の『猿田彦神社』や、同・鈴鹿市にある『椿大神社(猿田彦大神の総本宮)』が有名だと思います。
しかし、グーグルマップで調べてみると、神戸市内には猿田彦大神を祀った神社が意外なほど多くて驚きました(東灘区~垂水区にかけて点在しています)。
説明板にも書かれている通り、猿田彦大神は「道祖神」として信仰されることが多く、神戸のあたり(かつての摂津国)は、港湾・海路・街道など、古くから交通・交易が盛んな地域だったことから、「道を拓く」「境を守る」神様として地域の人に信仰されたのかもしれません(仮説ですが)。
こちらの猿田彦神社は、“元禄年間(1688~)に、村人達が交通の守護神として猿田彦を祀った”とも、“神宮寺であった船寺八幡宮の方除けの神として祀った”とも伝えられているそうで(兵庫県神社庁HPより抜粋)で、明治6年(1873年)には村社(そんしゃ)に指定されました。
その後、太平洋戦争や阪神・淡路大震災を乗り越え、現在も「地域の除災招福の神社」として地域の人々の生活を見守っています。
冒頭でもお伝えしましたが、住宅街に立地しているので、参拝の際は近隣住民の迷惑にならないように気を付けましょう!
場所
猿田彦神社
(神戸市灘区灘南通4-3-8)